6月の新刊:『神の身振り』

2013年 5月 27日

書影2神の身振り――スピノザ『エチカ』における場について

アルフォンソ・カリオラート+ジャン=リュック・ナンシー
藤井千佳世+的場寿光 訳
装幀=中山銀士
A5判上製/208頁/定価=3,000円+税
978-4-89176-970-3 C0010 6月5日頃発売予定

 

そのつど来るべき意味の到来に対して、開かれてあるために。 

スピノザ『エチカ』の一節を綿密に分析することにより、二元論の枠に収まらないその思想を、開かれた存在の可能性として新たな読みを大胆に提示する。倫理と政治に関わるスピノザ哲学の根源に触れる理論的かつ実践的マニフェスト。

 《それによって/そこから/それに従ってわれわれは活動し、実在する神の身振りは、われわれを指し示しながらも、われわれの活動や実在が表現しうるいかなる意味においても完遂されることはないし、またわれわれの活動や実在において意味としてくみ尽くされることもない、常に残余あるいは過剰があるのだ。》〔A・カリオラート〕……本文より

《われわれは「存在者ではない」。身振りはおそらく、このこと以外の何ものも名付けない。つまり、存在させられ、実在へと向けられ、投げ出され、それを創造するということである――》〔J=L・ナンシー〕……本文より

 

【関連書】(価格税別)

エティエンヌ・バリバール『スピノザと政治』(水嶋一憲訳)  4,000円

アントニオ・ネグリ『スピノザとわたしたち』(信友健志訳)  2,500円

 

5月の新刊 :『孤児』

2013年 5月 14日

孤児《フィクションのエル・ドラード》
孤 児
フアン・ホセ・サエール/寺尾隆吉訳
四六判上製/192頁/定価=2200円+税
978-4-89176-951-2 C0397 5月25日頃発売予定
装幀=宗利淳一デザイン

 

《フィクションのエル・ドラード》とは……世界文学に依然として強烈なインパクトを放ち続けるラテンアメリカ文学。いまだ紹介されていない才能ある作家たちや評価の定まった巨匠たちの、とりわけ想像力に富む小説(フィクション)を中心に厳選し、文学シーンの最前線をお届けするシリーズです。

▶ 第2回配本はフアン・ホセ・サエールの代表作『孤児』

 アルゼンチン文学の巨星が放つ幻想譚
舞台は16世紀の大航海時代、見果てぬインディアスを夢見て船に乗り込んだ「私」が上陸したのは食人インディアンたちが住む土地だった。「私」は独り捕らえられ、太古から息づく生活を営む彼らと共に過ごしながら、存在を揺るがす体験をすることになる……。

無から生まれ、親もなく、名前もない、この世の孤児となった語り手を通して、現実と夢幻の狭間で揺れる存在の儚さを、ボルヘス以後のアルゼンチン文学を代表する作家が描き出す破格の物語。

サエールの作品は、国境の彼方、あの誰のものでもない土地、まさに文学という場所に存在している。(リカルド・ピグリア)

◎現実世界の強烈な存在感。サエールは現代世界の超重要作家になるだろう。(アラン・ロブ=グリエ)

次回配本はアレホ・カルペンティエル『バロック協奏曲』(7月刊行予定)です。



既刊《 フィクションのエル・ドラード》

セルヒオ・ラミレス/寺尾隆吉訳 ただ影だけ 2,800円

(価格税別)

 

5月の新刊:『レット・イット・ビー:ザ・ビートルズ』

2013年 5月 8日

LetItBe《ロックの名盤!》

レット・イット・ビー:ザ・ビートルズ

スティーヴ・マッテオ/石崎一樹訳
四六判並製188頁/定価1500円+税
ISBN 978-4-89176-942-0 C0373 5月8日頃発売!
装幀=宗利淳一


《いまこそロックを読みかえろ!》

その誕生から60年。音楽の歴史を塗り替えてきた洋楽ロックの魅力を1アルバム1冊で語り尽くし、あの興奮をよみがえらせる話題のシリーズ。ついにビートルズ登場!

