2月2018のアーカイヴ

シンポジウム「クロード・カーンとその時代」開催

2018年 2月 28日

シンポジウム「クロード・カーンとその時代」開催のお知らせ

日時:2018年3月10日(土)13時~17時
会場:アンスティテュ・フランセ関西ー京都稲畑ホール
主催:関西シュルレアリスム研究会
* 「関西シュルレアリスム研究会」のウェブサイトをあわせてご覧ください。

1980年代後半に再発見され一躍脚光を浴びた、写真家・作家・思想家クロード・カーアンについてのシンポジウムが開催されます。小社から『クロード・カーアン 鏡のなかのあなた』(《シュルレアリスムの25時》、2010)を刊行された永井敦子先生をはじめ、フランス本国の研究者や映像作家を交えた発表が予定されており、写真・著作・演劇をとおしてジェンダーの規範をゆるがすこの特異な人物が、どのように1920年代のパリを生きたのかを知る絶好の機会です。ご関心をお持ちの方は、ぜひ足をお運びください。
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3月の新刊:メイド・イン・ソビエト――20世紀ロシアの生活図鑑

2018年 2月 27日

メイド・イン・ソビエトメイド・イン・ソビエト
20世紀ロシアの生活図鑑
マリーナ・コレヴァ+タチヤナ・イヴァシコヴァ他(著)
神長英輔+大野斉子(訳)

判型:46判並製
頁数:252頁
定価:2500円+税
ISBN:978-4-8010-322-4 C0030
装幀:宗利淳一

共産主義国家の奇妙な日常
レトロかつ未来的なデザインの電化製品、不便な暮らしの中で発案された独特な日用品……1920年代から80年代まで、ソビエト連邦の歴史の変遷を刻んだ生活雑貨、人気商品、党の行事に関する知られざるエピソード、にやりとするアネクドートの数々を紹介し、ソ連崩壊とともに消失した、今やロシア人にとっても懐かしい世界の日常風景を豊富な図版とともに追想する。
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3月の新刊:自叙の迷宮――近代ロシア文化における自伝的言説

2018年 2月 27日

自叙の迷宮自叙の迷宮
近代ロシア文化における自伝的言説
中村唯史+大平陽一(編)
三浦清美+奈倉有里+武田昭文+梅津紀雄(著)

判型:A5判上製
頁数:288頁
定価:4000円+税
ISBN:978-4-8010-321-7 C0098
装幀:西山孝司


自伝、自伝的小説、回想、日記、手紙。過去の出来事を現在の表象によって書き換え、再構成する〈自叙〉のなかに、〈事実〉はどこまで残されているのか?
ロシア文化における自叙はロマン主義の時代に興隆し、続くリアリズムの時代には減退した。しかし19世紀末、いわゆる「銀の時代」の始まりとともに、再び事実性への志向が強まり、創作の手法としての自叙や、作家の伝記への関心が高まりを見せるようになる。
現在と過去の錯綜の中に生起し、虚実入り混じる多様な〈自叙〉の実相を、革命前後の時代を中心とする近代ロシア文化の中に追う。
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2月の新刊:ジャン=クロード・シルベルマン――フィギュールの危険な誘惑《シュルレアリスムの25時》第2期

2018年 2月 26日

書影 シルベルマンジャン=クロード・シルベルマン
フィギュールの危険な誘惑
《シュルレアリスムの25時》第2期
齊藤哲也(著)

判型:四六判上製
頁数:283頁
定価:3200円+税
ISBN:978-4-8010-0303-3 C0398
装幀:宗利淳一
2月28日発売!


フィギュールはキャンバスから飛び立ち、謎めいた言葉を囁く。
50-60年代のパリ・グループの一翼を担い、ブルトンの死、五月革命そしてグループ解体を経て、いまもなお〈シュルレアリスト〉であるジャン=クロード・シルベルマン。タブローを切り抜いて「看板」を作り、デッサンに詩をつけて「絵本」を書く画家・詩人の生き様を通して、シュルレアリスムの〈現在〉を捉える!
《ひとりの人間の生にここまで深く介入し、そのあり様を決定的に変えてしまう「シュルレアリスム」なるものとはいったい何か。いや「何か」とはけっして問わないでおこう。本書で語りたいのは、このいわく語りがたい何ものかに、亡霊のようにとり憑かれてしまったひとりのおとこの物語である。》(序章より)
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2月の新刊:『北回帰線』物語――パリのヘンリー・ミラーとその仲間たち

2018年 2月 26日

北回帰線『北回帰線』物語
パリのヘンリー・ミラーとその仲間たち
本田康典(著)

判型:四六判上製  
頁数:486頁
定価:4500円+税
ISBN:978-4-8010-0316-3 C0098
装幀:齋藤久美子
2月25日発売!


