4月2015のアーカイヴ

4月の新刊:〈冒険〉としての小説

2015年 4月 28日

ピクチャ 1
〈冒険〉としての小説――ロマネスクをめぐって
赤羽研三(著)

4/6判上製
416頁
定価4,000円+税
ISBN 978-4-8010-0086-5 C0098  好評発売中!
装幀:西山孝司


生の強度として体験される〈冒険〉とは何か?


バフチン、ルカーチ、ジュネットらの物語論を踏まえ、語り/読み/登場人物における〈冒険〉から小説一般の理論を究明し、19世紀以降の小説(スティーヴンスン、ポー、フロベール、ラディゲ、カミュ)を題材に、多様なジャンルにおける〈冒険〉の諸相に肉薄する。

《本書の狙いは、小説のもつ冒険の側面を明らかにすることである。それでは、この場合の冒険とはいったい何なのか、小説における冒険とはどういう意味をもつのか。(……)読み手は小説を読むことによって、冒険というかたちで生を体験するのである。そしてまさにここにこそ小説を読む面白さ、醍醐味があるのではないか。》(本書より)

目次

はじめに
第1章 ロマネスク
第2章 冒険の様々なかたち
第3章 語りと読み手の冒険
第4章 物語の発生と進行
第5章 状況の設定と人物の行動
第6章 因果性と「思いがけなさ」
第7章 リアルとアクチュアル
第8章 状況の流動性と主体の変容
第9章 小説の締めくくり方
第10章 冒険小説における冒険とその不可能性――コンラッド『ロード・ジム』
第11章 恋愛における冒険――ラディゲ『ドルジェル伯の舞踏会』
第12章 新たな冒険の可能性――カミュ『異邦人』
おわりに


あとがき


【著者について】
赤羽研三(あかばけんぞう)  1949年、東京生まれ。東京都立大学大学院人文科学研究科博士課程満期退学。現在、上智大学教授。専攻、現代フランス思想・詩学。主な著書に、『言葉と意味について考える Ⅰ/Ⅱ』(夏目書房、1997年)、『危機のなかの文学』(共著、水声社、2010年)、主な訳書に、ジュリア・クリステヴァ『ポリローグ』(共訳、白水社、1986年)、ミシェル・フーコー『考古学と系譜学』(共訳、新評論、1992年)、サラ・コフマン『芸術の幼年期』(水声社、1994年)などがある。

[関連書](価格税別)
物語のディスクール G・ジュネット/花輪光・和泉涼一訳 5000円
ナラトロジー入門――プロップからジュネットまでの物語論 橋本陽介 2800円
小説の楽しみ 小島信夫 1500円

 

4月の新刊:小島信夫短篇集成⑦ 月光/平安

2015年 4月 28日

小島短篇7カバ
小島信夫短篇集成⑦ 月光/平安
編集委員=千石英世・中村邦生
編集協力=柿谷浩一
解説=保坂和志
月報=春日武彦・平井杏子・佐々木敦

A5判上製
567頁
定価7000円+税
ISBN978-4-8010-0067-4 C0393 好評発売中!
装幀:西山孝司

小島さんはいつも小説のことを考えていた、小説のことばかり考えていた、その一方で小島さんは何も考えてはいなかった、本人の口から聞いた話ではいつも締切りギリギリに一晩で書いた、短篇といっても60枚か70枚あるものを一晩で書けただろうか? 一晩は極端としてもたぶん二晩で書いたんだろう。三晩ということはなかったんじゃないか。(保坂和志「解説」より)

小島信夫の全短篇を網羅するシリーズ、最終配本。
小島文学はとうとう新境地へ。愛妻との生活、別荘での日々、友人たちとの対話、芸術への思索、人智を超えたものへの関心、過去と現在、忘却と啓示――あらゆる記憶/思惟/時間が小説の〈いま・ここ〉へと流れこみ、混濁と錯綜のうちに新たな小説世界が拓かれてゆく……。
単行本未収録作品「すばらしい一日」「黒い砂」「六月の風」「ピクチュア・ハット」「対談のことから」をふくむ、全22篇(1982〜1989)を収録。
*内容見本呈。ご請求ください。