なぜ、これが「最後のアルバム」なのか?
1970年リリース。「ゲット・バック」「アイヴ・ガッタ・フィーリング」「ザ・ロング・アンド・ワインディング・ロード」などを収録。貴重な証言や取材によって、毀誉褒貶のスタジオセッションを紙上再現する、ファン必読のドキュメント! ロックの解体はここからはじまった……。

《次回配本》
結成50周年で盛り上がるローリング・ストーンズの最高傑作と評価も高い『メイン・ストリートのならず者』を、グランジロックの雄・バッファロー・トムのフロントマン、ビル・ヤノヴィッツが縦横無尽に語り尽くす! 6月末発売予定、乞うご期待!

《好評既刊》⇒(
レッド・ツェッペリンⅣ:レッド・ツェッペリン
エリック・デイヴィス 1800円+税

アバ・ゴールド:アバ
エリザベス・ヴィンセンテリ 1500円+税

 

4月の新刊:『ミラーさんとピンチョンさん』

2013年 4月 22日

mp02ミラーさんとピンチョンさん

レオポルト・マウラー/波戸岡景太訳

A5判並製/184頁/定価=1500円+税
978-4-89176-964-2 C0098 4月25日頃発売予定
装幀=宗利淳一+田中奈緒子



「ピンチョン、おれたちは道に迷ったのか?」

世界の崖っぷちをあざやかに描く、
オフビートなグラフィック・ノベル、ついに初来日!


軽妙な描線に導かれる 乾いた笑い そして憂鬱……。


野暮ったい測量器具を片手に荒野をゆく2人の中年男、その名もミラーとピンチョン。くしくも現代アメリカを代表する作家と同じ姓をもつ、彼らのゆく手に待ち受けるのは、女、ワニ、奇蹟、金星、そしてオオカミ少年……?ウィーン発、新世紀型エンターテインメント!


e38394e382afe38381e383a3-8ヘンリー・ミラーとトマス・ピンチョンをおもわせる主人公たちが、『メイスン&ディクスン』さながらに荒野を測量しながら旅をする、というロード・コミック、ついに日本初上陸!

簡潔ながらも的確な描線が余韻のある笑いをうまく引き出して、ちょっとつげ義春を思わせる描写の数々。そして伏線に満ちた展開が、最後まで読むものをひっぱり続けます。ミラーやピンチョンを読んでなくても楽しめることうけあい、読み終わったらミラーやピンチョンが読んでみたくなることもうけあい、です!(原書2009年刊)

長めの解説を寄せている訳者の波戸岡景太さんのブログでも、作者やキャラクターたちの紹介などが随時アップされています。あわせてご覧ください!(→

また、女優で熱心な読者家としても知られる 小橋めぐみさん にも、さっそくとりあげていただきました(→)。小橋さん、ありがとうございます!


【好評既刊】
ピンチョンの動物園 波戸岡景太 2800円+税
動物とは「誰」か? 波戸岡景太 2200円+税
コンテンツ批評に未来はあるか 波戸岡景太 2500円+税
ヘンリー・ミラー・コレクション 各2500〜5000円+税

 

4月の新刊:『ヴァレリーの芸術哲学、あるいは身体の解剖』

2013年 3月 31日

e383b4e382a1e383ace383aae383bce69bb8e5bdb1ヴァレリーの芸術哲学、あるいは身体の解剖

伊藤亜紗

四六判上製/280頁/定価=3000円+税
978-4-89176-926-0 C0098 4月3日頃発売予定
装幀=前田晃伸



読者を開放せよ!
読者に身体を与えよ!
身体の未知なる機能を開拓せよ!


詩を使って身体を解剖し、機能を開拓する——20世紀最大の詩人ポール・ヴァレリーが夢見た「純粋性」とは何だったのか。『カイエ』等の膨大な断片から、作品論、時間論、身体論を再構成する作業を通じて、その謎に迫る。気鋭の研究者による画期的なヴァレリー論。

《しかし、われわれはあまりにも、ヴァレリーを「書くこと」に閉じ込めすぎたのではないか。(……)作品が社会に流通して読者のもとにとどくという事実にヴァレリーはきわめて自覚的であったし、この事実について思考をめぐらした結果、みずからの創造性を、この創造以降のプロセスに賭けていたようにさえ見える。別の言い方をすれば、ヴァレリーの創造行為は、書くという狭義の創造が終わったあとの過程をも含むと考えるべきではないのか。もちろんそれは作者の手のおよばない領域だ。しかし、手がおよばないからこそ可能であるような創造もあるのではないか。ヴァレリーの「もうひとつのプロジェクト」とは、そのような創造後の創造に関わるものだ。》(本文より)


