9月2015のアーカイヴ

〈国際三島由紀夫シンポジウム2015〉開催のお知らせ

2015年 9月 25日

生誕90年・没後45年にあたる本年、今なお世界中で強い関心をもって読まれている三島由紀夫の全体像を把捉することを目指す、本邦初の国際シンポジウムが開催されます。

30名を超える各界の論者や作家陣の講演・ディスカッションによって三島由紀夫の魅力と世界像に迫り、現在そして未来において三島文学を読むことの意義を問いかける、大規模かつ豪華なシンポジウムです。奮ってご来場ください。

また小社では、本シンポジウムの記録論集の刊行を予定しています(2016年春ごろ刊行予定)。ご期待ください。

 

日程:2015年11月14日(土)・15日(日)・22日(日)

場所:東京大学駒場キャンパス講堂900番教室(11/14)

東京大学駒場キャンパス18号館ホール(11/15)

青山学院アスタジオ地下多目的ホール(11/22)

 

*開催概要・登壇者などの詳細は、http://mishimayukio2015.org/ 国際三島由紀夫シンポジウム公式サイトにてご覧いただけます

 

「天命反転トーク 小林康夫×池上高志」

2015年 9月 25日

今春、小社から出版した荒川修作先生との対談本『幽霊の真理』のお相手である小林康夫先生。約10年間に渡るダイアローグの数々に秘められたとっておきのエピソードとは? 荒川先生と親交の深い池上高志先生をお相手に、会場のみなさまと共にランディング・サイトを創造する場へ。
日時:2015年9月27日(日)
開場:14:30/開演:15:00/終了予定:16:30
参加費:3,500 円
定員:30名
講師:
小林康夫(日本の哲学者)
1950年、東京都に生まれる。東京大学大学院博士課程、パリ第十大学(ナンテール)大学院博士課程修了。東京大学大学院総合文化研究科・教養学部教授を経て、現在、青山学院大学総合文化政策学部特任教授。専攻、フランス文学、哲学。主な近著に、『こころのアポリア』(羽鳥書店、2013)、『君自身の哲学へ』(大和書房、2015)などがある。
池上高志(複雑系の科学者)
1961年生まれ。大学で教授として教鞭を執る傍ら、複雑系科学研究者として、アートとサイエンスの領域を繋ぐ活動も精力的に行う。音楽家、渋谷慶一郎とのプロジェクト「第三項音楽」や、写真家、新津保建秀とのプロジェクト「MTM」、宮島達男とのプロジェクト、生命体のような動きをするガジェット「LIFE I-model」など、その活動は多岐にわたる。著書:『生命のサンドウィッチ理論』(講談社、2012)、『動きが生命をつくる―生命と意識への構成論的アプローチ』(青土社2007)、共著:『複雑系の進化的シナリオ』(朝倉書店、1998)『ゲーム―駆け引きの世界 (東京大学公開講座)』(東京大学出版会、1999)、共訳書:Andy Clark著『現れる存在』(NTT出版、2012)など。

 

《叢書 人類学の転回》まもなく刊行開始!

2015年 9月 25日

かつて、世界各地のエキゾチックな事物を記録し、比較・分析する学問としてあった文化・社会人類学は、一九八〇年代以降、ポストモダニズム/ポストコロニアリズムの流れにもまれるなかで、著しい変貌を遂げてきました。けれども、そこから立ち現れてきた人類学の現代的相貌は、これまで一部の専門家以外にはほとんど知られてきませんでした。
本叢書は、そうした変化を主導してきた人類学者たちを紹介することで、これまでの国内の知的空白を埋め、思想哲学の世界にも新たなビジョンを指し示そうとする野心的な企画です。
第一回配本(10月下旬予定)は、世界の人類学を引っ張っているマリリン・ストラザーンとエドゥアルド・ヴィヴェイロス・デ・カストロの代表作です。いずれも本邦初訳です。ご期待ください。



〈推薦の言葉〉

中沢新一(人類学者)
思想や哲学やアートや実践の現場で、いま求められている最新の知性の形態は、大胆な変容をとげつつある人類学が向かおうとしている「つぎの人類学」と、不思議な共鳴を見せはじめている。人類学はふたたび現代思想の最前線に踊り出そうとしている。この叢書はいま人類学に生まれつつある新しい胎動を、世界に先駆けて紹介しようとしている。