目次

月光
青衣
蜻蛉
合掌
高砂
再生
白昼夢
すばらしい一日
肖像
戦友会
マリフ
予兆
平安
浅き夢
黒い砂
日光
落花の舞
六月の風
ピクチュア・ハット
ブルーノ・タウトの椅子
湖の中の小さな島
対談のことから

解題 柿谷浩一
奥義はいまもわからない 保坂和志


【小島信夫の本】
《小島信夫短篇集成》【全巻完結】
①小銃/馬 解説=千石英世 8000円+税
②アメリカン・スクール/無限後退 解説=芳川泰久 8000円+税
③愛の完結/異郷の道化師 解説=堀江敏幸 8000円+税
④夫のいない部屋/弱い結婚 解説=平田俊子 8000円+税
⑤眼/階段のあがりはな 解説=いとうせいこう 6000円+税
⑥ハッピネス/女たち 解説=中村邦生  7000円+税
⑦月光/平安 解説=保坂和志 7000円+税
⑧暮坂/こよなく愛した 解説=千野帽子 8000円+税
★全巻セット定価=60000円+税

《小島信夫批評集成》
①現代文学の進退 解説=中村邦生 8000円+税
②変幻自在の人間 解説=都甲幸治 10000円+税
③私の作家評伝(全) 解説=千石英世 7000円+税
④私の作家遍歴Ⅰ 解説=保坂和志 6000円+税
⑤私の作家遍歴Ⅱ 解説=宇野邦一 6000円+税
⑥私の作家遍歴Ⅲ 解説=阿部公彦 6000円+税
⑦そんなに沢山のトランクを 解説=堀江敏幸 9000円+税
⑧漱石を読む 解説=千野帽子 8000円+税
★全巻セット定価=60000円+税

小説の楽しみ 1500円+税
書簡文学論 1800円+税
演劇の一場面 2000円+税

未完の小島信夫 中村邦生+千石英世 2500円+税
小島信夫の読んだ本 小島信夫文庫蔵書目録 昭和女子大学図書館編 5000円+税
小島信夫の書き込み本を読む 小島信夫文庫関係資料目録 昭和女子大学図書館編 5000円+税
水声通信②/小島信夫を再読する 1000円+税

 

4月の新刊:高松次郎 制作の軌跡

2015年 4月 28日

見積書004
高松次郎 制作の軌跡
国立国際美術館編

B5版変形
224頁
定価
3500円+税
ISBN978-4-8010-0093-3 C0070 好評発売中!
装幀:宗利淳一

1960年代から日本の現代美術を牽引した美術家の活動を、「点」「影」
「遠近法」「単体」「複合体」「平面上の空間」「形」といったテーマにそって、絵画、版画、立体作品、写真、とりわけ残された多数のドローイングを詳細に読み解くことによって考察する。言葉とものの関係を問い続けた高松の思考の推移を探る。
2015年4月7日から7月5日まで国立国際美術館(大阪)で開催中の「高松次郎 制作の軌跡」展の公式図録。400点以上の作品をカラー図版で収録。


目次
序 高松次郎の仕事  山梨俊夫
高松次郎の全体像:ドローイングと装幀・挿画の仕事を交えて、年代順に
 中西博之
作品図版
内法の無限性  松浦寿夫
高松次郎とアンフォルメル以後の抽象絵画  野田吉郎
高松次郎を斜めから見る 沢山遼
出品作品リスト
展覧会歴
主要文献