【目次】


序 創造後の創造


Ⅰ 作品
第一章 装置としての作品
第二章 装置を作る

Ⅱ 時間

第一章 形式としての「現在」
第二章 抵抗としての「持続」——注意をめぐって
第三章 行為の法則化——リズムをめぐって

Ⅲ 身体

第一章 《主観的》な感覚
第二章 生理学





おわりに——ひとつの夢を本気で見ること

 

4月の新刊 :『ただ影だけ』

2013年 3月 27日

e3819fe381a0e5bdb1e381a0e38191efbc9de382abe38390e383bcフィクションのエル・ドラード

ただ影だけ

セルヒオ・ラミレス/寺尾隆吉訳
装幀=宗利淳一デザイン
四六判上製/328頁/定価=2800円+税
978-4-89176-950-5 C0397 4月5日頃発売予定



小社より新たなラテンアメリカ文学シリーズ、
〈フィクションのエル・ドラード〉刊行開始!


アイロニーと距離感、内面性とユーモア。
セルヒオ・ラミレスは銅のような三面記事から
言葉と想像力で黄金を生み出す錬金術師だ。——カルロス・フエンテス


1979年、ソモサ独裁政権の崩壊を目前に控えたニカラグア、ソモサの私設秘書官として権力の影で活動していたアリリオ・マルティニカは海からの逃亡を企てるも革命軍に捕らえられ、独裁政権の悪行に加担した嫌疑で民衆裁判にかけられる……

証言、尋問、調書、供述、手紙。事実のなかに想像を巧みに織り交ぜ、鮮烈な描写と圧倒的な語りの技法のもとに、歴史的事件の裏側をフィクションの力で再構築する現代ラテンアメリカ文学の新たな傑作。

◎ 次回配本は2013年5月、現代アルゼンチン文学の最重要作家、
フアン・ホセ・サエールの『継子』(仮)を予定しております。どうぞご期待ください。

 

4月の新刊:『褐色の世界史』

2013年 3月 23日

e8a490e889b2e381aee4b896e7958ce58fb2_cover褐色の世界史――第三世界とはなにか

ヴィジャイ・プラシャド/粟飯原文子 訳

四六判並製/2段組447頁/定価4000円+税
ISBN978-4-89176-927-7 C0022 3月末日〜4月1日頃発売





「第三世界というプロジェクト、それはこれまでヨーロッパが

答えられなかった問題を解決することなのだ」――フランツ・ファノン


焦眉の世界情勢をとらえるうえで、必読の1冊!

アジア、アフリカ、ラテンアメリカ、そしてアラブなどで、なぜ、いまも「問題」が勃発するのか。焦眉の世界情勢を歴史的にとらえるためのスタンダードワーク。激動の20世紀を〈第三世界〉の視座から描き出し、その未発のままの歴史/運動/現在をトータルに概括する話題の書。気鋭の訳者による渾身の解説(50枚)を付す。



【本書に寄せられた讃辞】

I・ウォーラーステイン
「今日実行可能な政治プログラムを策定するうえで不可欠な知識」

E・ガレアーノ
「正史や主流メディアの陰に潜む輝かしい世界を発見する手がかり」

P・ギルロイ

「ヴィジャイ・プラシャドは貴重な歴史資源を掘り起こした」

 

4月の新刊:『三島由紀夫 〈表面〉の思想』

2013年 3月 23日

e4b889e5b3b6e794b1e7b480e5a4ab_cover三島由紀夫  〈表面〉の思想

川上陽子

A5判上製/275頁/定価=4000円+税
ISBN978-4-89176-949-9 C0095 3月末日〜4月1日頃発売!




〈私〉という牢獄——。

明晰かつ鍛錬された思考をもって戦後文学/思想を牽引した三島由紀夫にとって、〈私〉とは誰だったのか?
『仮面の告白』『金閣寺』から『豊饒の海』にいたる代表作の精緻な分析を通して、現実/虚構/言語/肉体に囚われた作家の〈表面〉をあぶりだす試み。

《本書でとりあげたような三島由紀夫の小説作品の最大の魅力、そしておもしろさは、〈私〉からの脱獄の試みが、作品世界内で展開するのみならず、〈作者〉という〈個〉によって構築された作品構成そのものにおいても——その土台に亀裂を入れることなどによって——繰り返しなされていた点にあった。》

 

4月の新刊:『魂のたそがれ』

2013年 3月 23日

e9ad82e381aee3819fe3819de3818ce3828c魂のたそがれ  世紀末フランス文学試論

湯沢英彦

四六判上製/306頁/定価=3200円+税
ISBN978-4-89176-966-6  C0098  4月1日頃発売!




