11月の新刊:『フローベールにおけるフォルムの創造』

2013年 11月 22日

9784891769970フローベールにおけるフォルムの創造

ジャン=ピエール・リシャール/芳川泰久+山崎敦訳

《批評の小径》
装幀=宗利淳一デザイン
四六判上製/248頁/定価=3000円+税
978-4-89176-997-0 C0098 11月下旬発売予定!


恋する者は、
液化するまえに、
愛のなかでねばつく。

「生地」(ペースト)と「ねばつくもの」(タール)をめぐり、
〈フローベール的存在〉の様態を鮮やかに描き出す。
20世紀文芸批評を一変させた主題論的批評(テマティスム)の核心的書物。

 

11月の新刊+イベント『秘められた生』

2013年 11月 13日


秘められた生_書影(帯無)秘められた生


パスカル・キニャール/小川美登里訳

《フィクションの楽しみ》
装幀=宗利淳一デザイン
四六判上製/520頁/定価=4800円+税
978-4-89176-996-3 C0097 11月中旬発売予定!

 

「目を閉じること」で愛がはじまる

〈かつての愛〉から、異郷を求めて自己、
外部へと〈出立〉(エクスタシー)する愛の物語。

ことばと沈黙、秘事、セクシュアリティの蠱惑から人間の官能と〈再生〉(ルネッサンス)に迫る愛のエクリチュール

 

*  *  *  *  *

 

来たる11月中旬、パスカル・キニャール氏が来日し、連日、対談・シンポジウム等が各所で行なわれます。上掲した渾身の最新作『秘められた生』も先行発売いたします。また、『秘められた生』のサイン会および『日本のうしろ姿』の著者クリスチャン・ドゥメ氏のトーク+サイン会は、日仏会館のシンポジウム会場にて開催いたします。是非、ご来場ください。

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《パスカル・キニャール 『秘められた生』サイン会》

11月16日(土)18時~ @日仏会館

 

《クリスチャン・ドゥメ トーク+サイン会》

◎ 11月16日(土)11時~ @日仏会館
「理解不可能なものの眩惑」(シンポジウムでの発表)

◎ 11月17日(日)15時~ @日仏会館
『日本のうしろ姿』トーク+サイン会(司会=千葉文夫、日本語通訳あり)

 

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《パスカル・キニャール イベント情報》

◎ 11月14日(木)18時~

「別れを告げる女」(→
(朗読:パスカル・キニャール/ピアノリサイタル:博多かおる)

アンスティチュ・フランセ関西 − 京都 稲畑ホール
(一般:800円、クラブ・フランス会員:500円/朗読はフランス語)
京都市左京区吉田泉殿町8 Tel: 075-761-2105

 

11月15日(金)19時~21時

「文学における「喪失」と「創造」」(→
対談:パスカル・キニャール+津島佑子(司会=川竹英克)

アンスティチュ・フランセ東京 エスパス・イマージュ
東京都新宿区市谷船河原町15/Tel:03-5206-2500)
入場無料/フランス語・日本語(同時通訳付)

 

11月16日(土)10時~18時/11月17日(日)9時30分~15時

国際シンポジウム・プログラム「パスカル・キニャール——文学の東方(オリエント)」

事前申し込みは、右の日仏会館webサイト等にて(→
日仏会館(東京都渋谷区恵比寿3-9-25/Tel: 03-5421-7641)
入場無料/フランス語・日本語(同時通訳あり)
詳細はこちら→(

http://www.mfj.gr.jp/agenda/_data/P_Quignard_20131116-17_programme.pdf

 

11月16日(土)

本からスクリーンへ~ パスカル・キニャール原作映画上映会

14時~ 『めぐり逢う朝』(『アマリアの別荘』原作)(→

17時~ 『ヴィラ・アマリア』(『アマリアの別荘』原作)(→

アンスティチュ・フランセ東京 エスパス・イマージュ/入場無料

 

11月17日(日)18時~

語りと響き 「別れを告げる女」
(朗読:パスカル・キニャール/ピアノリサイタル:博多かおる)

アンスティチュ・フランセ東京 エスパス・イマージュ(→
一般1200円/学生・会員800円/フランス語

 

 

11月の新刊:『日本のうしろ姿』

2013年 11月 12日

日本のうしろ姿カバー日本のうしろ姿


クリスチャン・ドゥメ/鈴木和彦訳
《批評の小径》
装幀=宗利淳一デザイン
四六判上製/145頁/定価=2000円+税
978-4-89176-990-1 C0097 11月中旬発売予定!

