10月2011のアーカイヴ

10月の新刊:『サド全集第6巻 恋の罪、壮烈悲惨物語』

2011年 10月 25日

無削除/完訳でお届けする唯一無二のサド全集、
しばしの沈黙を破って、ついに配本……!


e382b5e38389e291a5私市保彦・橋本到訳

恋の罪、壮烈悲惨物語/サド全集第6巻

A5判上製・美麗箱入649頁/定価8000円+税
ISBN 978-4-89176-879-9 C0397 好評発売中!
*店頭で見当たらない場合はご注文ください。


恋の駆け引き、欲情、邪恋、嫉妬
近親相姦、多重相姦、姦通、凌辱
さらには政略結婚、野心と裏切り、策略……


美徳と悪徳の限りない対立が生み出す、
11の短編による凄絶なピカレスク絵巻、ありとあらゆる欲望の変奏曲。


完訳版サド全集(全11巻)既刊3冊、好評発売中

8 『アリーヌとヴァルクールあるいは哲学的物語』(上)原好男訳、定価4500円+税
9 『アリーヌとヴァルクールあるいは哲学的物語』(下)原好男訳、定価5500円+税
10
ガンジュ侯爵夫人』橋本到訳、定価3500円+税

 

10月の新刊『アメリカに響くパレスチナの声』

2011年 10月 25日

e382a2e383a1e383aae382abe38391e383ace382b9e38381e3838a_cover小泉純一著

アメリカに響くパレスチナの声

A5判上製257頁/定価3800円+税
ISBN 978-4-89176-851-5 C0098 10月25日頃発売



《全ての美しい詩は抵抗の行為である》——本文より

故郷を失った痛みに対して文学は何ができるのか。
——アメリカに生きるパレスチナ系の詩人ネオミ・シーハブ・ナイ、ダルウィーシュ、
そして文学者のサイードらがみた〈9・11〉、混迷の中東/アメリカ、
そこに生きる民衆・子どもたちの日々、死、そして希望。


目次

第1章 詩人ネオミ・シーハブ・ナイの素敵なところ
第2章 引き継がれるパレスチナの声と精神/ダルウィーシュ、サイード、ナイが作る星座
第3章 パレスチナとアメリカの中間地帯を歩く
第4章 〈9・11〉がナイに与えた声
第5章 ナイの政治的な詩
第6章 反対意見が存在する社会をつくるスヘール・ハマッド
付録  アラブ系アメリカ詩人、ネオミ・シーハブ・ナイから、自称テロリストたちへの手紙

 

書評:『プルースト的絵画空間――ラスキンの美学の向こうに』

2011年 10月 19日

今年の2月に刊行されました『プルースト的絵画空間』が書評で取り上げられました!
各媒体の皆様、どうもありがとうございます。

proust_cover真屋和子

プルースト的絵画空間 ラスキンの美学の向こうに

A5判上製/440頁/定価6500円+税
ISBN978-4-89176-822-5 C0098 好評発売中!


エルスチールのモデルは、ターナーだった。

これまで、モネなど印象派の画家をモデルとしている、
と考えられてきた『失われた時を求めて』の登場人物エルスチール。
プルーストに多大な影響を与えたイギリスの批評家ジョン・ラスキンの思想や、
同時代のさまざまな画家たちの作品とも比較しながら、
エルスチール=ターナーという新たな説を呈示し、
プルーストの芸術観・文学観を浮き彫りにする。

ターナーから
ホイッスラー
バーン=ジョーンズ
アングル
モロー
マネまで


図版多数収録!



2011年7月号『ふらんす』
小黒昌文氏

本書は、〔プルーストの小説美学の本質の〕核心へと通じる道筋を彩り豊かに照らし出してくれる。〔……〕専門家のみならず、ひろく一般の読者にとってに刺激的であるに違いない。

2011年7月30日付『図書新聞』
中野知律氏

プルーストのヴィジョンと同質の、真に感応しうる精神にのみ許された接近と深い理解を感じさせる、実証的プルースト論の最良の範。〔……〕こんなに美しい学術書に出会えた悦びを伝えずにはいられない。

