6月2018のアーカイヴ

7月の新刊:立原道造――故郷を建てる詩人

2018年 6月 27日

立原道造立原道造
故郷を建てる詩人
岡村民夫(著)

判型:四六判上製
頁数:348頁
定価:3500円+税
ISBN:978-4-8010-0348-4 C0095
装幀:西山孝司
7月6日ごろ発売!
★6月30日(土)の四季派学会で先行発売予定!
詳細はこちらから。

詩人にして建築家、立原道造の夢みたもの
青春の抒情をうたう詩人であると同時に、将来を嘱望された新進建築家でもあった立原道造。故郷喪失感を抱えた東京人としての彼は、文学と建築という対照的領域の狭間に「第二の故郷」をいかにして創造したのか? 従来の立原論が軽視してきた「詩人にして建築家」という二重性に着目し、双方を同等の比重でとらえる画期的論考。
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6月の新刊:模倣と他者性――感覚における特有の歴史《人類学の転回》

2018年 6月 26日

模倣と他者性模倣と他者性
感覚における特有の歴史
《人類学の転回》
マイケル・タウシグ(著)
井村俊義(訳)

判型:四六判上製
頁数:412頁
定価:4000円+税
ISBN:978-4-8010-0349-1 C0010
装幀:宗利淳一
6月下旬発売!


「近代社会」の構造を揺さぶる〈模倣の能力〉を復活させ、〈第二の自然(セカンド・ネイチャー)〉を創造せよ!
 異なる文化が出遭う際に生じる化学反応について、ヴァルター・ベンヤミンの「模倣」に関する洞察にインスパイアされながら独自の方法で論じた、米国の人類学者タウシグの主著。舞台はコロンビアとの国境に面したダリエン。そこに居住するインディアンと遭遇したヨーロッパ人は、やがて「表象する」ものとされるものという関係から逸脱していく……。「模倣とは共鳴する魔術である」と記したタウシグは、「他者(模倣)」に映る「模倣(他者)」に自らの姿を見いだし、読者をその眩暈のなかへと誘う。

この本でタウシグは、(……)近代的思考に対する大胆で独創的な捉え直しを試みている。それは、近代化にともない模倣することの喜びを抑圧してきた人間が、模倣の能力を再び手にすることはできるのか、という問いかけである。「模倣の能力」とは、タウシグによれば「文化が第二の自然を作るために使う性質であり、コピーをし、真似をし、擬態を作り、違いを探索し、他者へと譲歩し、他者になる能力」である。この「第二の自然」とまで呼ばれる能力は、明確に区切られてきた「自然/文明」という二項対立に割り込むようにして広大な未知の世界を渉猟し、近代社会のなかで安定を保ってきた構造に揺さぶりをかける。――「訳者あとがき」より

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6月の新刊:夜と言葉と世界の果てへの旅――小池博史作品集

2018年 6月 25日

夜と言葉と世界の果てへの旅夜と言葉と世界の果てへの旅
小池博史作品集
小池博史(著)

判型:四六判上製
頁数:325頁
定価:2800円+税
ISBN:978-4-8010-0351-4 C0074
装幀:梅村昇史
6月下旬発売!

小池の舞台には、世界がどう変わろうとも人体は変わらない、という希望がある。その源がここにある。
――葛西薫(アートディレクター)

色彩とイマージュにあふれたことばの乱舞。
聲が羽根をつけて変幻自在に踊りだす。
小池舞台の魔術の秘法はここにあった!
――今福龍太(人類学者・批評家)


1982年の立ち上げから2012年の解散までの「パパ・タラフマラ」の30年間と、「小池博史ブリッジプロジェクト」での舞台作品制作のために書かれた各種テキスト、そのほか短い物語をまとめた作品集。〈台本〉という概念を超えた、言葉によるもうひとつ別のイマジナリーな空間表現。アーカイヴから厳選された15作品を収録。
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渋沢・クローデル賞受賞報告

2018年 6月 25日

小社より2018年3月に刊行された、鳥山定嗣『ヴァレリーの『旧詩帖』――初期詩篇の改変から詩的自伝へ』が、渋沢・クローデル賞奨励賞を受賞いたしました。著者の鳥山定嗣さん、おめでとうございます!
また、選考委員の皆様をはじめ、このたびの選考に関わられた皆様に感謝申し上げます。
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6月の新刊:テクストとイメージ――アンヌ=マリー・クリスタンへのオマージュ

2018年 6月 21日

書影テクストとイメージ
アンヌ=マリー・クリスタンへのオマージュ
マリアンヌ・シモン=及川(編)

判型:A5判上製
頁数:272頁
定価:4500円+税
ISBN:978-4-8010-0352-1 C0070
装幀:宗利淳一
6月30日頃発売!

