9月2010のアーカイヴ

9月の新刊『わが先行者たち』

2010年 9月 21日

senkosha001栗原幸夫

わが先行者たち——文学的肖像

四六判上製/466頁/定価4500円+税
ISBN978-4-89176-803-4 C0095  9月24日ごろ発売!


危機の瞬間にひらめく回想——。
自在な《精神の運動》による戦後文学/思想史の軌跡



編集者として、批評家として、あるいは
べ平連やAA作家会議のアクティヴィストとして。
埴谷雄高、中野重治、堀田善衞ら《戦後》という時代を協働した、
こよなき《先行者たち》への批評/オマージュを集成する。
【附・著者による自筆略年譜】


[本書で描かれる先行者たち]——埴谷雄高,  中野重治,  本多秋五,
堀田善衞, 平野謙,  竹内好,  竹中労,  小田切秀雄,  内村剛介,
田木繁,  久野収,  野間宏,  小田実,  国分一太郎,  由井誓,  好村冨士彦,
貝原浩,  小山清,  高見順,  三島由紀夫,  深沢七郎……



栗原幸夫(くりはらゆきお)  1927年、東京生まれ。
編集者として週刊読書人、日本読書新聞、三一書房などを舞台に活躍し、
本多秋五『物語戦後文学史』(読売文学賞)、旧版『堀田善衞全集』など
数々の名著を企画編集。運動家としても、べ平連の脱走兵支援運動(JATEC)や、
アジア・アフリカ作家会議などの中軸をになう。また、
批評家/研究者として『プロレタリア文学とその時代』『肩書きのない仕事』
『歴史の道標から』など、多くのすぐれた著作を刊行している。

 

編集部通信:短歌×偽アメリカ文学

2010年 9月 21日

img_2340去る9月19日、日曜日の早朝午前6時から放送された
『NHK短歌』にアメリカ文学者で早稲田大学准教授、
都甲幸治さんがゲスト出演されました。
選者は歌人で小説家の東直子さん。
おふたりを中心に、投稿歌をめぐってあれこれ語りあったり、
都甲さんの好きな一首(寺山修司!)について紹介したりと、
なんともバラエティに富んだ内容でした。
じつはこの番組、はじめて観ましたが、とても落ち着いた、それでいてユニークな番組でした……
不勉強おゆるしを!

img_2342そして、昨年弊社から刊行された都甲さんの初の単著
『偽アメリカ文学の誕生』も、濱中博久アナウンサーが、
がっつり紹介してくださったのでした。
(さすがNHK、弊社の名前は出ませんでした。ははは)
来る22日(水曜)午後2時半から再放送もあるそうです。
見逃した方はぜひテレビの前にかじりつくか、録画の準備を!

なお、6月からはじまった都甲さんのブログはこちら(→)。
都甲さんのますますの活躍に乞うご期待です!(編集部 Naovalis)

 

『水の音の記憶』書評

2010年 9月 7日

去る6月に刊行された結城正美さんの初の評論集、
『水の音の記憶—-エコクリティシズムの試み』が、
9月5日づけ読売新聞の書評欄「本よみうり堂」で
紹介されました。評者は文化人類学者の今福龍太さんです。
「エコクリティシズム」というアメリカ発の批評の方法論について
詳細にその意味を語りながら、

「未知の言語論であり、あらたな政治活動(アクティヴィズム)へも
結びつく可能性を持った、静かだが、戦闘的な文学批評宣言の書である」


と本書を高く評価していただきました(全文はこちらから→)。
今福さん、ありがとうございました。

田口ランディ、石牟礼道子、森崎和江、T・T・ウィリアムス、
G・アーリックたちの表現をとおして、自然や動物といった《環境》と
人間は、いかにして語り合えるのか、《共生》しうるのか。
その文学的な実践を試みた、いま、もっとも重要なテーマを論じた
1冊ともいえそうです。

小社では、今後もエコクリティシズムの関連書を刊行していく予定です。
ぜひご声援を! (編集部 Naovalis)


mizuno_cover結城正美

水の音の記憶——エコクリティシズムの試み

四六判上製/272頁+別丁図版1葉/定価3000円+税
ISBN978-4-89176-790-7  C0095  好評発売中!


エコクリティシズム宣言!



文学表現は、はたして《環境》と共生しうるのか?
田口ランディ、石牟礼道子、森崎和江、T・T・ウィリアムスらの
再読を通して検証される、《人 – 自然》の新たな結びつき。
瑞々しい感性が放つ、鮮烈な環境文学論の誕生。