 

私たちには見えない《日本》がここにある

日本について何の予備知識も持たないフランス人作家が、ある日突然、京都という町が見せる日本のイメージに直面することになった……。

古本屋、ATM、カラス、お花見、道路工事、クリーニング屋――私たちの日常生活にまぎれこんだ何気ない瞬間の数々が、今、新たな輝きを帯びて立ち現われる。批評でもありエッセイでもある、さらには小説や詩のようでもある、叙情的な日本論!

 

絶賛発売中:『Wあるいは子供の頃の思い出』

2013年 11月 12日

W Wカバーあるいは子供の頃の思い出

ジョルジュ・ペレック/酒詰治男訳

《フィクションの楽しみ》
装幀=宗利淳一デザイン
四六判上製/236頁/定価=2800円+税
978-4-89176-995-6 C0097 好評発売中!

 

13歳の少年が幻視する、オリンピック国家
W
(ドゥブルヴェ)のグロテスクな機構


少年時代の回想がときに微笑ましく、ときに哀切に綴られる「子供の頃の思い出」。世界の涯に位置し、オリンピックの理想がすべてを、個人の自由意思までをも支配する島の冷酷無慈悲な実体を描く「W」。

相異なる二種類のテクストが並行して進む、その先に横たわる全人類の悲劇とは……?

虚構と現実、歴史と記憶とが〈読むことによって〉架橋される、珠玉の読書体験を実現する平行世界モノの白眉にして、鬼才ジョルジュ・ペレックの痛切な自伝的小説!

 

2013年 11月 12日

kenji絵本で読みとく宮沢賢治

中川素子/大島丈志編

A5版上製/272頁/定価3500円+税
978-4-89176-987-1  C0095 絶賛発売中

 
没後80年——賢治作品の新たな魅力を探る

現代美術研究者、日本語・日本文学研究者、絵本学者、美術館学芸員、絵本編集者などさまざまな分野の執筆陣が画像化・絵本化された賢治ワールドを多彩な視点から読みとく。

すきとおったほんとうのたべもの 松田素子
宮沢賢治童話にみる夜の光と色の視覚化 久保村里正
抽象美術家による宮沢賢治童話の絵本化 中川素子
「雪わたり」からみる国語教育と賢治絵本 山本純子
いわさきちひろのなかに息づく宮沢賢治 上島史子
イメージの選択「銀河鉄道の夜」の場合 今田由香
絵本『気のいい火山弾』を考える 鈴木健司
小林敏也と「画本宮沢賢治」 笹本純
「注文の多い料理店」の絵本化に関する三つの考察 大島丈志
片山健と『狼森と笊森、盗森』 石井光恵
小林敏也『ポラーノの広場』を謎解きする 赤田秀子
賢治童話の絵本化 関口安義
「グスコーブドリの伝記」との「出会い」に絵本はどう関われるのか? 近藤研至
「銀河鉄道の夜」の映像化 加倉井厚夫
文字の絵本 風の又三郎 和田直人
ワークショップで表現する宮沢賢治の世界 齋藤正人
絵で表現することからはじめる「風の又三郎」の楽しみ方 清水早知子
「宮沢賢治絵本リスト」とその作成 藤倉恵一

 

絶賛発売中:『ブーニンの「眼」』

2013年 11月 12日

ブーニンーニンの「眼」
イメージの文学


宮川絹代
A5版上製/432頁/定価6000円+税
978-4-89176-984-0  C0098 絶賛発売中

 

すべては一瞬、すべては閃光……すべての中に美がある、美が!

ロシア初のノーベル文学賞詩人にして小説家のイワン・ブーニンの恋愛小説集『暗い並木道』『日射病』『ミーチャの恋』『最も美しい太陽』などを中心に恋愛、記憶、死を〈イメージ=具体的表象〉の視点から浮き彫りにしブーニン文学の不可視な本質にせまる。

 

絶賛発売中:『中上健次の「ジャズ」』

2013年 11月 12日

ƒJƒo[‘S‘́I中上健次の「ジャズ」

安岡真
四六判上製/256頁/定価=2800円+税
978-4-89176-993-2 C0095  絶賛発売中!
装幀=野本卓司

 

中上にとって「ジャズ」とは何か? 

