11月2011のアーカイヴ

12月の新刊:『メルラーナ街の混沌たる殺人事件』

2011年 11月 29日

merulanaカルロ・エミーリオ・ガッダ/千種堅訳

メルラーナ街の混沌たる殺人事件

四六判上製416頁/3500円+税
ISBN978-4-89176-859-1  C0097 12月5日頃発売!
解説:和田忠彦
装幀:宗利淳一+田中奈緒子


ジョイス、プルースト、カフカに比肩する、
イタリア・ポストモダン小説の金字塔。

書評家・豊崎由美さんが偏愛し、
「復刊熱望
のツイートで大反響!
40年ぶりによみがえる奇跡の《改訳決定版》
旧版よりぐっと読みやすくなって、ついに刊行。


ムッソリーニ政権下のローマ。
成金街の宝石盗難事件—殺人事件。
奮闘する敏腕警部。
すったもんだに迷走する大捜査線。
混乱。
脱線。
紛糾。
そして、真犯人は……?


めくるめくドタバタ捜査劇の行方やいかに !?
これぞ《フィクションの楽しみ》をご堪能あれ!


 

12月の新刊:『ドリス・レッシングを読む』

2011年 11月 28日

lessing大社淑子

ドリス・レッシングを読む

四六判上製272頁/3000円+税
ISBN978-4-89176-883-6  C0098 12月2日頃発売!
装幀:齋藤久美子


アフリカ、SF、コミュニズム、そして性愛。
いま、レッシング文学の扉がひらく——。


旺盛な想像力を駆使した多彩な作品で知られる、
2007年度ノーベル文学賞受賞作家、ドリス・レッシング。
半世紀以上におよぶ彼女のほぼ全作品を読み解き、
その本質に肉薄する、待望の作家論にして読書ガイド。



【ドリス・レッシングの本】
生存者の回想 大社淑子訳…………2200円
シカスタ 大社淑子訳………………3800円
暮れなずむ女 山崎勉訳……………2500円

 

編集部より:映画『阪急電車』と水声社

2011年 11月 25日

突然ですが、今春、全国でロードショー公開されて大好評を得た、有川浩さん原作、中谷美紀さん、戸田恵梨香さん出演の映画『阪急電車 片道15分の奇跡』をご覧になったかたも、少なくないことと存じます。わたくし編集某も関西出身なので懐かしく観たものでしたが、この映画にスピンオフ作品があるのをご存知でしょうか? それが、テレビ等で放映されて話題になった『阪急電車 片道15分の奇跡 征志とユキの物語』です。

hankyuこの作品は、原作に描かれていながらオミットされた、征志(永井大さん)とユキ(白石美帆さん)、ふたりの恋のはじまりとその行方を追ったファンタスティックな短篇ドラマなのですが、じつはこのなかに、水声社も出演しているのです!

舞台が図書館という非常にブッキッシュな物語だけに、「本」がふたりの恋の重要な小道具となります。主人公たちはSFがお好きなようで、早川書房さんの本が人気なのですが(笑)、征志さんのほうは、なんと小社の演劇関連書を2冊も手にしてくれています。いやー、こんなところにも読者がいたとは、うれしいことですよ。さあ、どの本のことか、お分かりになったかたはエラい。すごい。

ということで、このたびDVD化された『阪急電車 片道15分の奇跡 征志とユキの物語』、エンドロールにはしっかり小社もクレジットされていますので、ぜひぜひご覧になってみてください。本編26分に特典映像が17分で、お値段も1900円+税と、とてもリーズナブルですよ!(編集某)

*小社の単行本を抜擢してくださった東條政利監督(本作では監督助手)のご配慮に感謝します。

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11月の新刊:『コンテンツ批評に未来はあるか』

2011年 11月 18日

content_cover波戸岡景太

コンテンツ批評に未来はあるか

四六判上製232頁/2500円+税
ISBN978-4-89176-882-9  C0095 11月21日頃発売



ここから世界を書き換えろ!

データベース化が進行し、人間と社会とが
ますます乖離してゆく現在、
《コンテンツ》はどのように語りうるのか?
村上春樹や『シュタインズ・ゲート』、エミネム、
『もののけ姫』にいたる多彩な表現を通して、
この《21世紀》を新たに読み直すための果敢な実践。



《実体と記憶と起源。およそすべての文化的営みは、
これら抜きでは語れない。そして、コンテンツという概念は、
これら三者の結びつきが欠落した世界の可能性を示唆する。
はたして、その世界は私たちの「未来」なのか。
コンテンツ批評のこれからを考えることは、
私たちの世界を再考することを意味するのだ。》——本文より



【ジュンク堂書店池袋店でトークイベント開催!】


会場……ジュンク堂書店池袋本店 4階喫茶にて。入場料1,000円(ドリンク付)
定員……40名
受付……1階サービスカウンターにて。電話予約承ります。
TEL. 03-5956-6111/ FAX.03-5956-6100

http://www.junkudo.co.jp/tenpo/evtalk.html#20111020ikebukuro

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波戸岡 景太『コンテンツ批評に未来はあるか』(水声社)刊行記念

コンテンツ批評とはなにか?