テキスト執筆者について
松浦寿夫 画家、東京外国語大学教授
野田吉郎 東京文化財研究所研究補佐員
沢山遼 美術批評家
中西博之 国立国際美術館主任研究員

関連書
世界拡大計画 高松次郎 4000円+税
不在への問い 高松次郎 4500円+税
高松次郎 言葉ともの 光田由里 3000円+税
高松次郎を読む 真武真喜子、神山亮子、沢山遼、野田吉郎、森啓輔=編
 4000円+税

 

4月の新刊:ポストメディア人類学に向けて 集合的知性 《批評の小径》

2015年 4月 28日

ポストメディア人類学に向けて
ポストメディア人類学に向けて 集合的知性
ピエール・レヴィ(著)
米山優(訳)
清水高志(訳)
曽我千亜紀(訳)
井上寛雄(訳)


判型:四六判上製
頁数:362頁
定価:4000円+税
ISBN:978−4−8010−0090−2 Ç0010 好評発売中!
装幀者: 宗利淳一


内容紹介:
実現されるべき未来――

人類学的スケールの視野をもって,21世紀におけるポストメディア時代の到来を予感させる,マーシャル・マクルーハンの「メディア論」以降,最高の情報哲学の書。


目次:

プロローグ――ノマドの惑星
 イントロダクション

第一部 社会的な絆の工学
 第一章 義(ただ)しき者たち――集合的知性の倫理学
 第二章 人間の質――集合的知性の経済
 第三章 モル的なものから分子的なものへ――集合的知性のテクノロジー
 第四章 知的都市の活動力――分子的政治のためのマニフェスト
 第五章 天使的な身体の舞踊術――集合的知性の無神学
 第六章 サイバースペースにおける芸術とアーキテクチャ――集合的知性の美学

第二部 《智慧の空間》
 第七章 四つの空間
 第八章 人類学的空間とは何か?
 第九章 アイデンティティ
 第十章 記号論
 第十一章 空間と時間の形象
 第十二章 航海の道具
 第十三章 知識の対象
 第十四章 認識論
 第十五章 諸空間の関係――政治哲学に向けて

エピローグ――クノッソスへの旅


解題(清水高志)
訳者あとがき



著者・訳者紹介:
ピエール・レヴィ(Pierre Lévy) 1956年,チュニジアのチュニスに生まれる。哲学者。ミシェル・セールに師事。フランス国立工芸技術院で情報工学を学び,グルノーブル大学で情報とコミュニケーション科学の博士号を取得。主な著書に,『ヴァーチャルとは何か?』(昭和堂,2006)などがある。

米山優(よねやままさる) 1952年,東京都に生まれる。名古屋大学大学院情報科学研究科教授(専攻,哲学・情報学)。主な著書に,『情報学の展開』(昭和堂,2011)などがある。
清水高志(しみずたかし) 1967年,愛知県に生まれる。東洋大学総合情報学部総合情報学科准教授(専攻,哲学・情報創造論)。主な著書に,『ミシェル・セール』(白水社,2013)などがある。
曽我千亜紀(そがちあき) 1973年,愛知県に生まれる。大阪産業大学人間環境学部准教授(専攻,哲学・情報社会論)。主な共訳書に,『デカルト全書簡集 第一巻』(知泉書館、2012)などがある。
井上寛雄(いのうえひろお) 1975年、広島県に生まれる。中京大学非常勤講師(専攻,哲学・情報創造論)。主な共訳書に,ピエール・レヴィ『ヴァーチャルとは何か?』などがある。

 

4月の新刊:シュルレアリスム,あるいは作動するエニグマ

2015年 4月 28日

無題
シュルレアリスム,あるいは作動するエニグマ
ジャクリーヌ・シェニウー=ジャンドロン 著
齊藤哲也 編
鈴木雅雄 ほか訳

A5判上製
376頁
定価=5000円+税
ISBN978−4−8010−0097−1 C0070 好評発売中!
装幀者=宗利淳一

シュルレアリスムは演出し,操作する。

アヴァンギャルドからも,モダニズムからも,逸脱してみせたシュルレアリスムは何をもって我々を誘惑゠挑発し続けているのだろうか。現実と表象が〈痙攣的〉に邂逅し,常に謎を作動させるディスクールを巧緻に読み解く,シュルレアリスム研究の泰斗の足跡。

