12月2022のアーカイヴ

12月の新刊:曲がった鋤《ブラジル現代文学コレクション》

2022年 12月 23日

書影_曲がった鋤曲がった鋤
《ブラジル現代文学コレクション》
イタマール・ヴィエイラ・ジュニオール(編)
武田千香+江口佳子(訳)

判型:四六判上製
頁数:322頁
定価:3000円+税
ISBN:978-4-8010-0684-3 C0397
装幀:宗利淳一
12月下旬発売!

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《キロンボーラ》の記憶と闘争
ブラジル独立200年!

20世紀後半、奴隷制が色濃く残るバイーア州奥地のアグア・ネグラ農場、この地で暮らすふたりの幼い姉妹は、祖母が隠しているナイフを見つけ、舌にあてがって……

言語の喪失、奴隷制の負の遺産、血に塗れたナイフ、すべてを知る精霊……現代のアフロ・ブラジル作家が描きだす《傷跡》の物語。

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12月の新刊:メモワール——ポール・ド・マンのために《言語の政治》

2022年 12月 23日

メモワール書影メモワール
ポール・ド・マンのために
《言語の政治》
ジャック・デリダ(著)
宮﨑裕助+小原拓磨+吉松覚(訳)

判型:A5判上製
頁数:344頁
定価:5000円+税
ISBN:978-4-8010-0656-0 C00010
装幀:装幀:中山銀士(協力:金子暁仁)
12月下旬頃発売!

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アメリカにおける脱構築とは何だったのか。
「アメリカにおける脱構築」の後見人ともいえる、盟友ポール・ド・マンの訃報に接したデリダが、喪の不可能性を思考しながら、ド・マンの記憶論に肉薄する、瞠目の講演集。

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12月の新刊:バルザックの『サラジーヌ』について――セミナーのための未刊のノート《記号学的実践叢書》

2022年 12月 23日

サラジーヌ書影バルザックの『サラジーヌ』について
セミナーのための未刊のノート
《記号学的実践叢書》
ロラン・バルト(著)
桑田光平・石川典子+金谷壮太+河野美奈子+佐藤園子+福井有人+村中由美子+森田俊吾(訳)

判型:A5判上製
頁数:423頁
定価:7000円+税
ISBN:978-4-8010-0490-0 C0098
装幀:中山銀士(協力:杉山健慈)
12月下旬頃発売!

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テクストの多義的な複数性を求めて
大学の官僚主義や順応主義を逃れ、フランス思想に大きな影響を与えてきた、コスモポリタン的な教育機関である高等研究実習院で、1968年から1969年の2年間にわたって開講された「サラジーヌ」に関するセミナーの記録。
68年の歴史的な出来事が排除された書物とは違い、それにより道筋が変えられ、影響が垣間見られるセミナーでは、バルトが展開した知的な作業の概観をそっくり見ることができ、バルトの創造の舞台裏が、講義から書物へ、口述から筆記への移行だけでなく、草稿からテクストへの変容の道筋が明らかとなる。

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12月の新刊:バルトの愚かさ《記号学的実践叢書》

2022年 12月 23日

バルトの愚かさ書影バルトの愚かさ
《記号学的実践叢書》
クロード・コスト(著)
桑田光平+栗脇永翔+中村彩訳(訳)

判型:A5判上製
頁数:307頁
定価:4000円+税
ISBN:978-4-8010-0560-0 0098
装幀:中山銀士(協力:杉山健慈)
12月下旬頃発売!

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すべての愚かさは、主体に関するある二重の機能不全と結びついた緊張関係にある。「私」が「自己」でないときにいつも、「私」は愚かであり、「私」が「自己」であることを信じているときにも、「私」は愚かである……
バルトは知性の欠如を指摘されたのだろうか? バルトは悲劇の主人公のように、知の思い上がりの報いを受けたオイディプスのように、自らの傲慢の報いを受けたのだろうか? この問いに対する、可能な限り変化に富んだ解答を提示する。
フランス文学史において古くから取り上げられてきた「愚かさ」というテーマをめぐり、政治や旅や文学、そしてテクストなどの多岐にわたる方面から、バルトにおける、バルトのいう、そしてバルト自身の「愚かさ」に迫る!

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12月の新刊:コンテンツツーリズムと文化遺産《大手前大学比較文化研究叢書18》

2022年 12月 20日

コンテンツツーリズムと文化遺産コンテンツツーリズムと文化遺産
《大手前大学比較文化研究叢書18》
石毛弓+谷村要(編)

判型:A5判上製
頁数:272頁+カラー別丁4頁
定価:2800円+税
ISBN:978-4-8010-0690-4 C0376
装幀:宗利淳一
12月下旬発売!

