10月2017のアーカイヴ

10月の新刊:フランス・オペラの美学――音楽と言語の邂逅

2017年 10月 30日

フランス・オペラの美学フランス・オペラの美学
音楽と言語の邂逅
内藤義博(著)

判型:A5判上製
頁数:264頁
定価:4000円+税
ISBN:978-4-8010-0286-9 C0073
装幀:西山孝司
好評発売中!


フランス・オペラとは何だったのか?
17世紀のフランスではオペラは卑俗な舞台劇であり悲劇よりも劣るとされていた。しかし18世紀には大がかりな仕掛けと音楽で観客を魅了し次第に独自の美学を打ち立てる……ドラマトゥルギー韻律調性朗唱仕掛けの問題からラシーヌにもヴォルテールにも書けなかった「音楽悲劇」の秘密に迫る。
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10月の新刊:欠落ある写本――デデ・コルクトの失われた書《フィクションの楽しみ》

2017年 10月 25日

欠落ある写本_書影欠落ある写本
デデ・コルクトの失われた書
《フィクションの楽しみ》
カマル・アブドゥッラ(著)
伊東一郎(訳)

判型:四六判上製
頁数:376頁
定価:3,000円+税
ISBN:978-4-8010-0279-1 C0097
装幀:宗利淳一
10月25日発売!


秘密は秘密の中に収められ、秘密によって隠される
文書館に忽然と出現した、古代の謎めいた写本。そこに描かれる、遊牧騎馬民族オグズの部族内で行われるスパイ探しの審問の様子と、サファヴィー朝のシャーの影武者をめぐる逸話、一見すると無関係な二つの物語のテキストは、写本の中で入り交じり、緊張を高めながら、悲劇的結末へと向かう……
中世チュルク叙事詩の最高傑作『デデ・コルクトの書』に隠された謎を題材に、現代アゼルバイジャンを代表する小説家=文学研究者が書き上げた歴史幻想小説を、本邦初紹介。
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11月の新刊:ガラテーア《セルバンテス全集①》

2017年 10月 25日

ガラテーアガラテーア
《セルバンテス全集①》
本田誠二(訳)

判型:A5判上製
頁数:704頁
定価:10000円+税
ISBN:978-4-8010-0171-8 C0397
装幀:西山孝司
11月1日発売!


愛をめぐる終りなき〈対話〉
世俗から自由な牧人たちは、愛の本質を熟知しつつも、叶わぬ恋に苦しみ悲喜劇を繰り広げる……当時のスペインで流行していた〈牧人小説〉の形式を踏襲しつつ、観念的な韻文と写実的な散文を混淆して新境地を切り開いた、セルバンテスの実験的処女作品。死の間際まで後篇の執筆を切望していたが、果たせず前篇のみに終わる。後年の豊かな創作活動の萌芽が随所に顔を覗かせる、作家の知られざるライフワーク。
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カズオ・イシグロ氏にノーベル文学賞

2017年 10月 6日

カズオ・イシグロ氏にノーベル文学賞
スウェーデン・アカデミーは本日6日、2017年のノーベル文学賞を日系イギリス人作家のカズオ・イシグロ氏に授与することを発表しました。氏の小説が「私たちが世界とつながっているという幻想に隠されている闇を明らかにした」ことを受賞理由に挙げています。
小社では日本でも数少ないカズオ・イシグロ論を扱った書籍を刊行しております。

『カズオ・イシグロ――境界のない世界』(平井杏子著)2500円
『水声通信26 特集=カズオ・イシグロ』2000円


カズオ・イシグロ——境界のない世界
著者=平井杏子
4/6判上製/272頁/定価=2500円+税
979-4-89176-821-8 C0098 好評発売中!

デビュー作『遠い山なみの光』から
短編集『夜想曲集』までの作品群をとりあげ、
グローバルな作家の全貌にせまる本邦初の本格的なカズオ・イシグロ論。


水声通信26 特集=カズオ・イシグロ
4/6判上製/240頁/定価=2000円+税
978-4-89176-662-7 C0090 好評発売中!

声のなかへ、降りていくと/小池昌代
カズオ・イシグロの長電話/阿部公彦
遡行するイシグロ/平井杏子
廃物を見つめるカズオ・イシグロ/中川僚子
特に最初の二楽章が……/遠藤不比人
カズオ・イシグロの小説における「顔のない」語り手たち/新井潤美
カズオ・イシグロの声をめぐって/藤田由季美
カズオ・イシグロにおける戦争責任/木下卓
映像にイシグロはなにを見るか/岩田託子