1月2010のアーカイヴ

紀伊國屋書店のフェアは今週末まで!

2010年 1月 22日

ismfileget年末年始をはさみつつ、
紀伊國屋書店新宿本店で開催中の、
《水声社 全点フェア+在庫僅少本フェア》(こちら→)。
おかげさまで好評をいただいているとのこと、
本当にありがとうございます。
あらためて読者のみなさまと関係各位にお礼申しあげます。

が、それもとうとう、

今週末の日曜日、24日までになりました!

僅少本やサイン本を中心に、棚にも空きが目立っていますが、
500点におよぶ弊社刊行物を手にとることができる、またとないこの機会。
文学や現代思想を中心に、美術、音楽、建築、そしてサブカルまで、
多彩な作品群が読者と出会えるのを待っています。
都内近郊にお住まいのみなさま、ぜひともこの週末は新宿へ!!

 

《シュルレアリスムの25時》情報

2010年 1月 21日

ジェンダーを越えた異色の写真家『クロード・カーアン』(永井敦子著)の
発売も間近に迫った、弊社創立30周年出版《シュルレアリスムの25時》。

braunercover初回配本で採りあげられたゲラシム・ルカとヴィクトル・ブローネルは、
ドゥルーズ=ガタリ『アンチ・オイディプス』の「補遺」の部分で
言及されていながら、日本ではほとんどよく知られていませんでした。

河出文庫版だと、ブローネルは「ブロネ」とフランス語読みですが、
本書『ヴィクトル・ブローネル』には、カラー8点を含む160点以上(!)の
図版が掲載されており、彼らが言及している作品もばっちり。
日本でのドゥルーズ=ガタリ読解にも、新しい視点を提供するはずです。

……という『ゲラシム・ルカ』と『ヴィクトル・ブローネル』の2冊は、
各方面で続々と話題になっていますので、まとめてご紹介させていただきます。
(各媒体のみなさま、ありがとうございます!)


【書評】
新年1回目、1月10日付けの読売新聞読書面(本よみうり堂)に
『ゲラシム・ルカ』の書評が掲載されました。評者は、美術批評家の
椹木野衣さん。

それにしてもなぜ、いまシュルレアリスムなのか。
誤解をおそれずに言えば、それは、シュルレアリスムを
「シュルレアリスム」から解放するためと言ってよい。


と、明快にして簡潔に本書・本シリーズの魅力を
スケッチしていただきました。椹木さん、ありがとうございます!
なお、web上で全文の閲覧が可能です(こちら→


【対談】
lucacover現在発売中の『図書新聞』(2010年1月23日号)では、
『ゲラシム・ルカ』の著者・鈴木雅雄さんと美学者の林道郎さんによる、
3ページぶち抜きの 長篇対談 が掲載されています。
本国フランスはもちろん世界でも異色の本シリーズの特色や裏話、
いま、なぜシュルレアリスムなのかをめぐって、白熱の議論になっています。
本シリーズのサイド・ストーリーとして、ぜひご一読ください!


【読プレ】
こちらも現在発売中、『美術手帖』(2010年1月号)でも、
『ゲラシム・ルカ』、『ヴィクトル・ブローネル』の2冊が紹介されました。
筆者は粟田大輔さん。こちらはなんと、各1冊ずつの読者プレゼントあり!
当該誌をご覧のうえ、ふるってご応募ください!


【トークイベント】
さらに来月、フランス文学者の野崎歓さんをゲストにお迎えして、
刊行記念トークイベントも開催されます。
シュルレアリスムにくわしくない方も苦手な方も、
これでシュルレアリスムが楽しめるようになることうけあいです。
ぜひ都内近郊にお住まいの方は足をお運びください!
編集部一同、みなさまとお目にかかれるのを楽しみにしております。
(編集部 naovalis)

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ジュンク堂池袋店 トークセッション

《誰も知らないシュルレアリスム》

◆講師
野崎 歓さん(フランス文学者)×鈴木雅雄さん(『ゲラシム・ルカ』著者)