テクストとイメージはいかなる創造を可能にするのか? ボードレールとマネ、ベーコンとレリスの結びつきに見られる〈作家と芸術家〉の関係(第Ⅰ部)、マンガや映画、そして美術館に見られる〈イメージと表象空間〉の関係(第Ⅱ部)、文字と図像、そして音に見られる〈記号と音〉の関係(第Ⅲ部)から、テクストとイメージの関係を明らかにする。この分野の嚆矢となった故アンヌ=マリー・クリスタンに捧げる論文集。
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6月の新刊:ハイチ女へのハレルヤ《フィクションの楽しみ》

2018年 6月 14日

書影_ハイチ女ハイチ女へのハレルヤ
《フィクションの楽しみ》
ルネ・ドゥペストル(著)
立花英裕・後藤美和子・中野茂(訳)

判型:四六判上製
頁数:230頁
定価:2800円+税
ISBN:978-4-8010-0339-2 C0097
装幀:宗利淳一
6月20日頃発売!


太陽のエロティスム
古くから伝わる《少女と魚の悲恋》の逸話をなぞるように絶世の美女の叔母に惹かれゆく少年を捉えた表題作をはじめ、規範と差別、偏見に苦悶するなかで邂逅するエロスを晴れやかに描く、現代ハイチ文学の傑作短編集。
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『デルフィーヌの友情』映画化記念イベントのお知らせ

2018年 6月 6日

風間賢二×滝本誠
「事実は小説より奇なり」?!――デルフィーヌ・ド・ヴィガン『デルフィーヌの友情』刊行記念&ロマン・ポランスキー監督『告白小説、その結末』公開記念イベント


小社より刊行中のデルフィーヌ・ド・ヴィガンの小説『デルフィーヌの友情』が、巨匠ロマン・ポランスキー監督の手によって映画化されました。オリヴィエ・アサイヤス監督が共同脚本を務め、『潜水服は蝶の夢を見る』『エッセンシャル・キリング』のエマニュエル・セニエ、『007/カジノ・ロワイヤル』『ミス・ペレグリンと奇妙なこどもたち』でおなじみのエヴァ・グリーンがふたりのヒロインを演じます。
映画は来る6月23日(土)より、ヒューマントラストシネマ有楽町をはじめ、『告白小説、その結末』と題して日本全国で公開されます。これを記念して、スティーヴン・キングや『ウォーキング・デッド』シリーズの翻訳でおなじみの風間賢二さんと、昨年、伝説の評論集『映画の乳首、絵画の腓』を装いを新たに刊行された滝本誠さんをお迎えして、本作の魅力を存分に語り合っていただきます!

日時:2018年6月22日(金)18:30開場 19:00開演
場所:MARUZEN&ジュンク堂書店渋谷店(東急百貨店本店7階)イベントスペース
入場料:1000円
定員:40名
受付:書店への予約が必要となります。詳細は以下のページをご覧ください。https://honto.jp/store/news/detail_041000026063.html?shgcd=HB300



当日の対談の様子が、以下のWEBマガジンで紹介されています。ぜひご覧ください。
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5月の新刊:アイルランドの創出――現代国家の文学

2018年 6月 5日

アイルランドの創出アイルランドの創出
現代国家の文学
デクラン・カイバード(著)
坂内太(訳)

判型:A5判上製  
定価:8000円+税
ISBN:978-4-8010-0345-3 C0098
装幀:齋藤久美子
5月25日発売!


アイルランドを創出したければ、まず最初にアイルランド人を作り出さねばならない。
植民地化、ジャガイモ飢饉、アイルランド語の衰退、文芸復興、イースター蜂起、異境流浪……。ジェイムズ・ジョイス、サミュエル・ベケット、オスカー・ワイルドそしてスウィフト、イェイツ、グレゴリー夫人、ボウエンらの作品を読み解き、アイルランドの成り立ち、あり方、その未来を歴史、政治、社会、宗教、文学、演劇など多角的に捉えた斬新な考察。
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