12月2011のアーカイヴ

年末年始の営業について

2011年 12月 27日

12月の営業は29日(木)をもって仕事納めとさせていただき、
新年は1月5日(木)より営業させていただきます。
年内にご注文いただいた書籍も、
搬入は年明けとなりますので、なにとぞご了承ください。
1年間、小社の刊行物をご愛読いただき、誠にありがとうございました。

本年は、3月11日の東北関東大震災をはじめとして、
世界史を揺るがす大きな災害、事件が多発しました。
20世紀的な世界が一掃され、
本格的に新たな時代に突入した感を深くしていますが、
それに動じることなく、
みなさまに楽しんでいただけるような書籍を刊行して参ります。
どうぞさらなる1年もお力添えをお願い申し上げます。
(編集部 Shi)

 

1月の新刊:『スペイン人とは誰か』

2011年 12月 27日

e382b9e3839ae382a4e383b3e4babae381a8e381afe8aab0e3818b012アメリコ・カストロ/本田誠二訳

スペイン人とは誰か——その起源と実像

A5判上製541頁/定価=8000円+税
ISBN 978-4-89176-885-0 C0022 1月上旬頃発売予定



レコンキスタ以前、〈スペイン〉は存在しなかった!

〈エスパニョール〉という語の起源を掘り起こし、
〈スペイン〉のアイデンティティを新たな観点から捉え返す。
スペイン史学・文学・語学など、〈スペイン〉に携わる
すべての領域にとっての最重要文献!!




現代スペインを代表する歴史学者/文芸批評家が、
人文科学の広範な資料を渉猟し、
スペインとスペイン人の起源を根底からくつがえす
〈新たな真実〉を論証する。
スペイン本国で大論争をまきおこした
『外来語としての〈エスパニョール〉』
そして
『スペイン人はいかにしてスペイン人となったか』
の2冊を併録。

 

12月の新刊:『桜三月散歩道』

2011年 12月 20日

nagatani長谷邦夫

桜三月散歩道 あるマンガ家の自伝

四六判上製総432頁(別丁図版16頁)/定価3500円+税
ISBN 978-4-89176-887-4 C0095 12月22日頃発売!
装幀:宗利淳一+田中奈緒子


数々の《伝説》を生んだパロディ・マンガ家の、
そのありのままの半生記——怒濤の書き下ろし1000枚!


赤塚不二夫、手塚治虫、石ノ森章太郎との出会いと別れ。
山下洋輔、タモリ、筒井康隆、井上陽水ら、異能たちとの交友——。
その誕生から現在にいたるまでの歩みこそが、
戦後サブカル史そのものでもあるような七十有余年!
秘蔵写真30点以上掲載!



【イベント情報】

来る1月27日(金)、ミュージシャン、音楽批評家として活躍中の
サエキけんぞうさんプロデュースによるチャリティーイベントで、
長谷邦夫さんと南伸坊さんの対談、さらにサイン会が実現!
『COM』と『ガロ』という戦後文化を画期した2大コミック誌をめぐって、
貴重なセッションになることうけあいです。ふるってご参加ください! 

—–

《東日本大震災チャリティー》

私の龍馬イラスト展 in お江戸オープニングパーティー

@森下文化センター(東京都江東区。会場はここをクリック→

2012年1月27日(金)

開場17時/開演18時
(龍馬イラスト展は9時より、物販は17時より開始いたします。)

予約1700円/当日2000円

◎出演:サエキけんぞう 島田虎之介 しりあがり寿 花くまゆうさく
長谷邦夫 南伸坊 手塚能理子 その他イラスト展参加作家多数

◎特別トークセッション

「時代を切り開いた先駆者たち〜ガロ・COM——マンガの時代」

〈出演〉南伸坊 × 長谷邦夫 〈進行役〉サエキけんぞう

日本マンガの黎明期を象徴する二大雑誌をテーマに
関係者、作家、愛読者が三つ巴で繰り広げるトークセッション。
龍馬が新時代を切り開いたように、日本のマンガ界では
『ガロ』と『COM』がその先駆者となった。
日本マンガに夜明けは来たのか!?

◎ライブペインティング大会
お題を元に、漫画家がその場で書き下ろし。
どんな名作、珍作が誕生する!?
その他、出品作家の著作即売及びサイン会、
プレゼント大会ほか出し物盛りだくさん。乞うご期待!
(イベント協力/青林工藝舎)

 

12月の新刊:『昭和あるいは戯れるイメージ』

2011年 12月 20日

showa淺沼圭司

昭和あるいは戯れるイメージ

——『青い山脈』と『きけ わだつみのこえ』
四六判上製250頁/定価2800円+税
ISBN 978-4-89176-889-8 C0095 12月下旬発売予定

イメージとしての〈昭和〉。
そして、自己と他者の記憶、不在の体験を想起し
その時代の心性をテクスト化するイメージ論。


《現在のイメージ状況のなかにあって、その状況を超えたことばを発することは、
あるいは既存のイメージ体系に依拠しない、
あたらしいモデル=イメージを創出することはもはや不可能なのだろうか。》