2011年9月号『cahier 8』(日本フランス語フランス文学会)
湯沢英彦氏

〔本書は〕プルーストの文章の細部に織り込まれたラスキンの声を聞き分けることに向けられている。そこから立ち上がるのは、これまでになく深く豊かに響くプルーストとラスキンの二重奏である。

2011年10月1日発行『ラスキン文庫たより 第62号』
野崎歓氏

学問的な厳密さが、文学の喜びをいささかも傷つけず、論述の端々にまで、感覚の愉悦がみなぎっているところに、本書の最大の魅力がある。〔……〕本書は文学の神秘がいかに豊穣なものかを体験させてくれる。

◎ラスキン文庫たよりさんと野崎歓氏のご好意で、全文掲載させていただきました。ご協力、どうもありがとうございます。

*クリックで拡大します


 

10月の新刊:『聖グラングラン祭』

2011年 10月 19日

rqefbc8fe88196e382b0e383a9e383b3e382b0e383a9e383b3e7a5ad_coverレーモン・クノー・コレクション8

聖グラングラン祭

渡邊一民訳
4/6判上製312頁/定価2800円+税
ISBN978-4-89176-868-3  C0397  10月28日頃配本!


雲追い石に守られた都の謎

決して雨のふらない〈ふるさとの都〉では、圧倒的な権力を誇る市長ナボニードのもと、
恒例の奇祭<聖グラングラン祭>が行われる。
一方、三人の息子たちによって、父のある陰謀が明かされようとしていた……。
ジョルジュ・バタイユが「神話的な並外れた小説」と驚嘆した、
ジョイスの手法を応用したクノー中期の代表作。
作家が16年の年月をかけて完成させた神話的作品の改訳決定版!

*第1回配本の2冊、
『地下鉄のザジ』『サリー・マーラ全集』も絶賛発売中!


*日本ウリポ史に残る特典付き! 全巻ご購読の予約もお早めに
以上、くわしくはこちら→

 

10月の新刊:『日本原発小説集』

2011年 10月 12日

e58e9fe799bae5b08fe8aaace99b86_cover井上光晴/清水義範/豊田有恒/野坂昭如/平石貴樹 著
柿谷浩一 編

日本原発小説集

四六判並製256ページ/定価1800円+税
ISBN978-4-89176-852-2  C0093  10月24日頃発売!


戦後文学はどのように《原発》を描いたか?

いま、もっともアクチュアルなアンソロジー、ついに刊行!



豊かな未来を実現する夢の技術か?


あるいは

人類の滅亡を促進する絶望装置か?

推進/反対の立場を超えて集成された、
日本初の原発文学アンソロジー。珠玉の5篇を収録。

【収録作品】
井上光晴「西海原子力発電所」
清水義範「放射能がいっぱい」
豊田有恒「隣りの風車」
野坂昭如「乱離骨灰鬼胎草」
平石貴樹「虹のカマクーラ」

解説「原発小説論序説」川村湊

 

10月の新刊:『フランス・プロレタリア文学史』

2011年 10月 11日

e38395e383a9e383b3e382b9e38397e383ade383ace382bfe383aae382a2_coverミシェル・ラゴン/髙橋治男訳

フランス・プロレタリア文学史  民衆文学の表現

A5判上製565ページ+別丁図版24ページ/定価8000円+税
ISBN978-4-89176-842-3  C0098  10月14日頃発売
*店頭で見当たらない場合はご注文ください。

魂の重みをもったこれらの無二の証言が、
フランス文学史の欠落を埋める――。


《プロレタリア文学》とは、イデオローグや
インテリ作家たちのものではなかった――。
農民、炭坑夫をはじめとする、無名にして優れた
労働者=民衆による表現を、豊富な一次資料と
引用によって掘り起こし、フランス文学の伝統に
まざまざと刻印する大著。貴重な図版多数収録。


著者:ミシェル・ラゴン(Michel Ragon)
1924年生まれのフランスの作家、美術批評家。
『抽象芸術の冒険』(吉川逸治・高階秀爾訳、1957年)、
『ロマン・ド・ラブレー』(榊原晃三訳、1994年)など邦訳も数多い。

 