細野晴臣(ミュージシャン)
音楽をやっているときのぼくは、すっかり「原住民」になりきっている。ニューオーリンズの原住民、オハイオの原住民、日本の原住民……音楽の原点がそこにある。ぼくは人類学のすぐそばにいたわけである。いまもそうだけど。

伊東豊雄(建築家)
人類の生み出した建築思考の宝庫は、いつもぼくの創造の源泉だった。この叢書がもたらすインパクトが、ぼくの中に新しい炎を点火してくれるだろう。

田中泯(ダンサー)
僕は、限界村落と称ばれる村に住み一瞬ごとの未来を咬みしめています。毎日、人類の一人である自分の営みを見つめています。新しい人間になろうとしているのです。もう一度、オドリとコトバを心の底から必要とする始原のヒトに成りたいと思うのです。



『部分的つながり』★第一回配本(10月末発売予定)
マリリン・ストラザーン著/大杉高司他訳
今日もっとも大きな影響力をもつ人類学者の一人であるストラザーンの理論的主著にして、著書としては初の邦訳。ストラザーンは、伝統的な人類学への(自己)批判を踏まえ、「われわれ」と「彼ら」の実践の際限のない錯綜の中に新たな民族誌の可能性を垣間見させる、独自のテクストを生み出した。議論の線的な流れを、無数の折り目によって意図的に分断するその実験的なスタイルは、読者をときに戸惑わせ、ときに挑発する。初版の刊行から二〇年余りを経た今日、なおも新たな思考を喚起し続ける記念碑的な一冊。

『インディオの気まぐれな魂』★第一回配本(10月末発売予定)
エドゥアルド・ヴィヴェイロス・デ・カストロ著/近藤宏・里見龍樹訳
「人類学の存在論的転回」を主導してきたヴィヴェイロス・デ・カストロによる初期の代表作で、著者自ら「もっとも気に入っている論文の一つ」と呼ぶ注目の一書。一六世紀、ブラジル沿岸部に住んでいたインディオ、トゥピナンバは、当時のイエズス会宣教師たちには御しがたく、耐えがたい民であった。他でもなく、彼らが見せる「気まぐれさ(インコンスタンシア)」ゆえに……。本書は、宣教師たちの言葉に耳を傾けながらも、彼らとはまったく別の方法でトゥピナンバの気まぐれさについて考えることで、宣教師の記述の向こうにある、トゥピナンバの社会哲学あるいは〈存在論〉を読み解いていく。

『変形する身体』★第二回配本(12月末発売予定)
アルフォンソ・リンギス著/小林徹訳
軽やかで色彩に富んだ人類学的エッセイの旅――。西洋哲学だけではなく、精神分析・文化人類学・進化論生物学など、あらゆる学問領域を渉猟しながら、われわれの「身体」の輪郭が描き直されていく。動物と人間、男性と女性、西洋と非西洋、古代社会と現代社会などといった、既存の分類法が巧みに越境され、現代における倫理的行為のあり方までもが根底的に問い直される。哲学的な考察に、詩的なイマジネーションが織り交ぜられたリンギスの文体は、読書の快楽をもたらすだけではなく、そこに一貫する「人類」なるものへの問いを、確かな手ごたえと共にわれわれのうちに呼び覚ます。

『模倣と他者性』
マイケル・タウシグ著/井村俊義訳
異なる文化が出遭う際に生じる化学反応について、ヴァルター・ベンヤミンの「模倣」に関する洞察にインスパイアされながら独自の方法で論じた、米国の人類学者タウシグの主著であり、彼の初の邦訳。舞台はコロンビアとの国境に面したダリエン。そこに居住するインディアンと遭遇したヨーロッパ人は、やがて「表象する」ものとされるものという関係から逸脱していく。「模倣とは共鳴する魔術である」と記したタウシグは、「他者(模倣)」に映る「模倣(他者)」に自らの姿を見いだし、読者をその眩暈のなかへと誘う。

『ヴァルター・ベンヤミンの墓標』
マイケル・タウシグ著/金子遊他訳
中南米地域を主な舞台に、植民地主義や資本主義の眩惑的な体験を描き出してきた人類学者タウシグは、同時に、民族誌学、自伝的記述、文化批評を巧みに交差させる、現代におけるもっとも重要な「移動するエッセイスト」でもある。批評家ベンヤミンがナチス・ドイツから逃れようとして自殺したスペインの国境の町を訪れ、境界と墓地についての思索をめぐらせた表題作「ヴァルター・ベンヤミンの墓標」など全八編を収録した、タウシグの代表的なエッセイ集。