ユイスマンス、ジャン・ロラン、メーテルランク、ラシルドなど、
19世紀末を生きた作家たちの作品を読み解きながら、
魂のありかを見失った「終わり」の時代の人々の、
迷いと焦りと闘いを浮かびあがらせる渾身の評論。




目次

第Ⅰ部 〈斬首〉の不安、〈身体〉の過剰
第一章 ピエロとマネキン——あるパントマイム脚本をめぐって
第二章 パイナップルと魂——ジャン・ロラン『ブーグルロン氏』
第三章 「然るべき場所にあるものなど何もない」——メーテルランク『温室』、ラシルド『ヴィーナス氏』その他
第四章 「ただ最悪のことが起きる」——ユイスマンス『流れのままに』他二篇
第五章 狂想のマチエール——ユイスマンス『仮泊』

第Ⅱ部 〈彼方〉の幻影、〈断片〉の揺らめき
第六章 不可思議なものへの愛——ジャン・ロラン『象牙と陶酔のお姫さまたち』
第七章 「この世ならぬ源」を求めて——ユイスマンス『出発』、『スヒーダムの聖女リドヴィナ』など
第八章 世界との愚直な絆——写真家アジェとサン=セヴラン教会
第九章 「巫女」の時代の終わり——ヒステリーと霊媒をめぐる諸言説について
第十章 未知なる魂のために——プルーストの問いかけ

 

3月の新刊:『小島信夫の書き込み本を読む』

2013年 3月 23日

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小島信夫文庫関係資料目録

昭和女子大学図書館編

A4判上製112頁/定価5000円+税
ISBN978-4-89176-965-9  C0095  3月29日頃発売!




小島信夫の「読書遍歴」を知るための必携書!


昭和女子大学図書館の「小島信夫文庫」には、作家の草稿や創作ノート、メモ、日記など、1500点以上が収蔵されており、本書はその貴重な資料の全貌を目録にして収録する。さらに晩年まで手許に置かれた蔵書への「書き込み」を読解し、小島信夫の実像に肉薄するエッセイも併載。

執筆=江口雄輔、中西裕、平井杏子、近藤耕人、竜野連、
中村邦生、千石英世、柿谷浩一、猪俣和也

 

3月の新刊:『ベケットを見る八つの方法』

2013年 3月 23日

beckett_a5_cover_olベケットを見る八つの方法——批評のボーダレス

岡室美奈子・川島健編

A5判上製385頁/定価4500円+税
ISBN978-4-89176-898-0  C0098  3月29日頃発売!



小説、哲学、演劇、美術、メディアなど、多様で深遠な、
知のるつぼともいえるベケット作品を精査した、
ノーベル賞受賞者クッツェーをはじめとする、
国内外の研究者たちによるベケット研究の最前線。


不可視の領域への刺すようなまなざしを持つ人、ベケット(J・M・クッツェー)



目次

序文 川島健

Ⅰ 第一の方法——クッツェーの目で見る
サミュエル・ベケットを見る八つの方法  J・M・クッツェー (田尻芳樹訳)
「サミュエル・ベケットを見る八つの方法」を読む——訳者解説にかえて  田尻芳樹

Ⅱ 第二の方法——境界を探る
これこれの日に__これこれの世界で——ベケットのラディカルな限定性  スティーヴン・コナー(対馬美千子訳)
境界線上で——サミュエル・ベケット『あのとき』を読む  エヴリン・グロスマン(大野麻奈子、藤原曜訳)
それっていったいどんな種類の名前?——ベケットの名前の戦略  川島健

Ⅲ 第三の方法——主体を欺く
「ところでこれは何の声?」  ブリュノ・クレマン(西村和泉訳)
内省と統括のキアスム —— 『名づけえぬもの』と『反古草紙』における光・言葉・主体  西村和泉
ベケットの後期戯曲におけるイメージとディスポジション  アントニー・ウルマン(川島健訳)