戦後生まれで初の芥川賞受賞者である中上健次。
彼の土台にあったもの、そしてたどりついたものはいったい何か?
ジャズ、芸能、神話、古典から中上の〈根〉を探る。

 

 

10月の新刊:『コミュニズムの仮説』

2013年 10月 23日

4891769890コミュニズムの仮説

アラン・バディウ/市川崇訳
四六判上製/267頁/定価=3000円+税
978-4-89176-989-5 C0010  10月25日頃発売!
装幀=宗利淳一

 

21世紀の〈共産主義〉を闘え!

パリ・コミューン、文化大革命、五月革命……それらは果たして「敗北」だったのか? コミュニズムの「理念」の復権を試み、解放の政治の可能性を問う〈論争的〉状況論。



関連書
C. ドゥージナス+S. ジジェク 共産主義の理念      4500円+税
A. バディウ+N. トリュオング 愛の世紀         2200円+税
A. バディウ サルコジとは誰か?             2200円+税

 

 

10月の新刊:『さよならは何度でも』

2013年 10月 18日

‚³‚æ‚È‚çƒWƒƒƒP“üeŒ©–{さよならは何度でも
ガンと向き合った医師の遺言

 
ダヴィッド・セルヴァン=シュレベール/二瓶恵訳
四六判並製/190頁/定価1500円+税
978-4-89176-985-7 C0047 10月25日頃発売予定
装幀=齋藤久美子

 

優しさと感動に溢れたガン闘病記 

ガンが発見されて以来、自ら考案した「ガン克服」法を実践し、人生を賭けてガンと闘ったフランス人医師が遺した最後の言葉。家族や友人たち、すべての愛しいひとたちに〈さよなら〉を告げる希望に溢れたメッセージ。

 

「悲しい本というわけではない。だが、読み終わると胸が締め付けられる」

《Sud Ouest Dimanche》

 

「著者は大胆さと謙虚さ、そして溢れんばかりの愛情をもって闘い抜いた」

《Elle》

 

「勇気溢れるこの本は、われわれに人生を精一杯生きるためのの力を与えてくれる」

《Gala》

 

「読者たち、同じ病気で苦しんでいる人たち、家族、そしておそらくは医師たちに向けて、本当に伝えたかった人生の教訓がちりばめられた1冊」

《Le Quotidien du médecin》

 

10月の新刊:『別れ』

2013年 10月 11日

別れ=書影別 れ

フアン・カルロス・オネッティ/寺尾隆吉訳
装幀=宗利淳一デザイン

四六判上製/168163頁/定価=2000円+税
978-4-89176-953-6 C0397 10月11日頃発売予定

 

〈フィクションのエル・ドラード〉 第4回配本はウルグアイの作家フアン・カルロス・オネッティの『別れ』(「この恐ろしい地獄」「失われた花嫁」の傑作短編を含む)をお届けします。


オネッティは書くという魔法によって、挫折を勝利に変えた。(マリオ・バルガス・ジョサ)

田舎町のホテルにひとりの男がやってきた。無愛想な人柄……若い娘との待ち合わせ……妻子の来訪…… 町人たちは噂し、疑り深い語り手は男の背景にひとつの物語を紡いでいくのだが……
語り手の視点から言葉巧みに読み手を作品世界へと誘い、作者自らこの作品を偏愛した秀逸な中編。

表題作のほか、モンテビデオで起きた実話を憎愛と復讐の物語へと変貌させた「この恐ろしい地獄」。婚礼というオブセッションに取り憑かれた狂女を幻想的に描いた「失われた花嫁」の傑作短編を収録。

 

〈フィクションのエル・ドラード〉
世界文学に依然として強烈なインパクトを放ち続けるラテンアメリカ文学。いまだ紹介されていない才能ある作家たちや評価の定まった巨匠たちの、とりわけ想像力に富む小説(フィクション)を中心に厳選し、文学シーンの最前線をお届けするシリーズです。

 既刊好評発売中 (価格税別)

セルヒオ・ラミレス『ただ影だけ』……2,800円

フアン・ホセ・サエール『孤児』……2,200円

ホセ・ドノソ『境界なき土地』……2,000円

 

 

10月の新刊:『ヘブライ人キリスト』

2013年 10月 11日

ヘブキリカバーヘブライ人キリスト

――福音書はいかにして成立したか

クロード・トレスモンタン/道躰章弘訳
A5判上製/364頁/定価5000円+税
ISBN978-4-89176-994-9 C0016 10月中旬発売予定!