10月、12月の書店イベント

2011年 10月 4日

すでにご存知のかたもいらっしゃるかもしれませんが、
10月と12月に、それぞれ書店イベントを予定しております。

まず、10月20日に、7月に刊行された中村邦生さんの小説、
『転落譚』刊行記念の朗読イベントを行ないます。

つづく12月8日には、近刊予定の波戸岡景太さんの
『コンテンツ批評に未来はあるか』をめぐる、
トークセッションを予定しています。

いずれも会場はジュンク堂書店池袋店です。ふるってご参加ください。

会場……ジュンク堂書店池袋本店 4階喫茶にて。入場料1,000円(ドリンク付)
定員……40名
受付……1階サービスカウンターにて。電話予約承ります。
TEL. 03-5956-6111/ FAX.03-5956-6100

http://www.junkudo.co.jp/tenpo/evtalk.html#20111020ikebukuro

『転落譚』刊行記念イベント

もし登場人物が本から外へ落ちたら?――トークと朗読による『転落譚』

中村 邦生(作家・大東文化大学教授)× 小森 創介(劇団「円」俳優・声優)

2011年10月20日(木)19:30~

―― 〈私〉はある小説から外に滑り落ちた登場人物。
〈私〉は誰なのか、戻るべき本はどこにあるのか、
それとも永遠にさまよう運命にあるのか?
中村邦生が自作を自註しつつ、小森創介の朗読によって
新たな「声のテキスト」へ変換していく試み。
『転落譚』を1時間で簡約体験する声のパフォーマンス。

中村邦生(なかむら・くにお)作家、英米文学者、大東文化大学教授

小森創介(こもり・そうすけ)声優、俳優



波戸岡 景太『コンテンツ批評に未来はあるか』(水声社)刊行記念


コンテンツ批評とはなにか?

波戸岡 景太(アメリカ文学者)× 大澤 真幸(社会学者)

2011年12月8日(木)19:30~

「コンテンツ」は、デジタル化が進行する現在のメディア状況のなかで、
おそらくもっとも流布しているキータームです。
これは、映像であれ楽曲であれテキストであれ、その作り手と受け手との
あいだをとりもつメディアが発達し、多様化した結果、
逆説的に売り買いされることになった作品の、「中身」「実質」「意味」を
あらわす言葉ですが、では、その「コンテンツ」を「批評する」とは、
具体的にどういうことでしょうか?
今回は、アメリカ文学者の波戸岡景太さんの新著、
『コンテンツ批評に未来はあるか』(水声社)刊行※を記念して、
いま論壇にもっとも精力的に発言している社会学者・大澤真幸さんをゲストに、
アニメ化も話題のゲーム『シュタインズ・ゲート』から、
アメリカ現代文学の最高峰トマス・ピンチョンの世界に至る、
幅広いコンテンツの〈群れ〉を対象に、
新世紀の「批評」を対話的に実践する試みとなります。

※波戸岡景太著『コンテンツ批評に未来はあるか』は12月に刊行予定です。

波戸岡景太(はとおか・けいた)
1977年、神奈川県に生まれる。明治大学准教授。専攻、アメリカ文学。
著書に、『ピンチョンの動物園』(水声社)、『オープンスペース・
アメリカーー荒野から始まる環境表象文化論』(左右社)がある。

大澤真幸(おおさわ・まさち)
1958年、長野県に生まれる。社会学者。月刊誌『THINKING「O」』主宰。
著書に『身体の比較社会学』(I・II、勁草書房)、『増補 虚構の時代の果て』
(ちくま学芸文庫)、『文明の内なる衝突』(NHKブックス)などがある。

—-
なお、《レーモン・クノー・コレクション》刊行記念イベントも現在計画中です。
詳細が決まり次第、追ってアナウンスいたします。お楽しみに!

 

10月の新刊:『マラルメの〈書物〉』

2011年 10月 3日

e3839ee383a9e383abe383a1efbc9de382abe38390e383bc清水徹著

マラルメの〈書物〉

四六版上製174頁/定価=2000円+税
ISBN 978-4-89176-849-2 C0098  10月5日頃発売



自然主義的、リアリズム的文学観を根本的に刷新し、
現代文学への途を切り開いた詩人が、
その文学的出発から死の床に至るまで構想しつづけた未聞の〈書物〉とは何か?
残された膨大なメモ、断章、ノートを子細に検討し、〈演劇〉でもあり、
〈パフォーマンス〉でもあるものとしての〈書物〉の夢へ肉薄する。