Ⅳ 第四の方法——イメージを読む

創生、子供の遊び、沈黙の凝視——サミュエル・ベケットとパウル・クレー  アンジェラ・ムアジャーニ(垣口由香訳)
ダダからディディへ——ベケットとその世紀の芸術  イノック・ブレイター(木内久美子訳)
絵画と詩とモナドロジー——手紙と日記から見たベケットの詩学形成  森尚也

Ⅴ 第五の方法——道化る
ベケット、ベル、道化  メアリー・ブライデン(川島健訳)
勝負の楽しみ——『勝負の終わり』におけることば遊びと範列  クリス・アッカリー(長島確訳)

Ⅵ 第六の方法——想起/予期する
「記憶は心の胃である」——ベケットにおけるアウグスティヌスの記憶の概念  対馬美千子
戦争の記憶と証言——『すべて倒れんとする者』における言語の不可能性と不確実性をめぐって  堀真理子
上演の未来  S・E・ゴンタースキー(堀真理子訳)

Ⅶ 第七の方法——人間をやめる
「どうみても人間にゃぁ見えねぇ」——ベケットと動物  シェイン・ウェラー(森尚也訳)
『人べらし役』における「小さな人々」──ベケットと十八世紀的自然  井上善幸

Ⅷ 第八方法——幽霊にとり憑く
ベケット・マクルーハン・テレビ——メディア・メッセージ・「混乱」  リンダ・ベン=ツヴィ(久米宗隆訳)
『見ちがい言いちがい』と「間」について  近藤耕人
自動降霊機械としてのテレビ——ベケット『__雲のように__』おける霊媒/媒体をめぐって  岡室美奈子

参考文献
あとがき 岡室美奈子

 

3月の新刊:『川上弘美を読む』

2013年 3月 23日

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松本和也

4/6版上製/272ページ/2,800円+税
ISBN 978-4-89176-939-0 C 0095 好評発売中




《この物語が、いつの時代のものなのか、
どこの言葉で語られたものなのか、誰も知りません。……》


「あのこと」のさなかにも書き続けられた『七夜物語』。「あのこと」の後に書かれた『神様2011』、『センセイの鞄』、『真鶴』など代表作を〈ゆらめき〉の諸相から読み解く。川上弘美の〈いま・ゆくえ〉を浮き彫りにする書き下ろし。



【松本和也の本】
太宰治『人間失格』を読み直す——定価2,500円+税
現代女性作家論——定価2,800円+税

 

3月の新刊:『髑髏の世界』

2013年 3月 23日

e9ab91e9ab8fe381aee4b896e7958c髑髏の世界

一休宗純和尚の跡をたどる

中川徳之助

A5版上製/252ページ/5,000円+税
ISBN 978-4-89176-933-8 C 0095 好評発売中




一休とは何者か。

〈風狂〉の僧、〈人間〉一休宗純の〈生〉の軌跡を
詩偈のなかによみとき、その実像にせまる。


《慚愧と自負に支えられる一休の「狂」は、世間の通念、常識に拘束されずに自己の生きかたを守ろうとするとともに、世間の常識、通念によりかかってみずからを権威付け、反省の見られない生き方を「俗」としてこれに反発し、挑戦する。ここに「狂」のエネルギーが噴出する。》(本文より)

 

2月の新刊:『モスクワ芸術座の人々——去りゆくソヴィエト時代』

2013年 2月 20日

e383a2e382b9e382afe383afe88ab8e8a193e5baa7_coverモスクワ芸術座の人々——去りゆくソヴィエト時代

アナトーリー・スメリャンスキー /木村妙子 訳

四六版上製/344ページ/3500円+税
ISBN 978-4-89176-934-5 C 0074 2月25日頃発売予定



〈ソヴィエト文明〉を飾る演劇人たちの内幕!
現代演劇をリードしたソヴィエトの演出家たち
——エフレーモフ、エフロス……


60〜70年代に輝きを放ち、社会を揺るがす震源地となったソヴィエト演劇。百年の歴史をもつモスクワ芸術座と関わりつつ、権力と闘いながら自由な表現を求めて時代に対抗した演劇人たちの姿をとおして、忘れられた〈ソヴィエト文明〉を検証する。

《演劇のメカニズムはすばらしく頑丈にできている。潜水艦のように、船室ひとつが水浸しになったって、別の船室ではまだまだ息ができる。イデオロギーがあらゆる部屋の仕切りを破壊しようとしたってそうはいかない。笑いのある地下室が、いつも万一のために備えてある。》(本文より)