【目次】
序――腐植土あるいは耕地としての言語
1 フランスにおけるシュルレアリスムの複数の斜面と複数のヴァージョン
2 おしゃべりと驚異――シュルレアリスム再考
3 非知としての未開状態から絶対知としての痙攣へ
4 雑誌の美学のために――『VVV』誌のシュルレアリスム的なページ,『ヴュー』誌によるシュルレアリスム的なページの消費
5 シュルレアリスムの領域における「もう一方の世界」,世界と言語の裏側
6 シュルレアリスムにおけるレトリックと神話的エクリチュール
7 シュルレアリスムにおける女性形のエクリチュールについて
8 交差するまなざし シュルレアリスムの提示/表象――雑誌をおもな舞台として
9 アンドレ・ブルトンの「他者」,ジャック・ラカン
10 ブルトン,アレント――政治的立場,あるいは政治的責任と思想?
編者あとがき

【著者/編者】
ジャクリーヌ・シェニウー=ジャンドロン(Jacquline Chénieux-Gendron)  1939年,フランスのトゥーレーヌ生まれ。元フランス国立科学研究所(CNRS)主任研究員。専攻,シュルレアリスム研究。著書にLe Surréalisme et le roman(L’Age d’homme, 1983),『シュルレアリスム』(星埜守之・鈴木雅雄訳,人文書院,1997年)などがある。

齊藤哲也(さいとうてつや)  1976年,北海道生まれ。北海道大学大学院文学研究科博士課程満期退学。現在,明治学院大学准教授。専攻,シュルレアリスム研究。著書に『零度のシュルレアリスム』(水声社,2011年),『ヴォルフガング・パーレン――幻視する横断者』(水声社,2013年)などがある。

【関連書】
零度のシュルレアリスム/齊藤哲也/2500円+税
シュルレアリスム美術を語るために/鈴木雅雄+林道郎/2800円+税

***
この度、著者のジャクリーヌ・シェニウー=ジャンドロン氏が来日され、講演会が以下のように行われました。

★2015年4月21日(火) 18:00〜19:30
場所:東京大学 本郷キャンパス 法文1号館3階317教室
題目:「つぶやきとしての声か、言葉のあり方としての声か:ある主体の構造について ――ブルトン、フロイト、ヴァレリー」
(入場無料・予約不要・同時通訳なし)

★2015年4月24日(金) 18:00~
場所:早稲田大学 戸山キャンパス 39号館6階第7会議室
題目:「形態と不定形の弁証法は〈美学〉として成り立ちうるか? ――ダリ、マッソン、エルンスト」
(入場無料・予約不要・同時通訳なし)

 

3月の新刊: 甦るレヴィナス――『全体性と無限』読解

2015年 4月 28日

ピクチャ 1
甦るレヴィナス――『全体性と無限』読解
小手川正二郎 著

4/6判上製
352頁
定価
3,500円+税
ISBN978-4-8010-0085-8 C0010  好評発売中!
装幀:宗利淳一

『全体性と無限』がもつ真の革新性を救い出す―― 

これまで顧みられなかった理性論という観点から『全体性と無限』がもつ独自性に光をあて、主体論においてハイデガーと対峙し、なお根強い影響力の下にあるデリダ的読解を糺す。“生きている”レヴィナス哲学を甦らせる変革の書。

《本書は、レヴィナスが過去の思想家と向き合ったのと同様の態度でもって、レヴィナスの思想を「生きている哲学」として考察したい。(……)レヴィナスの哲学を、ただ盲目的に信じられる謎めいた教えや、専門家の間の訓詁学的な関心の対象としないためには、誤解を恐れずに彼の論述を具体化し、それを批判的に吟味しなくてはならない。このようにして初めて、レヴィナスの思想は時代や文化の隔たりを越えて読者一人ひとりの理解のあり方を問い直す「生きている哲学」として甦るはずだ。》(本書より)

