2月2020のアーカイヴ

2月の新刊:評伝 ウィリアム・フォークナー

2020年 2月 27日

フォークナー書影評伝 ウィリアム・フォークナー
ジョエル・ウィリアムソン(著)
金澤哲・相田洋明・森有礼(監訳)
梅垣昌子・田中敬子・松原陽子・山下昇・山本裕子(訳)

判型:A5判上製
頁数:544頁+別丁16頁
定価:8000円+税
ISBN:978-4-8010-0473-3 C0098
装幀:齋藤久美子
2月下旬発売!

〈実際、誰ひとりとして真のフォークナーを知るものはいないようだった。しかし、人々は確かに彼の作品は知っていた。〉
アメリカ南部史研究の泰斗が、『響きと怒り』、『八月の光』などで知られる20世紀を代表するノーベル賞作家の生涯を、両親の家系をさかのぼり、黒人親族(シャドウ・ファミリー)との秘められた関係を明らかにし、その栄光と悲惨を描き出した決定的評伝。待望の翻訳。
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2月の新刊:『ドン・キホーテ』に潜む狂気――正気を失ってしまったのは誰か

2020年 2月 20日

ドンキホーテに潜む狂気『ドン・キホーテ』に潜む狂気
正気を失ってしまったのは誰か
田林洋一(著)

判型:四六判上製
頁数:344頁
定価:4000円+税
ISBN:978-4-8010-0470-2 C0098
装幀:宗利淳一
2月下旬発売!

登場人物全員狂人説!?
主人公ドン・キホーテとサンチョ・パンサのみならず脇役まで、漏れなく正気とも狂気とも定かでない登場人物たちの行動の分析、狂気の萌芽となる理想と現実の鋭い対立をはらんだセルバンテスの苦難の生涯の解説、さらには『贋作ドン・キホーテ』や様々な世界文学との比較等を通じ、作品の内外にひしめく狂気を総覧する、狂的『ドン・キホーテ』体験への導きの書。
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2月の新刊:風景の哲学——芸術・環境・共同体

2020年 2月 18日

風景 書影風景の哲学
芸術・環境・共同体
パオロ・ダンジェロ(著)
鯖江秀樹(訳)

判型:四六判上製
頁数:297頁
定価:3000円+税
ISBN:978-4-8010-0471-9 C0070
装幀:宗利淳一
装画:六根由里香
2月下旬頃発売!


風景のアクチュアルな状況に応じた理論化の試み
あらゆる場所で出くわす〈風景〉という言葉はいったい何を意味しているのだろうか。現代イタリアを代表する美学者が、〈風景〉という概念とそのイメージを根本から捉え直し、映画、美術、法制度まで、環境美学の成果に応答しながら横断的に思考することで、〈風景〉の問題に美学の側からアプローチする。
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2月の新刊:ジル・ドゥルーズの哲学と芸術

2020年 2月 17日

書影_ドゥルーズジル・ドゥルーズの哲学と芸術
ノヴァ・フィグラ
黒木秀房(著)

判型:A5判上製
頁数:258頁+別丁2頁
定価:4000円+税
ISBN:978-4-8010-0472-6 C0010
装幀:宗利淳一
2月27日頃発売!

生成変化からフィギュールへ
新たな思考は常に〈フィギュール〉から始まる――独自のスタイルで哲学を一新したドゥルーズは、なぜ芸術を語り続けたのか? 一人ひとりが特異な生のスタイルを求めながら共同体を創出することの可能性を開いたドゥルーズの哲学的生を、〈フィギュール〉の問題系として捉え直し、概念の創造‐変奏のドラマを目撃する。
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2月の新刊:時との戦い《フィクションのエル・ドラード》

2020年 2月 14日

時との戦い時との戦い
《フィクションのエル・ドラード》
アレホ・カルペンティエール(著)
鼓直/寺尾隆吉(訳)

判型:四六判上製
頁数:186頁
定価:2200円+税
ISBN:978-4-8010-0458-0 C0397
装幀:宗利淳一
2月下旬頃発売!


カルペンティエールの作品全体が、未来の記憶であると同時に過去の予告なのだ。(カルロス・フエンテス)
ニグロの老人が振るう杖の一振りにより、崩壊した館がたちまち元の姿へと戻り、亡くなったはずの館主の生涯をその死から誕生へと遡る傑作「種への旅」をはじめ、「夜の如くに」「聖ヤコブの道」を含む旧版に加え、時間の枠組みを大きく逸脱させるユーモアとアイロニーが散りばめられた「選ばれた人びと」「闇夜の祈祷」「逃亡者たち」「庇護権」の四編をあらたに加えた決定版カルペンティエール短編集。
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1月の新刊:絵画逍遥

2020年 2月 5日

絵画逍遥書影絵画逍遥
山梨俊夫(著)

判型:A5判上製
頁数:236頁
定価:3000円+税
ISBN:978-4-8010-0448-1 C0070
装幀:宗利淳一
1月下旬発売!

《憧れは、想像を解き放ち、ある未知の場所に向かって想いをとめどなく飛翔させる。》
1枚の絵が語りかける言葉、画家たちの思いに触発され湧き出る想いを綴り、また自己を絵に反映させ思索する日々。ゴッホ、ジャコメッティ、セザンヌ、モネ、マティス、クレー、そして蕪村、広重、劉生らを自在にめぐる書き下ろしエッセイ。
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1月の新刊:自然と文化を越えて《人類学の転回》

2020年 2月 3日

デスコラ_書影自然と文化を越えて
《人類学の転回》
フィリップ・デスコラ(著)
小林徹(訳)

判型:四六判上製
頁数:637頁
定価:4500円+税
ISBN:978-4-8010-0467-2 C0010
装幀:宗利淳一
好評発売中!

新たな人類学の再構築
アチュアル族のインディオとの出逢いをきっかけに、地球規模で広がる四つの存在論を横断し、非人間をも包摂する関係性の分類学を打ち立てる。近代西欧が発明した「自然/文化」という二分法を解体し、人類学に〈転回〉をもたらした記念碑的著作。
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1月の新刊:政治人類学研究《叢書 言語の政治》

2020年 2月 3日

政治人類学研究_書影政治人類学研究
叢書《言語の政治》23
ピエール・クラストル(著)
原毅彦(訳)

判型:A5判上製
頁数:314頁
定価:4000円+税
ISBN:978-4-8010-0468-9 C0010
装幀:中山銀士
好評発売中!

根源的な他性と向かい合うために
離散的な遠心力を備える「戦争機械」の概念、進化論的な国家観を覆した「国家に抗する社会」という定理をはじめ、クラストルが遺した思想はいかなる現代的意義をもつのだろうか? 訣別の予感の下でヤノマミ滞在を綴った「最後の砦」、未開社会における政治権力の構造を巧みに分析した「未開人戦士の不幸」ほか、人類学が真に政治的なものになるための12篇の論考を収録。

 なぜなら戦士は社会に区分化という病原菌を持ち込むことで、分離した権力機関となることで、社会の不幸を生むことができたからだ。未開社会が、戦士が持ち込む危険を払いのけるために設立するのは、このような防御メカニズムなのである。つまり、戦士の死と引き替えに区分化していない社会体の生があるのだ。部族の法の主題がここに明らかになる。未開社会は、その存在において、戦争向かっての社会 société-pour-la-guerre なのだ。同時に、そして、同じ理由で、戦士に抗する社会なのだ。(本文より)

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