『多としての身体』
アンマリー・モル著/浜田明範・田口陽子訳
オランダの大学病院における動脈硬化の診断・治療を事例に、医学、哲学と人類学のあいだを大胆に横断する実験的民族誌。モルは、民族誌と理論的考察という二種のテクストを並置した特異な構成を通じて、アテローム性動脈硬化症と呼ばれる〈一つの〉病が、さまざまな行為や場所、診断と治療の相互作用のなかで、本質的に複数性を帯びて存在していることを説得的に論じる。「実践的存在論」の方向性を示すことで、人類学の存在論的転回に多大な影響を与えてきた名著。

『アートとエージェンシー』
アルフレッド・ジェル著/内山田康他訳
ジェルの遺作『アートとエージェンシー』は、われわれに常識を捨て去ることを迫る。芸術作品とわれわれとの関係は、アートと鑑賞者ではなく、罠と獲物の重層的な相互関係としてある。アートがどう働くのか、あるいはそれにエージェンシーがどう媒介されるのかが問題なのである。パプア・ニューギニアの楯からデュシャンの「大ガラス」まで、さまざまな時間と空間のなかで展開するアートを、「エージェンシー」という観点から捉え直したラディカルな理論書。

『自然と文化を超えて』
フィリップ・デスコラ著/中沢新一・檜垣立哉他訳
フランス人類学におけるレヴィ=ストロースの後継者にして、現代の人類学においてもっとも注目を浴びる理論家デスコラの主著。彼は本書を通じて、「自然」と「文化」という二元論に疑問を投じ、人間と非人間(動植物)が連続的な関係を切り結ぶ、エコロジーの多様な集合体として人間社会を捉える新たな方法、「自然の人類学」を提唱する。それは、これまでの人類学の射程を超え、物心二元論、ひいてはそれを基盤としてきた近代社会や科学技術の在り方をも再考する試みである。

※以後、ロイ・ワグナー、パトリス・マニグリエ、フレデリック・ケック、ミシェル・セールらの著作など続刊



☆四六判上製
☆各巻200〜500頁、予価2500〜5000円+税
☆内容見本呈、ご請求ください。

 

8月の新刊:ミュージック・アズ・ソーシャルライフ

2015年 9月 25日

ミュージック・アズ・ソーシャルライフ
ミュージック・アズ・ソーシャルライフ 歌い踊ることのめぐる政治
トマス・トゥリノ(著)
野澤豊一(訳)
西島千尋(訳)

判型:A5判上製
頁数:441頁+CD付
定価:6000円+税
ISBN:978−4−8010−0110−7 0073 好評発売中!
装幀者: 宗利淳一

内容紹介:
世界音楽への招待――

音楽家であり、大学で民族学を講ずる教育者として名高い著者が、ペルー、ジンバブエ、アメリカでのフィールドワークで得た経験をもとに、パースやベイトソンなどの理論を用いながら、〈音楽〉の社会性=政治性を鋭く分析する、音楽民族学の理論的入門書。


目次:

はじめに
謝辞

第1章 序論――音楽の何が重要な問題なのか?
第2章 参与型パフォーマンスと上演型パフォーマンス
第3章 レコード音楽――ハイファイ型とスタジオアート型
第4章 自己・アイデンティティ・文化を基礎づける習慣
第5章 ジンバブエにおける参与型・上演型・ハイファイ型音楽
第6章 オールドタイムの音楽=ダンス――文化的仲間集団と文化的組織体
第7章 音楽と政治運動
第8章 愛のため? それともお金のため?

用語解説
参考文献および推奨される文献
付録CDのトラック・リスト
注釈つきディスコグラフィー
索引

訳者あとがき


著者・訳者紹介:
トマス・トゥリノ(Thomas Turino) 1951年、アメリカのニュージャージー州エングルウッドに生まれる。ペルーの高地やジンバブエでフィールドワークを行ってきた民族音楽学者。イリノイ大学アーバナ=シャンペーン校の音楽学部専任教員を経て、現在、同大学名誉教授。