20世紀の思想や芸術に大きな痕跡を残し、いまもなお
現代文化を挑発し続けている、シュルレアリスムとその運動。
ブルトンやダリ、マグリットの作品は、日本でもよく知られています。
しかし、彼らの表現だけがシュルレアリスムではありません!
これまで注目されることのなかったユニークな画家や詩人、
写真家たちを紹介しながら、「いま」「わたしたちにとって」の
シュルレアリスムとは何かをめぐって、第一線で活躍する
おふたりの論者に縦横無尽に語っていただきます。

◆日時・会場
2010年2月13日(土) 18:30開場/19:00開演
ジュンク堂池袋店4Fカフェ 定員40名
入場料 1000円(1ドリンク付)
くわしくはこちらをクリック→(

◆講師プロフィール
野崎 歓
1959年生まれ。東京大学大学院人文社会系研究科准教授、フランス文学者。
主な著書に『赤ちゃん教育』(青土社、講談社エッセイ賞)、
『われわれはみな外国人である』(五柳書院)など、
訳書にトゥーサン『浴室』、ソレルス『秘密』などがある。

鈴木雅雄
1962年生まれ。早稲田大学文学学術院教授、シュルレアリスム研究者。
主な著書に『シュルレアリスム、あるいは痙攣する複数性』(平凡社)など、
訳書にダリ『ミレー《晩鐘》の悲劇的神話』などがある。




cover永井敦子 著

クロード・カーアン 鏡のなかのあなた

四六判上製/280頁/定価2500円+税
ISBN 978-4-89176-763-1 C0372  1月26日頃発売!
装幀=宗利淳一+田中奈緒子








鈴木雅雄

ゲラシム・ルカ ノン=オイディプスの戦略

四六判上製256頁/定価2500円+税
978-4-89176-761-7  C0398
装幀=宗利淳一+田中奈緒子



齊藤哲也

ヴィクトル・ブローネル 燐光するイメージ

四六判上製総384頁(別丁図版128頁)/定価3500円+税
978-4-89176-762-4  C0371
装幀=宗利淳一+田中奈緒子

 

1月の新刊『クロード・カーアン』

2010年 1月 15日

読書界瞠目の書き下ろし! シリーズ第2回配本



cover創立30周年記念出版《シュルレアリスムの25時》


クロード・カーアン 鏡のなかのあなた

永井敦子 著
四六判上製/280頁/定価2500円+税
ISBN 978-4-89176-763-1 C0372  1月26日頃発売!





女? 男!? 偽装するセルフポートレート。






1980年代後半に再発見され、一躍世界的評価を得た
写真家・作家・思想家クロード・カーアン。
仮面や鏡を使って仮装したセルフポートレートによって
ジェンダー・アイデンティティを問い、クィア的視点からもアプローチされている
特異なシュルレアリストの虚像≒実像に迫る、本邦初のモノグラフィー。
写真図版26点のほか、巻末付録として、『風景と幻影』『ヒロインたち』
『無効の告白』『賭けは始まっている』等からの文学的テキストを収録。

〈目次〉
序章 カーアン再発見
第一章 生涯
第二章 女ではなく男でもなく
第三章 複数形の単数
第四章 危機の時代を生きる
終章 新しい天、新しい地

 

編集部通信(So)

2010年 1月 15日

創業30年目を迎える小社では、昨年末から今年にかけて、
《シュルレアリスムの25時》のスタート、翻訳界の文学的事件ともいえる、
ジョルジュ・ペレック『煙滅』の刊行と、
出版不況のさなかにあって意欲的な活動を続けています。

oonami 昨日(1月14日付け)の東京新聞夕刊の名物コラム「大波小波」では、
「幸福な小数者のための文芸」をめざす出版社の「模範例の一つ」として
小社のことが取り上げられましたが、
地道な出版活動をしている我々にとっては実に有り難いエールです。
今年はとくに30周年ということもあって、
これからも読者の方々を唸らせるような出版物を
積極的に刊行していきますので、よろしくお願いいたします。
左の画像をクリックすれば拡大します