波戸岡 景太(アメリカ文学者)× 大澤 真幸(社会学者)

2011年12月8日(木)19:30~

「コンテンツ」は、デジタル化が進行する現在のメディア状況のなかで、
おそらくもっとも流布しているキータームです。
これは、映像であれ楽曲であれテキストであれ、その作り手と受け手との
あいだをとりもつメディアが発達し、多様化した結果、
逆説的に売り買いされることになった作品の、「中身」「実質」「意味」を
あらわす言葉ですが、では、その「コンテンツ」を「批評する」とは、
具体的にどういうことでしょうか?
今回は、アメリカ文学者の波戸岡景太さんの新著、
『コンテンツ批評に未来はあるか』(水声社)刊行※を記念して、
いま論壇にもっとも精力的に発言している社会学者・大澤真幸さんをゲストに、
アニメ化も話題のゲーム『シュタインズ・ゲート』から、
アメリカ現代文学の最高峰トマス・ピンチョンの世界に至る、
幅広いコンテンツの〈群れ〉を対象に、
新世紀の「批評」を対話的に実践する試みとなります。

波戸岡景太(はとおか・けいた)
1977年、神奈川県に生まれる。明治大学准教授。専攻、アメリカ文学。
著書に、『ピンチョンの動物園』(水声社)、『オープンスペース・
アメリカーー荒野から始まる環境表象文化論』(左右社)がある。

大澤真幸(おおさわ・まさち)
1958年、長野県に生まれる。社会学者。月刊誌『THINKING「O」』主宰。
著書に『身体の比較社会学』(I・II、勁草書房)、『増補 虚構の時代の果て』
(ちくま学芸文庫)、『文明の内なる衝突』(NHKブックス)などがある。

 

11月の新刊:『最後の日々』

2011年 11月 15日

rqefbc8fe69c80e5be8ce381aee697a5e38085_coverレーモン・クノー・コレクション2

最後の日々

宮川明子訳
4/6判上製288頁/定価2500円+税
ISBN978-4-89176-862-1  C0397 11月30日頃発売!


歴史に埋もれた、小さな物語たち

冴えない哲学科の大学生たちとカフェに集う老人たち。
時に交錯し、時にすれ違う彼らの運命を、
星占いで予言しながら見守るカフェのボーイ。
彼らの最後の日々を描きながら、
第二次大戦前の不穏なパリの雰囲気を伝える、クノーの自伝的小説。
【本邦初訳!】

*レーモン・クノー・コレクション次回配本は、
2012年1月末頃、『ルイユから遠くはなれて』を配本予定です。

*『地下鉄のザジ』『サリー・マーラ全集』『聖グラングラン祭』も絶賛発売中!


*日本ウリポ史に残る特典付き! 全巻ご購読の予約の締め切り迫る!
以上、くわしくはこちら→

*すぐれた着眼と批評性のある企画を続々刊行している月曜社さんの人気ブログ、
「ウラゲツ☆ブログ」()でも、ご紹介いただきました。
Kさん、いつもありがとうございます!
クノーが新刊で読めるのは、いまや小社と月曜社さんだけかも!?

 

11月の新刊『歴史とエクリチュール』

2011年 11月 15日

e6adb4e58fb2e381a8e382a8e382afe383aae38381e383a5e383bce383abクリスチアン・ジュオー著
嶋中博章・杉浦順子・中畑寛之・野呂康訳

歴史とエクリチュール

A5判上製304頁/定価4000円+税
ISBN 978-4-89176-858-4 11月15日発売

フランス気鋭の歴史家、クリスチアン・ジュオーを本邦初紹介!

――文学作品は〈歴史〉となりうるか?
歴史資料/文学作品の背後にある〈行為〉を読み解き、
新たな歴史解釈の方法論を提示する。
日本で行われた講演、また彼の重要な論考を訳出し、
未発表論文のシムノン論を加えた日本オリジナル版に、
訳者による詳細な解説を付す。

『絶対王政期の文学的事象と政治社会的制度との関係について
注目すべき業績を挙げたクリスチアン・ジュオーの仕事が、
日本語で本格的に紹介される。十七世紀から二十世紀(ベンヤミン、シムノン)に
いたるまでの多彩な論考の秀れた翻訳と解説が、フランスにおける歴史研究の
最新の方法論的意識に接する機会をあたえてくれる。』――廣田昌義


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目次



講演
・マザリナード 著述家、出資者、公衆
・マザリナードと雑報――1652年、パリに流通した反ユダヤ文書群
・「太陽王」時代における政治権力の無力さと全能の力
・17世紀におけるエクリチュールと行為
――論争と論戦に関する研究のための方法論的展望

論考
・歴史と文学史の出会い――アラン・ヴィアラ著『作家の誕生』(注釈と批評)
・「実践の形式」における「国家理性」から、
ルーダンでの行為としての「国家理性」へ――歴史における時間の区分
・ベンヤミン、「偉大なる世紀」そして歴史家
――ひとつの仕事をふり返ること
・過去を見る/見ない――メグレと口の固い証人たち
・より高度な方法的意識の覚醒に向けて
――クリスチアン・ジュオーの認識と方法(野呂康)

 

11月の新刊:『スピノザとわたしたち』

2011年 11月 7日

spinoza_coverアントニオ・ネグリ/信友建志訳

スピノザとわたしたち

四六判上製218頁/2500円+税
ISBN978-4-89176-855-3  C0010 11月10日頃発売



この現代を《スピノザ的》に組成せよ!


スピノザという異形の運命に立ち戻り、
その批判的/転覆的意味、
および彼によって先取りされた《共》の哲学を、
現代思想に布置するための、ネグリ自身による、
最もラディカルなガイダンス。


訳者によるアクチュアルな解説を付す。

〈目次〉
序 章 スピノザとわたしたち
第1章 スピノザ——内在性と民主制の異端
第2章 力能と存在論——ハイデッガーかスピノザか
第3章 スピノザ政治思想の展開におけるマルチチュードと個別性
第4章 スピノザ——情動の社会学

解説「成功への希望は反乱の傾向を生じさせる」(信友建志)