7月2012のアーカイヴ

8月の新刊:『セクシュアリティ』

2012年 7月 31日

e382bbe382afe382b7e383a5e382a2e383aae38386e382a3_cover別冊水声通信

セクシュアリティ

A5判並製328頁 定価2800円+税
ISBN978-4-89176-915-4  C0010 8月1日頃発売!



ジャック・デリダ、ジュリア・クリステヴァ、エレーヌ・シクスー、
ディディエ・エリボンなど国内外の研究者・思想家たちが、
「文学」という言語の場と、「セクシュアリティ」について多くの可能性を追求した
フランス現代思想の原点に戻り、単純化された解放の論理や社会学によっては
とらえきれない「セクシュアリティ」の可能性を問う!


目次

【1】
エクリチュール、女性性、フェミニズム——フランソワーズ・ファン・ロッスム=ギュイヨンとの対談
エレーヌ・シクスー/岩野卓司訳(解題:「来るべきエクリチュールのために」岩野卓司)
クリステヴァ——セクシュアリティの変容? ジュリア・クリステヴァ/木村信子訳(解題:「クリステヴァの軌跡 精神的バイセクシュアリティへ」木村信子)

【2】
思弁=投機する——フロイトについて/超えて ジャック・デリダ/大西雅一郎訳(解題:「糸巻きを投げるフロイト、あるいはフロイトを投げる糸巻き」大西雅一郎)

【3】
エロティシズムと〈存在の連続性への開き〉をめぐって 湯浅博雄
魂の隠語 ジュネにおける同性愛と言語 合田正人
明かされた共同体——ジュネを読むバタイユとフーコー ディディエ・エリボン/福島勲訳(解題:「限定的モラルから一般的モラルへ 留保なき少数派としてのバタイユ」福島勲/「ミシェル・フーコーに関する補足的メモ」千條真知子)
ハイデガーとデリダ、ニーチェ(の)女性はどこに存在するのか?──性的および/あるいは存在論的差異 大西雅一郎

【4】
サルトルにおけるセクシュアリティ——同性愛の問題を中心に
澤田直
プルーストとコレット——同性愛、植物、動物 吉川佳英子
『ホモセクシュアルな欲望』の世紀−後——ギィー・オッカンガムの現在 関修

【5】
至高性と分身——ジョルジュ・バタイユ『わが母』における神学と近親相姦 岩野卓司
ヴェロニカ、あるいはファリック・シスターの増殖——ブランショとセクシュアリティ 郷原佳以
裏切るアンガジュマンのために——サルトルにおける語る(性的)マイノリティのスキャンダル 丸山真幸
ピエール・クロソウスキー、または受肉せる霊/言語 大森晋輔

 

7月の新刊:『〈フランス〉の誕生』

2012年 7月 18日

e38395e383a9e383b3e382b9e381aee8aa95e7949f_cover〈フランス〉の誕生——16世紀における心性のありかた

高橋 薫
A5判上製/576ページ/定価=8000円+税
ISBN 978-4-89176-891-1 C0070 7月25日頃発売予定

*店頭で見つからない場合はご注文ください。


〈フランス〉のひとびとは、なぜ王国の統一をめざしたのか。
統一は、なぜ可能であったのか。


ルネサンス後期のフランスの庶民、王侯貴族、文学者などの心性を、
ロンサール、モンクレチアン、フェビュス、オリヴィエなどの作品をひきつつ
動乱の時代を生きたひとびとの日々を暮し方から考察する。


目次

はしがき

第1部    アイデンティティの模索
第1章 16世紀フランス短話集に見られる他郷との接触について
第2章 ロンサール・自然・フランス

第2部    王権の発見
第3章 16世紀フランス人文主義悲劇に見られる君主像とその周辺
——ラザール・ド・バイフからアントワーヌ・ド・モンクレチアン
第4章 鹿の軛脚を王に捧げる——儀式とならなかった儀式

第3部    信と不信の間で

第5章 「迷信」妄想

註/結び


《関連書》
歴史の可能性に向けて——フランス宗教戦争期における歴史記述の問題
高橋薫  8000円+税

 

「ヘンリー・ミラー生誕120年記念展」開催中!

2012年 7月 12日

miller













代表作『北回帰線』や問題作『セクサス』など、文豪の全体像を知るうえで
もっとも充実したテクストとして、好評発売中の『ヘンリー・ミラー・コレクション』
そのヘンリー・ミラーの回顧展が、東京・青山の スパイラルガーデン で開催中です。
小社もご協力させていただいており、入場無料です。
ぜひ、ミラーのもうひとつの側面をお楽しみください。


アメリカの文豪ヘンリー・ミラーの生誕120年を記念し、
ミラーの最後の妻として知られるホキ徳田氏が中心となって、
展覧会を開催します。

この展覧会では、ミラーが趣味で描いていた
水彩画、写真、手書きの原稿、手紙、映画や展覧会のポスター、
掲載誌や新聞の切り抜き、手作りのコラージュなど、
日本未発表のものも含め多数展示し、
「文豪ヘンリー・ミラー」とは違う一面をお届けします。