1930年代、パリ。ヘンリー・ミラーの苦闘の日々を追う。
『北回帰線』誕生にまつわるエピソードをブラッサイ、ルイス・ブニュエル、エズラ・パウンド、バーニー・ロセットらとの交友を軸に、アメリカでの発禁本がいかに世界的なベストセラーとなっていったかを縦横に綴る〈書物〉の伝記。
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2月の新刊:惑星のハウスダスト

2018年 2月 14日

ハウスダスト書影
惑星のハウスダスト

福田拓也(著)

判型:A5判変型上製
頁数:79頁
定価:2500円+税
ISBN:978−4−8010−0326−2 C0092
装幀:宗利淳一
2月28日頃発売!


第32回現代詩手帖賞を受賞した詩人であり、文芸批評家でもある著者による第7詩集。自動記述的な散文詩作品。

ぼくはぼくとして入りそびれの沼地、裏返された旧相模川橋脚、脚なずみ空飛ぶ白鳥の空白、失神の浜辺に横たわる骸を食んだ永遠の白い歯の星空までめまいの螺旋がゆっくりと、あるいは急速に、ちりぢりになった空を食べながらぼく、宇宙の青くなった肉のつぶつぶ、惑星の塵埃(ハウスダスト)!

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2月の新刊:意味と脱–意味

2018年 2月 8日

意味と脱意味
意味と脱–意味
ソシュール、現代哲学、そして……
中田光雄(著)

判型:A5判上製
頁数:288頁
定価:4000円+税
ISBN:978-4-8010-0324-8 C0010
装幀:齋藤久美子
2月25日発売!


意味はいかにして可能となるか?
哲学は「真理」の探究だが、20世紀哲学は、人文・文化・歴史科学とともに、「真理」に先立つ「意味」の次元を開闢した。ソシュール(「言語」)とハイデガー(「真理」)の間から広がり、フランス20世紀思想史の中軸を貫き、これからのグローバル・デモクラシーの普遍的媒介項となる「意味」の地平。すでに始まっている「意味」批判の思惟をも包摂しつつ、この「第四の地平」の開削に着手する。
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水声社公式ツイッターアカウント オープン!

2018年 2月 8日

ツイッターをはじめました。
新刊情報、イベント情報などを発信していきます。
よろしくお願いいたします。
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2月の新刊:夜のみだらな鳥《フィクションのエル・ドラード》

2018年 2月 6日

夜のみだらな鳥夜のみだらな鳥
《フィクションのエル・ドラード》
ホセ・ドノソ(著)
鼓直(訳)

判型:四六判上製
頁数:586頁
定価:3500円+税
ISBN:978-4-8010-0267-8 C0397
装幀:宗利淳一
2月26日頃発売!

これは傑作である。狂暴な雰囲気、執拗きわまりない反復、作中人物の変身、純粋にシュルレアリスム的な物語構造、不合理な観念連合、限りなく自由な想像力、美醜の原則の侮辱的な無視に、度肝を抜かれてしまった。

――ルイス・ブニュエル


望まれない畸形児《ボーイ》の養育を託された名家の秘書ウンベルトは、宿痾の胃病で病み衰え、使用人たちが余生を過ごす修道院へと送られる。尼僧、老婆、そして孤児たちとともに暮しながら、ウンベルトは聾啞の《ムディート》の仮面をつけ、悪夢のような自身の伝記を語り始める……。
延々と続く独白のなかで人格は崩壊し、自己と他者、現実と妄想、歴史と神話、論理と非論理の対立が混じり合う語りの奔流となる。『百年の孤独』と双璧をなすラテンアメリカ文学の最高傑作。
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マリオ・バルガス・ジョサ『マイタの物語』刊行記念イベントのお知らせ

2018年 2月 2日

寺尾隆吉×山形浩生
マリオ・バルガス・ジョサ『マイタの物語』刊行記念イベント
〜ノーベル賞作家が描くトロツキー〜

日時:2018年2月9日(金)
場所:本屋B&B 東京都世田谷区北沢2-5-2 ビッグベンB1F
開場:20:00~22:00 (19:30開場)
参加費:1,500円+1 drink 500

※参加をご希望の方は、本屋B&Bのウェブサイト(http://bookandbeer.com/event/20180209_historia-de-mayta/)をご覧ください。

ノーベル賞作家マリオ・バルガス・ジョサによる『マイタの物語』(寺尾隆吉訳)が1月に刊行されました。本作は、1958年にトロツキーを信奉する若者がペルーで実際に起こした反乱を題材に、作家が事件の真相を知る者たちにインタビューして小説を書くという、一種のメタ・フィクションとなっております。
本書が刊行された当時は、「イデオロギー色の強い作品」と評された作品ですが、この作品から読み取れるものはもっと深いのではないでしょうか。なぜ、ペルーでトロツキーを信奉する若者が反乱を起こしたのか? なぜ作家は三面記事のようなこの反乱を題材にしたのでしょうか?
今回のイベントでは、訳者寺尾隆吉氏と、トロツキーの伝記を翻訳し、自身もラテンアメリカ文学の読者である山形浩生氏をお迎えして、本作の魅力を語っていただきます。
トロツキーとラテンアメリカの意外な結びつきを知る絶好の機会です。ぜひ足をお運び下さい。
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