図書新聞(1月16日号)では、アナイス・ニン研究者の大野朝子氏による
『人工の冬』(パリ版)の書評が掲載されました。詳細かつ緻密な分析のあと、

『人工の冬』に描かれた〈他者との融合〉という
束の間の夢は、どこまでも美しく、妖しく、儚い。


と結んでいます。
また昨年暮れの産経新聞(12月27日付け)の読書欄「今年、私の3冊」で、
敏腕編集者の光森優子氏が『人工の冬』(パリ版)を選び、

中編を3本収録するが、映画にもなったヘンリー・ミラー夫妻と
ニンとの特異な関係を描く『ジューナ』が素晴らしい。
選び抜かれた言葉がつづる、官能的で秘めやかな世界に浸れる。


と推薦しています。(編集部:So)


e4babae5b7a5e381aee586acアナイス・ニン/矢口裕子訳

『人工の冬』

【パリ版オリジナル】
四六判上製328頁/定価=2800円+税
ISBN978-4-89176-735-8  好評発売中!

 

今月のサンヤツなど

2010年 1月 8日

sannyatu去る1月5日(火)付、毎日新聞朝刊1面の
サンヤツに出稿いたしました。
(関西では7日(木)に掲載されています)






また、前回()に続き、
徳島県の北島町立図書館・創世ホールが発信している
『文化ジャーナル』2010年1月号
に、
長谷邦夫著『マンガ家夢十夜』 をめぐる、
著者インタビューの続編が掲載されました。
ウェブ上で読めます!→(
知る人ぞ知る『ハード・スタッフ』誌編集長にして、
図書館長の小西昌幸さんと、本書の魅力を語り合っています。
ぜひご一読を!


manga10dreams長谷邦夫

マンガ家夢十夜

四六判272頁/定価2500円+税
978-4-89176-744-0 C0093

 

2010年もよろしくお願いいたします。

2010年 1月 6日

小社は4日から営業開始でしたが、
もう早くも佳境が到来、ごあいさつが遅くなりました。
本年もこれまで以上によろしくお願いいたします。


早速ですが、
都内の紀伊國屋書店 新宿本店(5階人文書売り場)では
水声社全点フェア+在庫僅少本フェア を好評開催中です。
上のリンク先(↑)では、全点リストも公開していますので、
ぜひご覧になってみてください。

ismfilegetしかも、当初は今月17日までとご案内していましたが、
書店ご担当者さまのお力添えで、なんと1週間延長!
24日(日)までになりました。
ありがとうございます!

すでに各界で話題の新刊、
G・ぺレック『煙滅』をはじめ、
文字通りの在庫僅少本やサイン本など、
今回限りの本も少なくありません。
ぜひともこの機会に足をお運びください。

また、わたしも日々愛読している月曜社さまの
ウラゲツ☆ブログでは、2度にわたってこのフェアの援護射撃が。
メトロン星人 urag さまにあらためてお礼申し上げます。

都内中央線沿線のみなさまには、
東京都武蔵野市の啓文堂書店 吉祥寺店で、
《水声社 在庫僅少本フェア》が開催中です。
こちらも在庫僅少本を多数揃えてお待ちしております。
近くへお寄りの際には、ぜひのぞいてみてください!


今月以降も、《シュルレアリスムの25時》
これまで未完に終わっていたシリーズ物の続刊をはじめ、
文学や人文書、そして芸術書などを中心に、
「これぞ水声社ならでは!」と喜んでいただけるような本を
どんどん刊行して参ります。
《創立30周年記念出版》第2弾、第3弾も、
ユニークな企画が目白押し。どうぞご期待ください。


とかく暗い話ばっかりの出版業界ですが、
そういう時代だからこそ、
おもしろいものも生まれるのだと思います。
これからも前向きに全力でがんばって参りますので、
どうぞご支援をよろしくお願いいたします!
(編集部:naovalis)