 

1月の新刊:『草原讃歌』

2013年 1月 31日

e38396e383ade382b0e794a8e88d89e58e9fe8ae83e6ad8cefbc9de382abe38390e383bc草原讃歌

ナンシー・ヒューストン/永井遼訳

四六判/上製276頁/定価2,800円+税
ISBN 978-4-89176-938-3 C0097 好評発売中


ヨーロッパからの移民、土地を追われるカナダ・インディアン。
自然を支配する西欧文明、そして自然との共存をめざす土着の文化。
堅実な妻、奔放な愛人。創造、それこそが愛——。


相反する価値観にひきさかれながら、20世紀を生き抜いた祖父の遺稿。その断片をつなぎつつ、孫娘が家族四代の歴史を背景に人間の救済/再生を物語る。故郷カナダへの讃歌ともいえるヒューストンの代表作。



【ナンシー・ヒューストンの本】


暗闇の楽器
————永井遼訳/定価2,800円+税

赤外線————いぶきけい訳/定価2,800円+税

 

1月の新刊:『リモンの子供たち』

2013年 1月 9日

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リモンの子供たち

塩塚秀一郎訳
四六判/上製395頁/定価3200円+税
ISBN978-4-89176-863-8 C0397 1月10日頃発売!


太陽は糞便でできている!

実在の〈狂人〉たちをテーマに『不正確科学百科事典』を執筆する、シャンベルナックとブルジョアの一家、リモン家。二つの世界が交錯しながら、突飛な〈狂人〉たちの言行が、破局へ向かう時代の空気を照らし出す。人間の愚かさを根源的に問う、クノーの知られざる傑作。

日本ウリポ史上、最大の新シリーズ、ついに完結!

* 本コレクションは、今回配本分をもって完結となります。長い間のご愛読、誠にありがとうございました。
なお、全巻ご購読特典は、塩塚秀一郎氏(『リモンの子供たち』)、久保昭博氏(『地下鉄のザジ』『はまむぎ』)の共訳で、現在鋭意編集中です。出来次第のお届けとなります。もう少々お待ちください。

 

12月の新刊 :『タンバレイン』

2012年 12月 26日

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クリストファー・マーロウ/高田茂樹訳
A5判上製/288頁/定価=4000円+税
978-4-89176-931-4 C0098 絶賛発売中




獲るか、獲られるか。生か、死か。


15世紀初頭、中央アジアに興り、地中海沿岸からインドにまで
領土を拡げたティムール大帝の野心とあくなき欲望を壮大に描き、
エリザベス朝演劇の幕開けとなった傑作戯曲。



関連書
『エリザベス朝演劇の誕生』
編=玉泉八州男
執筆=高田茂樹+荒木正純+井手新+成田篤彦ほか
7000円+税

 

12月の新刊 :『道元とシュタイナー』

2012年 12月 26日

e98193e58583cover道元とシュタイナー

塚田幸三
四六判上製/272頁/定価=2800円+税
978-4-89176-932-1 C0014 絶賛発売中
《ロサ・ミスティカ叢書》
装幀=中山銀士


道元の『正法眼蔵』とシュタイナーの人智学のなかに、
〈輪廻〉と〈カルマ〉についての深い思考をめぐらせ、
道元の仏教とシュタイナー人智学の共通基盤をさぐる斬新な試み。

《現代人はシュタイナーが超感覚的な霊的世界について論じると、
神秘思想だといって特定のレッテルを貼ろうとします。それは
キリスト教界でも仏教界でも同じように見られる傾向ではないでしょうか。
しかし、その意味で言えば、道元の説く世界もまさしく
神秘的な物語の世界です。道元は13世紀に説いた神秘思想を、
シュタイナーが20世紀に再び説いたと言えるのではないでしょうか。
そこに求められているのは、宗教を科学的に理解することではなく、
自然科学に還元されてしまった宗教の復権だと思われます。》
(本文より)



関連書
『シュタイナー思想入門』 西川隆範 2000円+税
『輪廻転生とカルマ』 R・シュタイナー/西川隆範訳 2500円+税
『社会改革案』 R・シュタイナー/西川隆範訳 2500円+税

 

新シリーズ《ロックの名盤!》刊行開始!