目次

序章 甦るレヴィナス

第1部 レヴィナスの現象学

第1章 『全体性と無限』の現象学的方法
第2章 レヴィナスの思想は「他者」論か――『全体性と無限』第一部の役割
第3章 ブーバーとの対話

第2部 ハイデガーとの対決――主体・存在・真理

第4章 主体性の擁護――ハイデガーによる「主体」批判の後で
第5章 存在と真理――存在だけしかないことがなぜ「悪い」のか

第3部 デリダへの応答――『全体性と無限』の理性論

第6章 他人(autrui)と〈他者〉(l’Autre)――〈他人〉を「理解」すること
第7章 「自我への暴力」と「他者への暴力」――レヴィナスは「他者への暴力」を批判したのか
第8章 「第三者は他人の眼を通じて私を見つめる」――「第三者」とは誰か

第4部 「現れざるものの現象学」とは別の仕方で

第9章 〈他人〉との対話と〈他者〉への愛
第10章 「転回」ではなく「深化」

終章 「レヴィナス的倫理学」の可能性


参考文献
人名索引

あとがき




【著者について】
小手川正二郎(こてがわしょうじろう)  1983年、東京生まれ。慶應義塾大学大学院文学研究科後期博士課程修了。博士(哲学)。現在、國學院大學文学部助教。専攻、フランス哲学、現象学。主な著書に、『顔とその彼方――レヴィナス『全体性と無限』のプリズム』(共著、知泉書館、2014年)、『新プラトン主義を学ぶために』(共著、世界思想社、2014年)などがある。

[関連書](価格税別)
他者のユマニスム/エマニュエル・レヴィナス/小林康夫訳 2000円

 

3月の新刊:幽霊の真理 絶対自由に向かうために《水声文庫》

2015年 4月 28日

幽霊の真理
幽霊の真理 絶対自由に向かうために
荒川修作+小林康夫(著)

判型:四六判上製
頁数:304頁
定価:3000円+税
ISBN:978−4−8010−0088−9 C0070 好評発売中!
装幀者: 宗利淳一

内容紹介:
荒川の声が聞こえる――
《ぼくはこんな問いをあなたにしてみたい――「月に春はあるかねえ。火星には春があるかねえ。」》

身体の可能性を〈建築〉に見出そうとする荒川と,哲学者・小林が,美術・文学・哲学を横断しながら,あらゆる既成の概念の根幹を問い,「知の総合」を目指す,衝撃の対話。


目次:
月には春があるかねえ
共同の場があれば出発は可能だ
場それ自身が行為であり出来事なんだ
物語のない世界に行かなくちゃいけない
身体の幽霊化,イメージとしての身体
人間の歴史は間違いのカタログだ
一日も早く自由の自由に向かうために

図版一覧
あとがき


著者紹介:
荒川修作(あらかわしゅうさく) 1936年,名古屋市に生まれ,2010年,ニューヨークに没した。美術家/建築家。1961年に渡米,以降ニューヨークを拠点に,夫人で詩人のマドリン・ギンズとともに活動。主な建築作品に,「養老天命反転地」(岐阜県,1995),「三鷹天命反転住宅」(東京都,2005)など。主な著書には,『建築―宿命反転の場』(1999),『生命の建築』(藤井博巳との共著,水声社,1999)『三鷹天命反転住宅――ヘレン・ケラーのために』(2008,ともに水声社),などがある。

小林康夫(こばやしやすお) 1950年,東京都に生まれる。東京大学大学院博士課程,パリ第Ⅹ大学(ナンテール)大学院博士課程修了。現在,東京大学大学院総合文化研究科・教養学部教授。専攻,フランス文学,哲学。主な著書には,『無の透視法』『不可能なものへの権利』(ともに,書肆風の薔薇/水声社,1988),『思考の天球』(水声社,1998),『こころのアポリア』(羽鳥書店,2013)などがある。