 

12月の新刊:『ロラン・バルト』『ロートレアモンと文化的アイデンティティー』『オイリュトミーが育むこころとからだ』

2011年 12月 19日

12月に刊行予定の新刊ラッシュはまだ続くのですが、
まずは海外文学/思想のこの3冊から。
いずれも12月22日頃から全国の書店に配本予定です。



barthes桑田光平

ロラン・バルト——偶発事へのまなざし

四六判上製243頁/定価=2500円+税
ISBN 978-4-89176-886-7 C0098  12月22日頃発売
装幀=宗利淳一+田中奈緒子


文学、この危険な横断——。

『水声通信』連載分へ大幅に加筆修正、
俊英の手になる瞠目のバルト論。


《バルトの「私」は軽い。それは、新しい「私」を求める軽さである。だが、その根底には、「私」にまとわりつく意味への疲労がある。疲労した「私」は、エクリチュールを通して「私」をいくらか放棄することで、意味もいくらか放棄しようとする。しかし、どれだけ「私」を放棄しても、「私」であるという感覚からは逃れることができない。それは再び疲労の源泉となる。この無限に続く弁証法が「テクスト」と呼ばれるものを産出したのであり、この運動それ自体を、バルトは「テクスト」と呼んだのである。》——本書より

【目次】

Ⅰ「始まり」をめぐって

疲労について
いかにして共に生きるか
どこから始めるべきか

Ⅱ「イメージ」をめぐって
まなざしについて
〈モアレ〉のまなざし
イメージの休息——ダニエル・ブーディネの写真
『偶発事』、あるいは落葉拾い
サイ・トゥオンブリ、あるいは脱ぎ落とされたズボン

Ⅲ「教育」をめぐって

教育の余白——ぼんやりとしながら……
セミナー「恋愛のディスクール」を読む
(1)方法について
(2)テクストからモアレへ
(3)パリノーディアー
(4)終わりなきエクリチュール

Ⅳ「ロラン・バルト」をめぐって
詩人バルト?
中国のバルト
テクストと実存

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lautreamontレイラ・ペロネ=モイセス+エミール・ロドリゲス・モネガル
寺本成彦訳

ロートレアモンと文化的アイデンティティー

——イジドール・デュカスにおける文化的二重性と二言語併用

A5判上製174頁/定価=2500円+税
ISBN 978-4-89176-860-7 C0098  12月22頃発売

ロートレアモンを読み換える、〈南米〉からの声。

14歳で渡仏したウルグアイ出身のイジドール・デュカス。
その彼がスペイン語を話せないわけがない!
いままで不問のまま放置されたバイリンガルの問題に焦点をあて、
詩人の本質に肉薄する意欲的な研究。

《イジドール・デュカスは、ウルグアイ人であった。そのこと自体は誰にとっても、まったく耳新しいことではない。少なくとも逸話としてなら。このよく知られた事実〔……〕から、他の事実が導き出されてくる。デュカスはバイリンガルであったに違いないのだ。信憑性のある仮説として考えられているにもかかわらず、文学上の結果に対してその事実が持つインパクトは——完全にとまではいわないまでも——ほとんど忘れ去られてしまっている。〔……〕それゆえ、彼が流暢にスペイン語を話したということを認めるべきなのだ。それは常識的な問題に他ならなかったのだ。》

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oiryutomii秦理絵子

オイリュトミーが育むこころとからだ——動きの教育学

A5判上製154頁/定価=2200円+税
ISBN 978-4-89176-884-3 C0073 12月22日頃発売




イリュトミー100年!

本邦初のオイリュトミー教育/芸術論。

オイリュトミーが子どもたちの様々な感覚に働きかけ、
その成長をいかにひきだすか。
——シュタイナー学校のカリキュラムの展開にそって
オイリュトミーの教育的可能性をさぐる。

 

今月の新刊:『赤外線』『『ユリシーズ』と我ら』『ジュリアン・グラック』

2011年 12月 13日

今月は年末ということもあって、小社も新刊ラッシュなのですが、
まずは 19日ごろ配本予定の話題作3冊をまとめてお知らせします。



e8b5a4e5a496e7b79a002ナンシー・ヒューストン/いぶきけい訳

赤 外 線

四六判上製360頁/定価2800円+税
ISBN 978-4-89176-854-6 C0097 12月19日頃発売!



世界を駆けめぐる写真家の自由奔放な男性遍歴。


わたしを貫く男たちの
あの瞬間を赤外線カメラで撮る——
女の視点から男の性をあからさまに描き,
フランスでセンセーショナルな話題を呼んだ,
バイリンガル作家の過激な最新小説。

▼ナンシー・ヒューストンの本
〈既刊〉『暗闇の楽器』(永井遼・いぶきけい訳) 定価2800円+税
〈近刊〉『草原讃歌』(永井遼訳) *乞うご期待!