 

福音書はヘブライ語で書かれた!

数世紀来、ギリシャ語で書かれた文書であるとの説が自明視されてきた新約聖書。しかし、福音書のテクストを厳密に読みほどくうちに、ヘブライ語文書にしか見られないはずの表現が散見されはじめた……。
フランス語、ギリシャ語、ヘブライ語を往還しながら、新約聖書の内奥に隠された真の姿「ヘブライ語文書」へと肉迫する、キリスト教研究の新たな境地を切り拓く画期的論考。

 

 

9月の新刊:『これは小説ではない』

2013年 9月 20日

これは小説ではない書影4cこれは小説ではない

デイヴィッド・マークソン/木原善彦 訳

装幀=宗利淳一
四六判上製/320頁/定価=2,800円+税
978-4-89176-986-4 C0097 9月27日頃発売予定

 

これは小説か、あるいは究極の反小説か?

作家、芸術家を襲う病気、狂気、不遇、死因……トリビアルな伝記的記述が積み重ねられていく、未曾有の〈死の類別目録〉小説。ジョイス、ベケットに比せられる実験的な米国小説家デイヴィッド・マークソンの「まったく物語のない小説」。

 

 

9月の新刊:『マラルメと音楽』

2013年 9月 20日

マラルメと音楽マラルメと音楽
――絶対音楽から象徴主義へ

黒木朋興
A5判上製/504頁/定価=7000円+税
978-4-89176-981-9 C0098 9月25日頃発売予定
装幀=齋藤久美子



〈音楽〉の追求、あるいは文学への裏切り。

象徴主義を代表する詩人マラルメ、その韜晦な詩句は〈音楽〉といかなる関係をとり結んでいたのか? ヴァーグナーによる〈絶対音楽〉との影響から、ハンスリックら当時の音楽学者の理論を丹念に洗いなおすことにより、詩人と〈音楽〉の関係を刷新する意欲的な論考。


関連書
〔価格税別〕

マラルメの〈書物〉 清水徹 2000円
祝祭としての文学  佐々木滋子 5000円
世紀末の白い爆弾 中畑寛之 8000円
〈彼女〉という場所 永倉千夏子 12000円

 

 

9月の新刊:『長崎』

2013年 9月 20日

長崎カバー長 崎

エリック・ファーユ/松田浩則訳

装幀=宗利淳一デザイン
四六判上製/142頁/定価=1800円+税
978-4-89176-988-8 C0097 9月25日ごろ発売!


侵入した女は何者なのか――

 平凡な独身男性シムラは、ある日、自宅の押し入れに見知らぬ女が潜んでいることを知る。彼女はシムラに気づかれることなく、一年にわたってそこに住み続けていたというのだ。やがて少しずつ、彼女の過去が明らかになってゆく……。

舞台は現代の長崎。有明海の風景や、市街を走る路面電車、炊飯器からコンビニ弁当まで、さまざまなギミックが駆使され、リアルだが、どこか奇妙な小説世界が展開される。実際に起きた出来事を題材として、現代社会に生きる人々の孤独な宿命を描きだす、気鋭の著者の意欲作!

 

 

7月の新刊:『薔薇の柩』

2013年 7月 18日

薔薇書影薔薇の柩

山崎剛太郎詩集
A5判変形上製/56頁/定価=2500円+税
978-4-89176-983-3 C0092 好評発売中!

