11月の新刊:『想起のかたち』

2012年 11月 21日 コメントは受け付けていません。

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香川檀

A5判上製/368頁/別丁カラー12頁 定価=4500円+税
978-4-89176-920-8 C0070 11月22日頃発売予定
装幀=伊勢功治


ドイツ文化学から現代アートを論じる記念碑的著作を刊行します!


ナチズム/ホロコーストという負の記憶を自らの作品に据え、イメージの
〈想起〉をうながす〈後から生まれた世代〉の4人の美術家たち——
クリスチャン・ボルタンスキー、ヨッヘン・ゲルツ、レベッカ・ホルン、
ジークリット・ジグルドソン。彼らの作品がもつ構造・意味作用の分析を通して、
美術家たちによる〈歴史の表象〉への扉を開く。【図版多数収録】


目次

序章
ドイツ記憶論——文化学を中心に
戦後アートによる想起と歴史意識
近年の「記憶アート」研究——視覚表象論による理論化の試み
本書の視覚と内容構成

第1章 痕跡採集
1 〈痕跡保全〉のアート
2 個体をとりまくマトリクス——ボルタンスキーの領分
3 「捜査/操作」の修辞学
4 事実とフィクションのはざま

第2章 標しづけ
1 “マーク”された都市の空虚
2 〈下からの歴史〉と公共芸術
3 ホロコースト記念碑論争
4 想起と追悼の標し
5 ヨッヘン・ゲルツの不可視の記念碑

第3章 交感
1 ミュンスターの牢獄——《逆向きのコンサート》
2 レベッカ・ホルンの〈花嫁機械〉
3 ナチズム表象と欲望機械——キーファーの記憶世界
4 招喚の時空

第4章 集蔵
1 集蔵体としてのアート——ジグルドソン《静寂の前に》
2 コレクションのパラドクス
3 アーカイヴの擬態と流用
4 記憶のアルケオロジー
5 蒐集とジェンダー

終章 記憶アートが生む〈もうひとつの歴史意識〉

註/参考文献/図版一覧/あとがき


【関連本】

アライダ・アスマン『想起の空間』安川晴基訳 6000円+税
ボルタンスキー+グルニエ『クリスチャン・ボルタンスキーの可能な世界』佐藤京子訳 4500円+税
湯沢英彦『クリスチャン・ボルタンスキー——死者のモニュメント』4500円+税

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