また展示期間中には、
毎晩18:00〜20:00に日替りミニライブを開催いたします。

◆イベント概要
会期:2012年7月3日(火)〜7月16日(月・祝)11:00〜20:00
会場:東京都港区南青山5-6-23スパイラルガーデン(スパイラル1F→
〒107-0062 東京都港区南青山5-6-23 スパイラル1F(地図はこちら→
入場料:無料
主催:ヘンリー・ミラー展実行委員会
ヘンリーミラー・メモリアルバー「北回帰線」
特別協賛:大木製薬(株)、InterFM 76.1MHz
協賛:(株)日本エスカレーター広告協会、(株)光伸プランニング、
(社)日本旅行作家協会、港区観光協会、(株)シバヤマ
協力:(株)水声社、(株)文遊社、Cómo le va?、DIC(株)、
(株)アンドモア、月刊誌『正論』
楽器協力:ヤマハ(株)
監修コーディネイト:ホキ徳田/企画プロデュース:川幡浩
会場協力:(株)ワコールアートセンター
お問い合わせ:北回帰線(キタカイキセン→) TEL:03-5474-3900

 

『ナチスのキッチン』重版決定!

2012年 7月 11日

ナチス時代の台所、家事労働、レシピ、エネルギーを通して
現代社会を問い直す、貴重な成果。重版決定!

とうとう小社からも1冊もなくなり、
在庫確認のお問い合わせにもお応えできなかった
藤原辰史さんの労作、『ナチスのキッチン——「食べること」の環境史』は、
みなさまのご声援のおかげで重版が決定しました。

7月19日(木)出来予定となっております。
ご注文いただいている分から、順次出荷いたします!


amazon.co.jp ではひさしく品切れ状態が続いておりますが、
全国の大型書店店頭、もしくは他のネット書店にはまだ在庫がございます。
初版をお求めの方は、いまのうちにそちらへお急ぎください!




“今日われわれの食卓は、ナチスの呪縛からどれだけ離脱できているだろうか”
——原克さん(ドイツ文学)、日本経済新聞 7/8付

“人間らしさを失うことの落とし穴について考えさせる”
——「記者が選ぶ」欄、読売新聞 7/8付

“〔著者の試みは〕大きな武器と勇気を与えてくれる”
——三浦丈典さん(建築家)、産經新聞 7/1付


Web上では、このブログでとりあげられると
人文書の売上げが1ケタ(以上?)変わるという月曜社・小林さんの
「ウラゲツ☆ブログ」が紹介してくださったのを皮切りに
(こちらをクリック→)、その後も続々と紹介されました。

レヴュウサイト「HONZ」の土屋敦さんの書評がTwitter などで話題騒然!
本書掲載のレシピを用いて実際に料理してしまったという衝撃のレヴュウが、
ネット住民の度肝を抜きました。(

また、本書で論じられている「公共キッチン」に着目して、
実際に著者の藤原さんを渋谷のシェアハウスにまで連れて行った、
という本が好き! Bookニュース」ナガタさんのレヴュウ。(

さらに、紀伊國屋書店の「KINOKUNIYA 書評空間」では、
早瀬晋三さん(歴史学)が、400字詰め原稿用紙1,000枚近くになる
本書の魅力を、手際良くまとめてくださいました。(

そのうえ、7月28日発売予定の 図書新聞 では著者インタビューを掲載予定!
本書をめぐって著者の肉声が語られるインタヴュウになっています。乞うご期待!

そして、まさに書店配本日の5月31日、ジュンク堂書店池袋本店で
おこなわれ、大盛会の裡におわった刊行記念トークセッションの模様も、
Youtube 等で全編が視聴可能です()。藤原さんとの対話のために
京都からお越しくださったのは、山室信一さん(政治史)。
本書の裏話などが話題満載の90分、ぜひご覧になってみてください。

この本は、ナチス時代の「台所」を歴史的・空間的に読み解きながら、
日本の「現在」が浮かびあがってくる、文字通りの必読書です。
3/11 以降のわたしたちの生活・文化・社会を考えるうえでも示唆的なので、
ぜひ、ひとりでも多くのかたに手にとってもらいたい、と切望しています。


nazi_kitchenナチスのキッチン 「食べること」の環境史

藤原辰史
四六判上製456頁/定価 4000円+税
ISBN 978-4-89176-900-0 C0022 5月31日発売


ヒトラーから《食》を奪還せよ!

いま、もっとも重要な《食》と《エネルギー》の問題を
ファシズムの視座から考える出色の1冊!