野澤豊一(のざわとよいち) 1978年、富山県に生まれる。金沢大学人間社会環境研究科博士後期課程修了。博士(社会環境科学)。現在、富山大学人文学部准教授。専攻、文化人類学。主な論文に、「音楽と身体の人類学的研究に向けて」などがある。訳書に、クリストファー・スモール『ミュージッキング――音楽は〈行為〉である』(水声社、2011)がある。
西島千尋(にしじまちひろ) 1981年、富山県に生まれる。金沢大学人間社会環境研究科博士後期課程修了。博士(学術)。現在、日本福祉大学子ども発達学部准教授。専攻、音楽教育学/音楽文化研究。著書に、『クラシック音楽は、なぜ〈鑑賞〉されるのか――近代日本と西洋美術の受容』(新曜社、2010)がある。訳書に、クリストファー・スモール『ミュージッキング』(水声社、2011)がある。


関連書
クリストファー・スモール 野澤豊一+西島千尋訳『ミュージッキング 音楽は〈行為〉である』 4000円+税

 

7月の新刊:小林秀雄 骨と死骸の歌

2015年 9月 25日

小林秀雄 骨と死骸の歌
小林秀雄 骨と死骸の歌 ボードレールの詩を巡って
福田拓也(著)

判型:A5判上製
頁数:292頁
定価:4000円+税
ISBN:978−4−8010−0109−21 0090 好評発売中!
装幀者: 西山孝司

内容紹介:
小林秀雄の初期批評の代表作「『惡の華』一面」までとされてきた、ボードレールから小林への影響に異義を唱え、最晩年の『本居宣長』に至るまで続くボードレールと小林との関係について徹底的に考察する画期的な小林秀雄論。


目次:

二つの「死骸」の間に――ボードレールから伊邪那美へ

Ⅰ 「『惡の華』一面」論
1 「象徴の森」の彷徨――詩の隠喩的自己回帰とヘーゲル的「無限累進」
2 錬金術と無限命題
3 「有限者」の回帰とパリの街
4 「その背後に何物も隠さない現象といふ死の姿」
5 「創造の理論」

Ⅱ 骨と死骸の歌
1 批評の誕生――「死骸」の抑圧と回帰
2 「商品の裸形」と言語論――小林秀雄とマルクス
3 古典論と歴史論――マルクス的反復とボードレールへの回帰
4 「現實」論――「リアリズム」の逆説
5 ドストエフスキーと死骸
6 中也の骨、南京の骨――小林秀雄的享楽について
7 「物」と「神風」――「物」と言語の一体化とロマン主義的イロニー
8 死骸、歌、地獄――死骸の言語化

伊邪那美の死骸と宣長の遺言書


著者紹介:
福田拓也(ふくだたくや) 1963年、東京都に生まれる。慶應義塾大学大学院博士課程中退、パリ第八大学大学院博士課程修了。博士(パリ大学)。詩人。専攻、フランス文学。現在、東洋大学法学部企業法学科教授。主な著書に、『尾形亀之助の詩――大正的「解体」から昭和的「無」へ』(思潮社、2013)、『まだ言葉のない朝』(思潮社、2014)などがある。

 

《小島信夫短篇集成》完結+《小島信夫長篇集成》刊行開始記念イベント

2015年 9月 11日

《小島信夫短篇集成》完結+《小島信夫長篇集成》刊行開始記念イベント
読みあぐねている人のための小島信夫入門
保坂和志 × 佐々木敦

小説家・小島信夫の生誕100周年にあたる今年、著者の全187短篇を網羅した《小島信夫短篇集成》(全8巻)が完結し、さらに7月から、伝説的超大作『別れる理由』を皮切りに、全15長篇を一挙に集成する《小島信夫長篇集成》(全10巻)の刊行がスタートしました。
これらを記念して、小島信夫を語らせたら右に出る者はない、数多くの読者を小島信夫の小説世界に導いてきた小島文学の伝道者=保坂和志先生と、現代文学・思想への深い造詣を武器に小島文学をさまざまな角度から論じてこられた佐々木敦先生をお迎えし、小島文学の魅力について語っていただきます。
小説の可能性の限界へと挑戦し続けた小島信夫を既存の枠組みにとらわれない視点から読み直し、小説にとっての〈自由〉とは何かを追究する、最強タッグによる縦横無尽の対話!