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コンテンツツーリズムの潜在力
映画、アニメ、小説などの「コンテンツ」の舞台を旅して体験することを目的とする観光=「コンテンツツーリズム」。
近年ますます隆盛をみせるこの種の観光は、過疎化する地方コミュニティの活性化や、地域・国境を超えたヒトとモノの交流を生み出しうるのか?
ポップ・カルチャーが共同体の記憶や文化の継承を支えることとなった全国各地の多様な事例を報告するとともに、今後の「コンテンツツーリズム」研究の展望を描きだす。

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12月の新刊:絵葉書II《言語の政治》

2022年 12月 19日

絵葉書II_書影絵葉書II
叢書《言語の政治》
ジャック・デリダ(著)
若森栄樹+大西雅一郎(訳)

判型:A5判上製
頁数:355頁
定価:5000円+税
ISBN:978-4-8010-0691-1 C0010
装幀:中山銀士(協力:金子暁仁)
12月下旬頃発売!

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デリダによるフロイト・ラカン論
フロイト『快原理の彼岸』の未曾有の読解を提示し、ラカンの『盗まれた手紙』読解における「真理」概念を徹底的に批判して、精神分析における郵便的転移の可能性を、ルネ・マジョールとの対話形式で探る画期的な書。明解な日本語による待望の翻訳。

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12月の新刊:絵本で読みとくSDGs

2022年 12月 14日

絵本_書影絵本で読みとくSDGs
中川素子+浅野由子(編)

判型:A5判上製
頁数:225頁
定価:2800円+税
ISBN:978-4-8010-0689-8 C0095
装幀:佐藤博一+曾子安
12月下旬発売!

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わたしたちは、地球を救うチャンスを与えられた最後の世代になるかもしれません

今を生きるわたしたちが、未来を生きる子どもたちにかけがえのない地球を残すためにできることは何だろうか。絵本研究、文学研究、美術、デザインなど多角的な視点から、絵本を通してSDGSを読みとき、子どもから大人までともに「17の達成目標」について考え、それを実行していくためのヒントを探る。

巻末にはSDGsと関連する118冊の絵本リストあり。

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12月の新刊:私たちは幸運だったーーあるユダヤ人家族の離散と再会の物語

2022年 12月 14日

私たち_書影私たちは幸運だった
あるユダヤ人家族の離散と再会の物語
ジョージア・ハンター(著)
墨かおり(訳)

判型:四六判上製
頁数:370頁
定価:3500円+税
ISBN:978-4-8010-0671-3 C0097
装幀:齋藤久美子
12月下旬発売!

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歴史は繰り返す!
1939年、ドイツがポーランドに侵攻。第二次大戦下、ラドムに暮らすユダヤ人一家の人びとは徴兵され、難民になり、またシベリアの強制収容所に送られ、散り散りに。彼らがユーラシア、アフリカ、アメリカ、ブラジルと様々な経路で戦火を逃れ、戦後に再会を果たすまでの逃避行を描く、ノンフィクション・ノベル。
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12月の新刊:四月はいちばん残酷な月——T.S.エリオット『荒地』発表100周年記念論集

2022年 12月 13日

四月_書影四月はいちばん残酷な月
T.S.エリオット『荒地』発表100周年記念論集
佐藤亨+平野順雄+松本真治(編)

判型:A5判上製
頁数:452頁
定価:6000円+税
ISBN:978-4-8010-0687-4 C0098
装幀:滝澤和子
12月中旬頃発売!

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現代詩の金字塔『荒地』から一世紀。
エリオットについて、知れば知るほどいいことだ。
ーエズラ・パウンドー

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12月の新刊:監査文化の人類学――アカウンタビリティ、倫理、学術界《人類学の転回》

2022年 12月 12日

監査文化の人類学_書影監査文化の人類学
アカウンタビリティ、倫理、学術界
《人類学の転回》

マリリン・ストラザーン(編)
丹羽充+谷憲一+上村淳志+坂田敦志(訳)

判型:四六判上製
頁数:440頁
定価:5000円+税
ISBN:978-4-8010-0694-2 C0010
装幀:宗利淳一
12月下旬発売!

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人類学者たちが直面するブルシット・ジョブ?!

《説明責任を果たせ!》、《それは何の役に立つのか?》――私たちの日常に忍び込んできた「監査文化」。
市場原理と結びついた生産性の追求とペーパーワークの増大によって、社会はどのように変容したのか? 新自由主義に基づく大学再編成の波を背景に、雑務に忙殺される人類学者たちがみずからの職場を描きだす!

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12月の新刊:ホワイトノイズ《フィクションの楽しみ》

2022年 12月 8日

ブログ_ホワイトノイズホワイトノイズ
《フィクションの楽しみ》
ドン・デリーロ(著)
都甲幸治+日吉信貴(訳)

判型:四六判上製
頁数:337頁
定価:3000円+税
ISBN:978-4-8010-0681-2 C0097
装幀:宗利淳一
12月下旬発売!

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知れば知るほど、死は育っていく。

甚大な空中汚染事故、消費社会の猛威、情報メディアの氾濫、オカルトの蔓延、謎の新薬〈ダイラー〉の魔手、いびつな家族関係、愛の失墜、そして、来るべき《死》に対する底なしの恐怖……。
日常を引き裂くこの混沌を、不安を、哀切を、はたして人々は乗り越えられるのか?
現代アメリカ文学の鬼才ドン・デリーロの代表作にして問題作、そして今なお人間の実存を穿つポストモダン文学随一の傑作が、より深く胸を打つ魅力的な〈新訳〉として装いも新たに登場!