 

 

マチネ・ポエティク最後の詩人・山崎剛太郎。
95歳、研ぎ澄まされた瞳が見据える
過去と現在、生と死、そして愛、あるいは永遠……。


寂寥の現実と甘美な幻想とを巧みに交錯させながら、静かに過ぎゆく日常の時間を豊かに、そして壮絶にうたいあげた新作11篇にくわえ、敗戦直後に執筆された幻の未発表詩篇5篇を収録。

 

* 

【既刊】

山崎剛太郎詩集 夏の遺言 3000円+税

 

 

6月の新刊:カンブリア革命

2013年 6月 26日

kanburiaカンブリア革命

永澤 護

四六判上製/274頁/定価3000円+税
ISBN978-4-89176-974-1 C0010 好評発売中!



いまこの現実とは、世界の終焉なのか、あるいははじまりなのか?

Facebookではすでに知る人ぞ知る人物の全貌があきらかに。《カンブリア革命》とはなにか? ページをひらけば、そこにまばゆいばかりの思考が待っている!
——酒井隆史(大阪府立大学)


 

目次

序章 資本と国家を繋ぐ〈装置〉=〈私たち〉

第1章 汎優生主義

Interlude1 生体政治工学

第2章 広場へと向かって

Interlude2:《私たち=人間》の消滅とその彼方――ミシェル・フーコー『言葉と物』をめぐって

第3章 自己の身体・クオリア・終わりなき経験

第4章 未来の記憶から今ここへ

附録
来るべき(起こってしまった)カタストロフを描いた詩作品
私の歩んだ道(永澤春栄)

 

6月の新刊:『神の身振り』

2013年 5月 27日

書影2神の身振り――スピノザ『エチカ』における場について

アルフォンソ・カリオラート+ジャン=リュック・ナンシー
藤井千佳世+的場寿光 訳
装幀=中山銀士
A5判上製/208頁/定価=3,000円+税
978-4-89176-970-3 C0010 6月5日頃発売予定

 

そのつど来るべき意味の到来に対して、開かれてあるために。 

スピノザ『エチカ』の一節を綿密に分析することにより、二元論の枠に収まらないその思想を、開かれた存在の可能性として新たな読みを大胆に提示する。倫理と政治に関わるスピノザ哲学の根源に触れる理論的かつ実践的マニフェスト。

 《それによって/そこから/それに従ってわれわれは活動し、実在する神の身振りは、われわれを指し示しながらも、われわれの活動や実在が表現しうるいかなる意味においても完遂されることはないし、またわれわれの活動や実在において意味としてくみ尽くされることもない、常に残余あるいは過剰があるのだ。》〔A・カリオラート〕……本文より

《われわれは「存在者ではない」。身振りはおそらく、このこと以外の何ものも名付けない。つまり、存在させられ、実在へと向けられ、投げ出され、それを創造するということである――》〔J=L・ナンシー〕……本文より

 

【関連書】(価格税別)

エティエンヌ・バリバール『スピノザと政治』(水嶋一憲訳)  4,000円

アントニオ・ネグリ『スピノザとわたしたち』(信友健志訳)  2,500円

 

5月の新刊 :『孤児』

2013年 5月 14日

孤児《フィクションのエル・ドラード》
孤 児
フアン・ホセ・サエール/寺尾隆吉訳
四六判上製/192頁/定価=2200円+税
978-4-89176-951-2 C0397 5月25日頃発売予定
装幀=宗利淳一デザイン

 

《フィクションのエル・ドラード》とは……世界文学に依然として強烈なインパクトを放ち続けるラテンアメリカ文学。いまだ紹介されていない才能ある作家たちや評価の定まった巨匠たちの、とりわけ想像力に富む小説(フィクション)を中心に厳選し、文学シーンの最前線をお届けするシリーズです。

▶ 第2回配本はフアン・ホセ・サエールの代表作『孤児』

 アルゼンチン文学の巨星が放つ幻想譚
舞台は16世紀の大航海時代、見果てぬインディアスを夢見て船に乗り込んだ「私」が上陸したのは食人インディアンたちが住む土地だった。「私」は独り捕らえられ、太古から息づく生活を営む彼らと共に過ごしながら、存在を揺るがす体験をすることになる……。

無から生まれ、親もなく、名前もない、この世の孤児となった語り手を通して、現実と夢幻の狭間で揺れる存在の儚さを、ボルヘス以後のアルゼンチン文学を代表する作家が描き出す破格の物語。