2012年 12月 17日

新シリーズ《ロックの名盤!》

その誕生から60年。音楽の歴史を塗りかえてきた、
洋楽ロックの名盤をまるまる1冊で語り尽くし、
《あの興奮》をよみがえらせる話題のシリーズ、ついにデビュー!

1アーティスト1アルバムで語りつくす!

原著は、英米で高い評価を受けている『33 1/3』シリーズ。
錚々たる批評家/研究者/ジャーナリストによって執筆された、
本格的なロック評論です。

歌詞やサウンド、ジャケットなど、そのアルバムの魅力を徹底解説。
日本語版には、アーティストを俯瞰する解説および
ディスコグラフィを付して、読者への便宜を図ります。

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ロックと現地目線で触れ合う絶好の書

サエキけんぞう(ミュージシャン/プロデューサー)

ロックの書籍もそこそこの数が出そろってきた。日本人のコレクター欲は凄まじいので、ディスコグラフィー的な本をはじめ、解説本のたぐいは本当に充実してきた。/その中で不足してきているのは、現地の目線である。ロックの名盤のレアなデータから始まり、消費されている本国の状況や、その音楽が彼の地を震わせた雰囲気と想い。〔……〕輸入盤が届いた喜び。ビニールを切り裂いて、ジャケットの紙、インクの香りを嗅いだ時のようなワクワク感が、これらの本を開けば蘇るだろう。

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第1回/2巻同時配本:12月26日頃発売!

zeppelinefbc9de382abe38390e383bcレッド・ツェッペリン Ⅳ

エリック・デイヴィス/石崎一樹訳
四六判並製232頁/定価1800円+税
ISBN 978-4-89176-940-6 C0373
装幀=宗利淳一



「天国への階段」は本当に悪魔の歌なのか?

1971年リリース。「天国への階段」「ブラック・ドッグ」などを収録し、
全世界での売り上げ 3700万枚以上。タイトルや歌詞、ジャケットに至るまで、
謎と秘密を解き明かし、この史上最高のロックアルバムを解体する。




abbaefbc9de382abe38390e383bcアバ・ゴールド

エリザベス・ヴィンセンテリ/石本哲子訳
四六判並製184頁/定価1500円+税
ISBN 978-4-89176-941-3 C0373
装幀=宗利淳一



「アバが好き」——でも恥ずかしくない!
「チキチータ」「ダンシング・クイーン」などを収録し、再評価の契機となった
ベスト盤。全世界での売り上げ 2800万枚以上。スウェーデンから世界を席巻した
完全無欠の名曲群は、どのようにして生まれたのか? ファン待望の1冊!



【以下続刊】

第2回配本:3月下旬発売予定

レット・イット・ビー(ザ・ビートルズ)

スティーヴ・マッテオ/石崎一樹訳
四六判並製予頁184頁/予価1500円+税
ISBN 978-4-89176-942-0 C0373



メイン・ストリートのならず者(ザ・ローリング・ストーンズ)
グレース(ジェフ・バックリー)
サイン・オブ・ザ・タイムズ(プリンス)
マーキー・ムーン(テレヴィジョン)
追憶のハイウェイ61(ボブ・ディラン) など

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シリーズの内容見本は全国書店で配布中です。
直接お申し込みいただくには、小社営業部までお願いいたします。
郵便切手80円分を同封のうえ、封書でお申し込みください。

〒112-0002 文京区小石川2-10-1-202
水声社営業部・ロック内容見本係

 

12月の新刊 : 『ユダヤ小百科』

2012年 12月 17日

e383a6e38380e383a4e5b08fe799bee7a791ユダヤ小百科

編者=ユーリウス・H・シェプス
訳者=石田基広+唐沢徹+北彰+鈴木隆雄+関口宏道+土屋勝彦+西村雅樹+野村真理+原研二+松村國隆
A5判上製函入/1232頁/定価=28000円+税/装幀=齋藤久美子
978-4-89176-922-2 C0522 12月25日頃発売予定


*少部数の刊行となります。店頭で見つからない場合はご注文ください。

世界の文化と歴史に大きな影響を与えつづけてきた
〈ユダヤ〉に関わる事象を、その発生から現代にいたるまで、
歴史、宗教、政治、言語、文学、美術など、
あらゆる領域にわたって網羅した小項目の決定版事典。
図版・表・地図・写真などの豊富な資料、および文化的背景への
理解を深めるための小論文32篇を付す。
研究者はもちろん、一般読者にも必携の1冊です。