ナチスによる空前の支配体制下で、
人間と食をめぐる関係には何が生じたのか?
システムキッチン、家事労働から、食材、
そしてエネルギーにいたるまで、
台所という《戦場》の超克を試みた、
来るべき時代への《希望の原理》。
新発見の事実や貴重なレシピをはじめ、
未刊行資料・図版などを多数収録。

《どうして、「食べること」はここまで衰微して
しまったのだろうか。どうして、強制収容所という
私たちの生活世界からもっとも遠いところの現象が、
こんなにもリアルに感じられるのだろうか?
——これは、端的に言ってしまえば、
この世界が、ナチズムと陸続きだからである》



目次—————

序章 台所の環境思想史
歴史の基層としての台所/テイラー・システムとナチズム/
台所の変革者たち/台所をどうとらえるか

第1章 台所空間の「工場」化  建築課題としての台所
ドイツ台所小史/ドイツ台所外史/第一次世界大戦の衝撃/
フランクフルト・キッチン/考えるキッチン/ナチス・キッチン?/
労働者約一名の「工場」

第2章 調理道具のテクノロジー化  市場としての台所

電化される家族愛/台所道具の進歩の背景/マニュアル化する台所仕事
市場化する家事/報酬なきテイラー主義の果てに

第3章 家政学の挑戦
家政学とは何か/家政学の根本問題/家政学の可能性と限界
家政学のナチ化/家政学の戦時体制化/家政学が台所に与えた影響

第4章 レシピの思想史
ドイツ・レシピ少史/読み継がれる料理本/企業のレシピ/
栄養素に還元される料理

第5章 台所のナチ化  テイラー主義の果てに
台所からみたナチズム/「第二の性」の戦場/「主婦のヒエラルキー」の形成/
無駄なくせ闘争/残飯で豚を育てる/食の公共化の帰結

終章 来たるべき台所のために
労働空間、生態空間、信仰の場/台所の改革者たちとナチズム/
ナチスのキッチンを超えて

「食べること」の救出に向けて  あとがきにかえて

付録1 ベストセラーの料理本
付録2 ダヴィディス著『実用的料理本』の版別レシピ構成
付録3 ハーン著『実用的料理本』の版別レシピ構成

註/参考文献/人名索引

 

7月の新刊:『絵を書く』

2012年 7月 10日

e7b5b5e38292e69bb8e3818f_cover絵を書く

マリアンヌ・シモン=及川 編
A5判上製/288ページ/定価=4000円+税
ISBN 978-4-89176-906-2 C0090 7月13日頃発売予定



テクスト×イマージュ 炸裂する創造空間!

19世紀から現代までの芸術家/作家たち
(フロマンタン、ゾラ、ミショー、バルト、レリス……)は
言語とイマージュを通して、あるいは言語とイマージュの狭間で
どのような表象を生み出したのか。日仏の気鋭の研究者たちが、
秘められた〈創造〉の核心に迫る。[図版多数収録]

【執筆者】
マリアンヌ・シモン=及川 +アンヌ=マリー・クリスタン+
アルレット・アルベール=ビロー+イヴ・ペレ+千葉文夫+桑田光平+
寺田寅彦+フロランス・デュモラ+塚本昌則+アルメル・ルクレル


【目次】


まえがき/マリアンヌ・シモン=及川

I
・ ウージェーヌ・フロマンタン、作家にして画家/アンヌ=マリー・クリスタン
・ 造形芸術からエクリチュールへ
——文学以前のピエール・アルベール=ビロー/アルレット・アルベールービロー
・ アンリ・ミショー、エクリチュールと絵画の間で/イヴ・ペレ

II
・ ミシェル・レリスの肖像——アンドレ・マッソンの場合/千葉文夫
・ ベルナール・ノエル——画家の背後からの視線/マリアンヌ・シモン=及川
・ メディウムとしての写真——『明るい部屋』をめぐって/桑田光平

III
・ 自然主義作家が見せてくれるもの/寺田寅彦
・ 夢を描写する——アロイジウス・ベルトランと「心理学者」たち/フロランス・デュモラ
・ デッサンの度合い——ヴァレリーにおける夢の詩学/塚本昌則

IV
・クリストフ・ラミオ・エノスの詩における視覚的仕掛け/アルメル・ルクレル

 

7月の新刊:『スクール・アート』

2012年 7月 10日

schoolart_coverスクール・アート——現代美術が開示する学校・教育・社会

中川素子 著
A5判上製/232ページ+別丁カラー図版16ページ/定価=2800円+税
ISBN 978-4-89176-909-3 C0070 7月10日頃発売予定




現代美術は「学校」と「教育」をどのように表現してきたのか?

〈こどもたち〉と〈教育〉の現状を鋭く、ときにユーモラスに表現した
美術作品をよみとき、学校・教育・社会のあるべき姿を「美術」と「教育」の
接点からさぐる画期的な書き下ろし評論。[図版多数収録]

【本書に登場する美術家たち】
浅田政志、倉重迅、澤田知子、鉢&田島征三、石田徹也、藤阪新吾、
ジェームズ・ローゼンクイスト、タデウシュ・カントル、土門拳、
ピーター・ベラーズ、豊嶋康子、島田寛昭、河口龍夫、みかんぐみ、山本高之

【目次

まえがき

第1章 思い出やつながりとしての教育空間
第2章 教室の中の無気力な子どもたち
第3章 子どもたちに落ちる世界の影
第4章 システムとしての教育, そのずらしと崩し
第5章 教育とは「引き出すこと」

あとがき


【関連書】
『ブック・アートの世界——絵本からインスタレーションまで』
(中川素子+坂本満篇)  3000円