 

3月の新刊:平成ボーダー文化論《水声文庫》

2015年 4月 28日

平成ボーダー文化論
平成ボーダー文化論
阿部嘉昭(著)


判型:四六判上製
頁数:434頁
定価:4500円+税
ISBN:978−4−8010−0089−6 C0070 好評発売中!
装幀者: 宗利淳一


内容紹介:
平成の不気味――
ままならない時代について

1989年以降におこった大小さまざまな事象をもとに,犯罪,メディア,若者,音楽,写真,女性,アダルトビデオ,漫画などについて縦横に論じ,「平成」という時代を裏側から考察した衝撃の日本文化論。


目次:
序章 一九八九年論
第一章 もがく仕種の可愛さこそが――「不快の快」時代の魅力的な身振りだ
第二章 「死にたい」と「殺したい」のあいだ――「十七歳」の犯罪について
第三章 全体化の虚偽,現代的自殺――入間市「ネット心中」事件について
第四章 「稀薄」がキーワード 二十代はデュシャンの泉?
第五章 人界を穿つ闇――三角みづ紀『オウバアキル』書評
第六章 境界が溶けてゆく――太陽肛門スパパーン『馬と人間』について
第七章 一点に心を集めて小さくなってゆく――九〇年代後半のゆらゆら帝国について
第八章 ロボットと性
第九章 「小さな画面」の不如意を慈しむことについて
第十章 写真都市彷徨
第十一章 世界は一人の女に集約される
第十二章 ネット時代の書簡
第十三章 ドキュメンタリーとしてのアダルト・ビデオ
終章 境界突破した身体がそれじたい境界化する――あとがきにかえて


著者紹介:
阿部嘉昭(あべかしょう) 1958年、東京都に生まれる。慶應義塾大学法学部卒業。専攻,映画・サブカルチャー研究,詩歌論。現在,北海道大学大学院文学研究科准教授。2014年,詩集『ふる雪のむこう』(思潮社,2013)で第48回北海道新聞文学賞受賞。詩論集『換喩詩学』(思潮社,2014)で第6回鮎川信夫賞受賞。主な著書に,『日本映画オルタナティヴ』(彩流社,2012),『映画監督 大島渚』(河出書房新社、2013)などがある。

 

3月の新刊:小島信夫短篇集成⑥ ハッピネス/女たち

2015年 4月 28日

小島短篇6カバ
小島信夫短篇集成⑥ ハッピネス/女たち

編集委員=千石英世・中村邦生
編集協力=柿谷浩一
解説=中村邦生
月報=富岡幸一郎・いしいしんじ・佐々木敦

A5判上製/472頁/定価7000円+税

ISBN978-4-8010-0066-7 C0393 好評発売中!

装幀=西山孝司


小島信夫は読んだ本をよく忘れる。あるいは忘れているふりをする。いや、もっと正確には忘れることを望み、むしろ忘れることを読書の方法と見なしさえしているように思えることがある。(中村邦生「解説」より)

小島信夫の全短篇を網羅するシリーズ、第6回配本。
巨篇『別れる理由』への迂遠な助走となった連作「町」の作品群、そして、『菅野満子の手紙』『寓話』など破格の長篇のかたわらで綴られ、小説とエッセイ、記憶と忘却を縦横無尽に横断/往還する、メタフィクショナルな短篇世界の全貌。
中期の佳編「ハッピネス」、自意識過剰な飼い犬との奇妙な対話の中に主従関係のねじれを描く異色作「石遊び」、手紙や自作の引用によって読者を翻弄してやまない「返信」などの他、単行本未収録作品「観客」「続モンマルトルの丘」をふくむ、全23篇(1971〜1982)を収録。
*内容見本呈。ご請求ください。


