9月2011のアーカイヴ

9月の新刊:『高松次郎 言葉ともの』

2011年 9月 28日

takamatsu_cover2光田由里

『高松次郎 言葉ともの——日本の現代美術 1961-72』

A5変判上製277頁/定価=3000円+税
ISBN978-4-89176-856-0 C0071 好評発売中
ブックデザイン:宗利淳一+田中奈緒子


新しい純白のキャンバスに、その純白のキャンバスを写生すること。
〔……〕ぼくによってその表面にみずからを描かれてしまった物体は、
実在でありながら同時に虚像でもあることによって、
その虚像もろとも実在性をいっきに否定されるに違いない。(高松次郎)


後期資本主義が終わりにさしかかった現在、
《かつては存在したが今はすでに断絶してしまった「現代美術」の本質を通して》
考察する気鋭の美術批評家の書き下ろし。【図版多数収録】

【目次】

第1章 《点》と《紐》——「点と線」あるいは「針金と紐」

第2章 不在体、不在の部屋、不在性

第3章 《影》連作——ハプニングと絵画論

第4章 《影》における存在論と絵画論——穴と鏡のあいだに

第5章 《影》と言葉——「影論争」と呼ばれる批評群

第6章 絵画の外側——《影》から生まれるもの

第7章 原理と実在のあいだに——表象のパラドックス

第8章 《題名》という題名——美術作品への名づけ/ものと言葉の接面

第9章 言葉と言葉でないもの——《The Story》と反記述

主要参考文献
高松次郎略年譜および展覧会歴
あとがき

 

9月の新刊:『現代女性作家論』

2011年 9月 28日

e78fbee4bba3e5a5b3e680a7e4bd9ce5aeb6e8ab96efbc9de382abe38390e383bce585a5e7a8bf松本和也

現代女性作家論

四六判上製268頁/定価=2800円+税
ISBN978-4-89176-847-8 C0095 9月29日発売


時代を席巻する6人の女性作家たち、その《文学》とは?

現在活躍中の女性作家6人(小川洋子、川上弘美、鹿島田真希、西川美和、
多和田葉子、川上未映子)の作品を通して、それぞれの作家がもつ
文体・言語表現の個別性/独創性を考察しつつ
「家族」、「記憶・回想」、「身体」、そして「書くこと」をモチーフに
文学をめぐる〈いま〉に光をあてる待望の書き下ろし批評集。

【目次】

第1章 記憶/忘却のための場所——小川洋子「完璧な病室」

第2章 愛の寓話/物語の(再)起動——川上弘美「物語が、始まる」

第3章 渇きと水——鹿島田真希『六〇〇〇度の愛』

第4章 記憶のボタン——西川美和『ゆれる』

第5章 名前の喪失/「わたし」の生成——多和田葉子「海に落とした名前」

第6章 小説の“声”/言葉と身体——川上未映子『乳と卵』

 

《レーモン・クノー・コレクション》刊行開始!

2011年 9月 13日

水声社30周年記念出版、最終弾!

新シリーズ《レーモン・クノー・コレクション》、まもなく刊行開始!


e382afe3838ee383bce58685e5aeb9e8a68be69cac1






*上のサムネイルをクリック ↑

秘教的な芸術研究集団コレージュ・ド・パタフィジック会員で、
潜在文学工房(ウリポ)の代表メンバーであるレーモン・クノー(1903-76)。
彼のほぼすべての小説作品を、全13巻に集成します。
百科辞典的な幅広い知識と技巧をこらした多様な作品群を、
すべて新訳および改訳で、本邦初訳の作品も収録。
これまで明らかにされなかったクノーの全貌が明らかになる、
日本ウリポ史上最大のシリーズの刊行が始まります!

記念すべき第1回配本は、
『地下鉄のザジ』『サリー・マーラ全集』を2冊同時に刊行します!

世界中で愛される『地下鉄のザジ』は、田舎から出てきて、
パリのガブリエル伯父さんに預けられた、少女ザジの物語。
彼女の願いはただひとつ、地下鉄に乗ること。
ところが、あいにくのスト中。変態やうるさいオールドミスなどに
つきまとわれながら、活気あふれるパリを駆け回る、
3日間の冒険を描いた『ザジ』が、新訳でいま、生まれ変わります!

