2月2011のアーカイヴ

3月の新刊:『ジーン・セバーグ』

2011年 2月 25日

なぜ、女優は「自殺」しなければならなかったのか?

けっして代表作に恵まれてはいないにもかかわらず、
いまなお不思議な魅力を放ちつづける女優、ジーン・セバーグ(1938-79)。
その日本では初めてとなる本格的な評伝がついに刊行になります。

seberg_coverギャリー・マッギー 石崎一樹訳

ジーン・セバーグ

四六版並製/2段組452ページ/定価3500円+税
ISBN 978-4-89176-820-1 3月3日頃発売/予約受付中



JFK、ド・ゴール、アンドレ・マルローといった米仏の大物政治家から、
トリュフォー、イーストウッド、ロジェ・グルニエ、ピート・ハミルをはじめとする
同時代人たちを魅了。『悲しみよこんにちは』(’58)の「セシルカット」では
鮮烈なファッションリーダーとして脚光を浴び、ゴダール監督のデビュー作
『勝手にしやがれ』(’59)では「ヌーヴェルヴァーグのイコン」として、
その評価を決定的なものとしました。

seberg_blog02しかし、そんな彼女の栄光を暗転させたのは、
FBI(アメリカ連邦捜査局)の謀略でした。
自分の信念から黒人解放運動にかかわったことを
スキャンダルとして報じられ、さらに愛娘を失った彼女は、
以後、暗黒の日々を送ることになります。
そして40歳の若さで「自殺」――。
1940年に生まれ、「アメリカ」と闘いつつ80年に亡くなった
ジョン・レノンとまったくの同時代人だといえるでしょう。

本書は、そんなジーン・セバーグの短い生涯を、膨大な資料と関係者への
綿密な取材であきらかにした決定版評伝です。60点あまりの
プライヴェート写真も収録。映画ファンはもちろん、さまざまな現場で
さまざまに格闘中の、すべてのかたに読んでいただきたい1冊です。ぜひ!

 

2月の新刊:『スピノザと政治』

2011年 2月 18日

spinoza1エティエンヌ・バリバール/水嶋一憲 訳

スピノザと政治

A5判上製/288頁/定価4000円+税
ISBN978-4-89176-802-7 C0010 2月25日頃発売


スピノザ vs バリバール!
バリバールの主著、待望の邦訳刊行!



いまなお謎めいた存在である17世紀オランダの哲学者にして、
ついには《同時代人たちが争っていた雑種の問い——信仰と理性、
絶対主義と社会契約、等々——を徹底的に転位させる》に至った、
その政治=哲学を、マルクスとの《相補的交換性》をも視野に入れながら、
ネグリ以降の新たな視点で読み解く。

 

2月の新刊:『社会改革案』

2011年 2月 18日

steinerルドルフ・シュタイナー/西川隆範 訳

社会改革案

四六判上製/256頁/定価2500円+税
ISBN978-4-89176-823-2 C0014 2月25日頃発売


混迷する現代社会を解決する糸口となる、
20世紀最大の思想家の
エッセンス。


勃興する労働運動と迫り来る《世界大戦》の危機を前にして、
社会問題・労働問題の根本的な解決を目論んだシュタイナーによる、
《社会有機体3文節化》についてヨーロッパ各地で行なった
貴重な4講演を収録する。

《健全な社会有機体の実現か、革命ないしは
社会の激変・転覆か。第三の可能性は存在しない——


 

2月の新刊:『私の作家評伝 小島信夫批評集成 第3巻』

2011年 2月 18日

先鋭な批評として、明治大正、そして戦前の昭和という
三代にわたる日本近代文学にジェンダー転覆の兆しを探って行く。
……本書の驚くべき批評的達成がそのことにあることを見逃すことはできない。
——千石英世




夏目漱石,島崎藤村,泉鏡花など,近代日本の文豪たちに触れて,
小島信夫の精神が踊り始める。
平凡なエピソードから《事件》までを綿密に読み解くことで,
時代のベールが少しずつはがれていく……。作家評伝の決定版。

kojimanobuo_3_cover『私の作家評伝 小島信夫批評集成 第3巻』

A5判上製580頁/定価7000円+税
ISBN978-4-89176-813-3  C0395 2月25日頃発売!

解説=千石英世
月報=川村湊、近藤耕人、平井杏子、中西裕

*全巻予約受付中

 

2月の新刊:『プルースト的絵画空間――ラスキンの美学の向こうに』

2011年 2月 17日

proust_cover真屋和子

プルースト的絵画空間 ラスキンの美学の向こうに

A5判上製/440頁/定価6500円+税
ISBN978-4-89176-822-5 C0098 2月25日頃発売

エルスチールのモデルは、ターナーだった。




これまで、モネなど印象派の画家をモデルとしている、
と考えられてきた『失われた時を求めて』の登場人物エルスチール。
プルーストに多大な影響を与えたイギリスの批評家ジョン・ラスキンの思想や、
同時代のさまざまな画家たちの作品とも比較しながら、
エルスチール=ターナーという新たな説を呈示し、
プルーストの芸術観・文学観を浮き彫りにする。

ターナーから
ホイッスラー
バーン=ジョーンズ
アングル
モロー
マネまで


図版多数収録!