目次

人探し
観客
仮病
ハッピネス
山へ登る話
小さな神様
二度の訪問
美わしの涙
あいびき
よもつひらさか
石遊び
モグラのような
ワラビ狩り
わんこソバ
スキット
歩きながらの話
泣く話
続モンマルトルの丘
女たち
レオナルド・ダ・ヴィンチの夜
返信
有縁
『一寸先は闇』

解題 柿谷浩一
〈うろおぼえ〉という作法 中村邦生

【全巻内容】
①小銃/馬 解説=千石英世 8000円+税
②アメリカン・スクール/無限後退 解説=芳川泰久 8000円+税
③愛の完結/異郷の道化師 解説=堀江敏幸 8000円+税
④夫のいない部屋/弱い結婚 解説=平田俊子 8000円+税
⑤眼/階段のあがりはな 解説=いとうせいこう 6000円+税
⑥ハッピネス/女たち 解説=中村邦生  7000円+税
⑦月光/平安 解説=保坂和志 7000円+税
⑧暮坂/こよなく愛した 解説=千野帽子 8000円+税
★全巻セット定価=60000円+税

【小島信夫の本】
《小島信夫批評集成》
①現代文学の進退 解説=中村邦生 8000円+税
②変幻自在の人間 解説=都甲幸治 10000円+税
③私の作家評伝(全) 解説=千石英世 7000円+税
④私の作家遍歴Ⅰ 解説=保坂和志 6000円+税
⑤私の作家遍歴Ⅱ 解説=宇野邦一 6000円+税
⑥私の作家遍歴Ⅲ 解説=阿部公彦 6000円+税
⑦そんなに沢山のトランクを 解説=堀江敏幸 9000円+税
⑧漱石を読む 解説=千野帽子 8000円+税

小説の楽しみ 1500円+税
書簡文学論 1800円+税
演劇の一場面 2000円+税

未完の小島信夫 中村邦生+千石英世 2500円+税
小島信夫の読んだ本 小島信夫文庫蔵書目録 昭和女子大学図書館編 5000円+税
小島信夫の書き込み本を読む 小島信夫文庫関係資料目録 昭和女子大学図書館編 5000円+税
水声通信②/小島信夫を再読する 1000円+税

 

3月の新刊:カフカの動物物語――〈檻〉に囚われた生

2015年 4月 28日

カフカ 書影
カフカの動物物語――〈檻〉に囚われた生
山尾涼
A5判上製/256頁/定価=4000円+税
ISBN978−4−8010−0091−9 C0098 好評発売中!
装幀者=宗利淳一

〈檻〉の動物が訴えるものとは?

様々な抑圧に曝され苦しむカフカの動物たち,存在の危機に瀕する彼ら彼女ら/動物たちは隠蔽された問題を我々/人間に暴露し始める……時代の〈破れ目〉を穿つカフカの文学に,〈人間像〉再考の契機を見出す。

【目次】
はじめに
序章
第1章 〈動物物語〉とは
第2章 社会的な〈檻〉
第3章 他者との関係・身体という〈檻〉
第4章 認識という〈檻〉
最終章 動物という表象とこれからの〈動物物語〉
おわりに

参考文献
事項索引
人名索引

【著者】
山尾涼(やまおりょう)  1978年,名古屋市に生まれる。名古屋大学大学院文学研究科博士課程単位取得後退学。文学博士。専攻は,ドイツ文学。主な論文に,「生/性が否定的表象と結びつく時――カフカの短編をめぐって」(『オーストリア文学』,第28号,2012年),「世界の破れ目と回帰する〈身体〉――フロイトとカフカにまつわるアントロポロギー」(『フロイトの彼岸――精神分析,文学,思想』,日本独文学会研究叢書101号,2014年)などがある。

【関連書】
カフカと〈民族〉音楽/池田あいの/3500円+税
カフカの夢分析/フェリックス・ガタリ著,杉村昌昭訳/1800円+税

 