サエールの作品は、国境の彼方、あの誰のものでもない土地、まさに文学という場所に存在している。(リカルド・ピグリア)

◎現実世界の強烈な存在感。サエールは現代世界の超重要作家になるだろう。(アラン・ロブ=グリエ)

次回配本はアレホ・カルペンティエル『バロック協奏曲』(7月刊行予定)です。



既刊《 フィクションのエル・ドラード》

セルヒオ・ラミレス/寺尾隆吉訳 ただ影だけ 2,800円

(価格税別)

 

5月の新刊:『レット・イット・ビー:ザ・ビートルズ』

2013年 5月 8日

LetItBe《ロックの名盤!》

レット・イット・ビー:ザ・ビートルズ

スティーヴ・マッテオ/石崎一樹訳
四六判並製188頁/定価1500円+税
ISBN 978-4-89176-942-0 C0373 5月8日頃発売!
装幀=宗利淳一


《いまこそロックを読みかえろ!》

その誕生から60年。音楽の歴史を塗り替えてきた洋楽ロックの魅力を1アルバム1冊で語り尽くし、あの興奮をよみがえらせる話題のシリーズ。ついにビートルズ登場!

なぜ、これが「最後のアルバム」なのか?
1970年リリース。「ゲット・バック」「アイヴ・ガッタ・フィーリング」「ザ・ロング・アンド・ワインディング・ロード」などを収録。貴重な証言や取材によって、毀誉褒貶のスタジオセッションを紙上再現する、ファン必読のドキュメント! ロックの解体はここからはじまった……。

《次回配本》
結成50周年で盛り上がるローリング・ストーンズの最高傑作と評価も高い『メイン・ストリートのならず者』を、グランジロックの雄・バッファロー・トムのフロントマン、ビル・ヤノヴィッツが縦横無尽に語り尽くす! 6月末発売予定、乞うご期待!

《好評既刊》⇒(
レッド・ツェッペリンⅣ:レッド・ツェッペリン
エリック・デイヴィス 1800円+税

アバ・ゴールド:アバ
エリザベス・ヴィンセンテリ 1500円+税

 

4月の新刊:『ミラーさんとピンチョンさん』

2013年 4月 22日

mp02ミラーさんとピンチョンさん

レオポルト・マウラー/波戸岡景太訳

A5判並製/184頁/定価=1500円+税
978-4-89176-964-2 C0098 4月25日頃発売予定
装幀=宗利淳一+田中奈緒子



「ピンチョン、おれたちは道に迷ったのか?」

世界の崖っぷちをあざやかに描く、
オフビートなグラフィック・ノベル、ついに初来日!


軽妙な描線に導かれる 乾いた笑い そして憂鬱……。


野暮ったい測量器具を片手に荒野をゆく2人の中年男、その名もミラーとピンチョン。くしくも現代アメリカを代表する作家と同じ姓をもつ、彼らのゆく手に待ち受けるのは、女、ワニ、奇蹟、金星、そしてオオカミ少年……?ウィーン発、新世紀型エンターテインメント!


e38394e382afe38381e383a3-8ヘンリー・ミラーとトマス・ピンチョンをおもわせる主人公たちが、『メイスン&ディクスン』さながらに荒野を測量しながら旅をする、というロード・コミック、ついに日本初上陸!

簡潔ながらも的確な描線が余韻のある笑いをうまく引き出して、ちょっとつげ義春を思わせる描写の数々。そして伏線に満ちた展開が、最後まで読むものをひっぱり続けます。ミラーやピンチョンを読んでなくても楽しめることうけあい、読み終わったらミラーやピンチョンが読んでみたくなることもうけあい、です!(原書2009年刊)

長めの解説を寄せている訳者の波戸岡景太さんのブログでも、作者やキャラクターたちの紹介などが随時アップされています。あわせてご覧ください!(→

また、女優で熱心な読者家としても知られる 小橋めぐみさん にも、さっそくとりあげていただきました(→)。小橋さん、ありがとうございます!


【好評既刊】
ピンチョンの動物園 波戸岡景太 2800円+税
動物とは「誰」か? 波戸岡景太 2200円+税
コンテンツ批評に未来はあるか 波戸岡景太 2500円+税
ヘンリー・ミラー・コレクション 各2500〜5000円+税