***

ついに映画化!!
2022年12月、全国劇場&Netflixにて公開!
監督:ノア・バームバック/主演:アダム・ドライバー

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12月の新刊:モートン・フェルドマン――〈抽象的な音〉の冒険《水声文庫》

2022年 12月 5日

モートン・フェルドマン書影モートン・フェルドマン
〈抽象的な音〉の冒険
《水声文庫》
高橋智子(著)

判型:四六判上製
頁数:356頁
定価:3800円+税
ISBN:978-4-8010-0692-8 C0073
装幀:宗利淳一
12月下旬頃発売!

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《彼は作曲家の責任をつくることから受け入れることへと変えた。》(ジョン・ケージ)
〈沈黙〉を超えて〈静寂〉へ――
図形楽譜の発明者にして、演奏時間4時間を超える長大な楽曲を書いた作曲家、ニューヨーク・スクールの中心人物にしてベケットやロスコとも協働したモートン・フェルドマンとは何者だったのか。
同時代の作曲家や抽象表現主義の画家たちとの交流を通じて、変転するその全貌を描き出す。ケージと並ぶ現代音楽の最重要人物、待望のモノグラフ!

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12月の新刊:鼓直句集

2022年 12月 5日

鼓句集書影鼓直句集

判型:四六判上製
頁数:131頁
定価:2500円+税
ISBN:978-4-8010-0678-2 C0092
装幀:間村俊一
12月中旬頃発売!

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無私の人の、ただごと歌。

ひっそりと猫の横切る花吹雪
字あまりをもてあましつつ春の床
子の耳も声とらえたる雲雀かな
その角を折れて消えたる秋の風
籠の中割れひとつあり寒卵

《ボルヘスほかラテン・アメリカ詩人は声を貸してみごとに存在感ある日本語を成立させつつ、私かに淡い俳句を書き残していた。それが五七五律俳句のかたちで残った。その事実に素直に感動する。 ――高橋睦郎》

ボルヘス、ガルシア=マルケスをはじめ、ラテンアメリカ文学の翻訳で知られる氏の俳句を集成。

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12月の新刊:フロベールと〈ジェンダー〉——クィアな家族から「新しい女」へ

2022年 12月 5日

フロベールとジェンダー_書影フロベールと〈ジェンダー〉
クィアな家族から「新しい女」へ
ジャンヌ・ベム(著)
柏木加代子(訳)

判型:四六判上製
頁数:313頁
定価:3500円+税
ISBN:978-4-8010-00676-8 C0098
装幀:滝澤和子
12月中旬頃発売!

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フロベール、その女たち、その書物。
フロベールの文体から生みだされた女性像にはジェンダー問題が投影されていた…… 愛人たちと交わした書簡を読み解きながら、社会規範を逸脱していくエクリチュールの潜勢力を見極める。

《著者はフロベールの人生を通して、その思考、女友達、愛人の選択など、書簡を通して聞こえてくる心の軌跡を懇切にたどり、そこから時には「クィア」な人物と形容したくなるような人間フロベールを浮かび上がらせる》(「訳者あとがき」より)

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12月の新刊:ガリレオ書簡集——天文学的発見から聖書解釈まで《イタリアルネサンス文学・哲学コレクション⑤》

2022年 12月 5日

ガリレオ・書影ガリレオ書簡集
天文学的発見から聖書解釈まで
《イタリアルネサンス文学・哲学コレクション⑤》
ガリレオ・ガリレイ(著)
小林満(訳)

判型:A5判上製
頁数:246頁
定価:3500円+税
ISBN:978-4-8010-0405-4 C0344
装幀:西山孝司
12月中旬発売!

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〈近代科学の祖〉の肉声
数々の科学史上の偉業を達成するも宗教裁判で弾圧された科学者は、いかなる交友関係を結び、いかなる研究活動を送っていたのか。
木星の衛星や太陽黒点をはじめとする天文学的新発見の熱を帯びた報告にはじまり、地動説の反対勢力に対抗して展開した、科学的真理と聖書解釈の関係の捉え直しをはかる革新的議論まで、ガリレオの知的活動の軌跡を立体的に浮かび上がらせる書簡を選び収録。詳細な訳注と略年譜を付す。

《〔……〕太陽が自然の最大の執行者として、そしてある意味で世界のアニマとして心臓として、太陽を取り囲む他の天体に光を与えるだけでなく、自転することによって運動をも与えていると言っても、しっかりした哲学的考察からかけ離れてはいないだろうと思うのです。ですから、動物の心臓の動きが止まれば、その諸器官の他のすべての動きが止まってしまうであろうのと同様に、太陽の回転が止まれば、すべての惑星の回転が停止してしまうでしょう。》

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