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e383a6e383aae382b7e383bce382ba004デクラン・カイバード/坂内太訳

『ユリシーズ』と我ら——日常生活の芸術

A5判上製392頁/定価5000円+税
ISBN 978-4-89176-853-9 C0098 12月19日頃発売!



「難解なジョイス」という神話を崩す。
マリリン・モンローをも魅了した『ユリシーズ』。
アイルランド文学・演劇研究の第一人者が
20世紀最大の作家ジョイスの代表作を
〈身体〉という視点から自在に読み解く。

●『ユリシーズ』の全18章を, 「目覚める」「歩く」
「食べる」「夢見る」などといった人間の日常の, 主として
身体的な行為で読み解いていることは独創的であり,
平易な言葉で深い含意を伝えていることも特筆に値する。
〔……〕『ユリシーズ』のいずれか一つの章に特化した
研究論文は世に無数にあるが, 統一的な視点で,
抽象的な概論に陥らず, 具体的に詳しく全章を
読み通す議論は稀である点でも,
『「ユリシーズ」と我ら』は突出している。——「訳者あとがき」より


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e382b0e383a9e38383e382af005別冊水声通信第2号

ジュリアン・グラック

A5判並製264頁 定価2500円+税
ISBN 978-4-89176-850-8 C0098 12月19日頃発売!



生誕百年を迎え、新たな観点で論じられつつある、
二十世紀フランス文学の重鎮ジュリアン・グラック
「最後の古典作家」の散文のダイナミズムと現代性を浮き彫りにすべく、
グラックのテクストのほか、日仏の著者・研究者による詩・エッセイ・論文、
およびインタビュー記事や略年譜/著作解題などの資料を満載。

[執筆]——ジュリアン・グラック、ミシェル・トゥルニエ、
ピエール・ミション、ドミニク・ラブルダン、ミシェル・ミュラ、
パトリック・マロ、マリアンヌ・ロレンジ、天沢退二郎、安藤元雄、
堀江敏幸、塚本昌則、永井敦子、三ツ堀広一郎。

 

〈レーモン・クノー・コレクション〉刊行記念イベントのご案内

2011年 12月 12日

小社より絶賛刊行中の〈レーモン・クノー・コレクション〉全13巻の
刊行を記念したイベントが開催されます。
クノーについては一家言あるかたも、このシリーズではじめてクノーに
触れたかたも、ぜひぜひふるって足をお運びください。


レーモン・クノーってだれ?

豊崎由美(書評家)× 塩塚秀一郎(フランス文学者)

作家? 編集者? ウリピアン? アマチュア数学者? 元シュルレアリスト?
ガリマール社で百科全集の編集を担当し、マルセル・デュシャンやウンベルト・
エーコも参加する秘教的な芸術研究集団《コレージュ・ド・パタフィジック》の
中心的メンバーであり、奇妙キテレツな文学集団《ウリポ(潜在文学工房)》の
発起人でもあり、またその作品もSFから偽名小説、自伝的小説など多岐にわたり、
様々な顔を持つレーモン・クノー。

一つの出来事を99通りのいい方で語った『文体練習』で知られる作家ですが、
日本ではこれまで断片的にしか紹介されてこなかったこのクノーなる人物とは
いったいどんな人なのか? そしてどんな(奇妙な?)作品を書いたのか?

さまざまなジャンルの小説を読破し、フリーライター、ウクレレ奏者、書評家と
あらゆる顔を持つ豊崎由美さんと、普段は穏やかな大学教師でありながら、
不可能な翻訳に挑戦しつづける塩塚秀一郎さん。お二人に、クノーの、
またその作品の魅力について、たっぷりと語っていただきます。

◎ 2012年1月28日(土)19時〜_


◎ 会場
:西武池袋本店別館9階池袋コミュニティ・カレッジ28番教室_

◎ 定員
:50名

参加チケット:1000円(税込)

チケット販売場所:西武池袋本店 書籍館 地下1階 リブロリファレンスカウンター

お問合せリブロ池袋本店 03-5949-2910
くわしくはこちらをクリック→(



【講師プロフィール】

豊崎由美(とよざき・ゆみ)
1961年生まれ。ライター、書評家。主な著書に『そんなに読んで、どうするの?』(アスペクト)、
『どれだけ読めば、気がすむの?』(アスペクト)、『文学賞メッタ斬り!』(共著、パルコ出版)など。

塩塚秀一郎(しおつか・しゅういちろう)
1970年生まれ。パリ第三大学文学博士。現在早稲田大学理工学術院准教授。主な訳書に、
ジョルジュ・ペレック『さまざまな空間』、『美術愛好家の陳列室』、『煙滅』、
レーモン・クノー『あなたまかせのお話』など。