本邦初訳の『サリー・マーラ全集』は、アイルランド生まれの少女
サリー・マーラ(クノー?)が書いた、世にも奇妙な全集です。
彼女の初恋と処女的想像力によってなされた性の探究「サリー・マーラの日記」と、
「フィネガンズ・ウェイク!」を合言葉に郵便局に立てこもる
アイルランドの闘士達を描いた小説「皆いつも女に甘すぎる」、
謎のヘンテコ性愛散文集「もっと内密なサリー」の
抱腹絶倒間違いなしの3篇を収録!

—-

レーモン・クノー・コレクション10

rqefbc8fe59cb0e4b88be98984e381aee382b6e382b8_cover-22『地下鉄のザジ』

久保昭博訳
4/6判上製240頁/定価2200円+税
ISBN978-4-89176-870-6 C0397 10月1日頃配本!





rqefbc8fe382b5e383aae383bce383bbe3839ee383bce383a9e585a8e99b86_cover-22レーモン・クノー・コレクション11

『サリー・マーラ全集』

中島万紀子訳
4/6判上製464頁/定価3500円+税
ISBN978-4-89176-871-3 C0397 10月1日頃配本!



*全巻ご購読者特典*
もれなく非売品のレーモン・クノー『100兆の詩篇』をプレゼント。
1行ずつバラバラに組み合わせることができる10篇のソネ(14行詩)で、
つまり10の14乗=100兆通りの組み合わせが可能な
、一冊あれば一生涯楽しめること請け合いの、クノーファン必携・垂涎の作品です。
詳しくは内容見本をご覧のうえ、付属の応募ハガキにてご予約下さい。


*下のサムネイルをクリック ↓
e382afe3838ee383bce58685e5aeb9e8a68be69cac2







*内容見本は全国の書店で配布中です。
直接お申し込みいただくには、小社営業部へお願いいたします。
郵便切手80円分を同封のうえ、
〒112-0002 文京区小石川2-10-1-202
水声社営業部・内容見本係 まで。

 

9月〜10月の新刊 

2011年 9月 13日

いつも小社出版物をご注目くださり、ありがとうございます。


まず、5月に全8巻が完結した『小島信夫批評集成』の全巻ご予約特典ですが、
お届けが当初の予定より遅れていて、誠に申しわけございません。
ただいま鋭意編集作業中ですが、あらたな資料等も盛り込む予定です。
すでにお申込みいただいたみなさまにはかならずお届けいたしますので、
いましばらくご猶予をお願いいたします。


さて、一部ですでに話題になっている『レーモン・クノー・コレクション』全13巻。
注目の第1回配本は、『地下鉄のザジ』『サリー・マーラ全集』の2冊です。
詳細なインフォメーションは、本日(9/13)、追ってこのブログにアップします。


アメリカ文学の最高峰、T・ピンチョンの全長篇作品を
「動物」の視点で論じた異色の作品論、
波戸岡景太さんの『ピンチョンの動物園』(7月刊)が、
9月11日付け読売新聞/本よみうり堂で紹介されました。
「ピンチョン作品を今、読む意味を見事に射抜いている」
と評してくださったのは、アメリカ文学者の都甲幸治さんです。
都甲さん、ありがとうございました。→


最後に、9月〜10月にかけての近刊をお知らせいたします。

光田由里『高松次郎 言葉ともの』
『東松照明と沖縄 太陽へのラブレター』(発売のみ)
松本和也『現代女性作家論』
清水徹『マラルメの〈書物〉』
完訳版サド全集 第6巻『恋の罪、壮烈悲惨物語』
野坂昭如、豊田有恒、井上光晴他『日本原発小説集』
M・ラゴン『フランス・プロレタリア文学史 民衆表現の文学』
A・ネグリ『スピノザとわたしたち』
別冊水声通信2『ジュリアン・グラック』
小泉純一『アメリカに響くパレスチナの声』


すでに印刷に入っているものから、編集作業が佳境のものまで、
水声社ならではのラインナップです。
いずれも詳細な情報は順次お知らせして参ります。
ぐぐぐっとお待ちいただければ幸いです。