講師:保坂和志先生、佐々木敦先生
日時: 10月6日(火)19:00~(18:30開場)
場所:MARUZEN&ジュンク堂書店渋谷店(東急百貨店本店7階)
入場料:1000円(ワンドリンク付き)
★詳細・ご予約方法は、MARUZEN&ジュンク堂書店渋谷店のページ()をご覧ください。



保坂和志 1956年生まれ。小説家。「この人の閾」で芥川賞受賞。主な著作に、『季節の記憶』『カンバセイション・ピース』『書きあぐねている人のための小説入門』『小説の自由』『未明の闘争』など。《短篇集成》第7巻、《長篇集成》第8巻(『寓話』)の解説を執筆。
佐々木敦 1964年生まれ。批評家、早稲田大学教授。主な著書に、『映画的最前線』『ニッポンの思想』『文学拡張マニュアル』『未知との遭遇』『あなたは今、この文章を読んでいる』『ニッポンの音楽』など。《短篇集成》5~7巻の月報(連載)、《長篇集成》5巻(『別れる理由Ⅱ』)の解説を執筆。

 

9月新刊:ハイデガー哲学は反ユダヤ主義かーー「黒ノート」をめぐる討議

2015年 9月 11日

ハイデガー
ハイデガー哲学は反ユダヤ主義か
「黒ノート」をめぐる討議

編者=ペーター・トラヴニー+中田光雄+齋藤元紀
執筆者=秋富克哉+加藤恵介+茂牧人+轟孝夫+森一郎+渡辺和典
訳者=阿部将伸+陶久明日香+中川萌子

A5判並製
304頁
定価3000円+税
ISBN978-4-8010-0124-4 C0010 好評発売中!
装幀:齋藤久美子

独仏哲学界を激論の渦に巻き込んだ、ハイデガーの「黒ノート」問題。
その日本における最新の研究成果を収める論集、緊急出版!!

2014年、死後40年を経て公刊された哲学的手記「黒ノート」によって〈反ユダヤ主義〉疑惑が浮上した、20世紀最大の哲学者ハイデガー。ナチス関与問題以来ふたたび世界的な議論を醸すハイデガー哲学の真相/真価を問い直し、現代哲学、そしてわれわれの未来を模索する。

われわれの今回の論集の主題は、これら第94〜96巻ならびに第97巻における「反ユダヤ主義的」とも指摘されうる文言を、哲学的に適正に、あるいはハイデガー哲学の思惟文脈に公正に則るかたちで、理解し、意味づけ、説明し、世に資そうとするものである。ハイデガーにおける「反ユダヤ主義的」と指摘される文言は、本当にあの「反ユダヤ主義」に帰属する態のものなのであるか。哲学思惟上の「ユダヤ的なものへの〈批判〉」は、そのままあの偏頗な情念イデオロギーとしての「〈反〉ユダヤ主義」と同一のものなのであるか。(「序」より)

目次:
ドイツから日本の読者の皆さんへ P・トラヴニー/陶久明日香訳
 主旨と謝辞 P・トラヴニー/中田光雄/齋藤元紀
第一部 講演
はじめに 渡辺和典
ハイデガーと「世界ユダヤ人組織」と近代性 P・トラヴニー/陶久明日香訳
「黒ノート」はハイデガーの評価に何をもたらすのか? 齋藤元紀
第二部 講演とワークショップ
はじめに 齋藤元紀
ハイデガー「黒ノート」における「反ユダヤ主義」は何を意味するのか 轟孝夫
いくつかの区別について 加藤恵介
「ハイデガーの思索は反ユダヤ主義的か?」という問いに答えるための一つの試論 P・トラヴニー/陶久明日香訳
ハイデガー思惟と反ユダヤ主義 中田光雄
第三部 講演とエッセイ
はじめに 中田光雄
普遍的なものと殲滅 P・トラヴニー/阿部将伸・中川萌子訳
トポグラフィーの試みを受けて 秋富克哉
〈キリスト教を克服するキリスト教〉としてのハイデガーの思索 茂牧人
ハンナ・アーレントと「反ユダヤ主義」 森一郎

★9月19〜20日、関西学院大学西宮上ケ原キャンパスで開催のハイデガー・フォーラム()にて先行発売いたします!

関連書:
哲学とナショナリズム――ハイデガー結審 中田光雄 4000円+税
ナチスのキッチン――「食べること」の環境史 藤原辰史 4000円+税
ナチズム――地獄と神々の黄昏 E・ブロッホ 池田浩士・藤原辰史・本庄史明訳 4500円+税
この時代の遺産 E・ブロッホ 池田浩士訳 7000円+税
ホロコーストを逃れて――ウクライナのレジスタンス J・ウィテリック 池田年穂訳 2500円+税