3月の新刊:ガラスの国境 《フィクションのエル・ドラード》

2015年 4月 28日

ピクチャ 1
ガラスの国境

カルロス・フエンテス 著
寺尾隆吉 訳

4/6判上製/352頁/定価=3,000円+税
ISBN 978-4-89176-956-7 C0397  好評発売中!
装幀=宗利淳一


文学は世界の救世主、このカルロス・フエンテスの信念に限界はない!(ガブリエル・ガルシア・マルケス)


《リオ・グランデの北、
リオ・ブラーボの南、
言葉よ、翔べ、
哀れなメキシコ、
哀れなアメリカ合衆国、
これほど神から遠く離れ、
これほど隣り合っているとは》

国境を接するメキシコとアメリカ。〈こちら側〉と〈あちら側〉の人間たちが生きる世界を九つの物語によって多層的に描き出し、登場人物たちの声を響かせ祖国《メキシコ》を高らかに謳いあげる、現代版〈人間喜劇〉。



目次

首都の娘
痛み
略奪
忘却の線
マキラドーラのマリンツィン
女友達
ガラスの国境
賭け
リオ・グランデ、リオ・ブラーボ

訳者あとがき


【著者/訳者について】
カルロス・フエンテス(Carlos Fuentes)  1928年、パナマに生まれ、2013年5月、メキシコシティにて没。父は外交官。幼少からラテンアメリカ各国やアメリカ合衆国を転々とし、1940年代半ば、メキシコシティに落ち着いて以降は、雑誌の創刊や小説作品の執筆など、精力的に文学活動に乗り出す。1960年代からは「ブームの牽引車」としてラテンアメリカ文学を常にリードし、膨大な数の長編・短編小説、戯曲、エッセイなどを残した。代表作は『澄みわたる大地』(1958年)、『アルテミオ・クルスの死』(1962年)、『テラ・ノストラ』(1975年)。ロムロ・ガジェゴス賞(1962年)、セルバンテス賞(1987年)、アストゥリアス皇太子賞(1994年)などを受賞した。

寺尾隆吉(てらおりゅうきち)  1971年、愛知県に生まれる。東京大学大学院総合文化研究科博士課程修了(学術博士)。現在、フェリス女学院大学国際交流学部准教授。専攻、現代ラテンアメリカ文学。主な著著には、『フィクションと証言の間で――現代ラテンアメリカにおける政治・社会動乱と小説創作』(松籟社、2007年)、『魔術的リアリズム』(水声社、2012年)、主な訳書には、カルロス・フエンテス『澄みわたる大地』(現代企画室、2010年)、フリオ・コルタサル『八面体』(水声社、2014年)などがある。

 

3月の新刊:ベンヤミンにおける「純化」の思考 「アンファング」から「カール・クラウス」まで

2015年 4月 28日

ベンヤミンチラシ
ベンヤミンにおける「純化」の思考 「アンファング」から「カール・クラウス」まで  
小林哲也  

A5判上製/488頁/定価6500円+税
ISBN978-4-8010-0092-6  C0010 

 「純粋さ」から「純化」へ
これまであまり顧みられることのなかった初期のテクストから、後期の難解な「カール・クラウス」まで、多様なテクストのなかで繰り返され進化していくベンヤミンの思想を丁寧に追う、俊英の研究者によるモノグラフィー。


目次
序章 
第一部 外部への憧憬/体験の外の沈黙 
第一章 「何か別のもの」への憧憬――青年運動期のベンヤミン
第二章 青年ベンヤミンとマルティン・ブーバー
第三章 ブーバー批判から言語論へ
第二部 沈黙・決意・希望――不透過なものの思考 
第一章 沈黙と反抗――ベンヤミンのギリシア悲劇論
第二章 内在と超越――「決意」の意味
第三章 不透過なものの聴き取り
第三部 「純化」の思考へ――「カール・クラウス」における思考の展開
批評家ベンヤミンとカール・クラウス
第二章 「純粋さ」と「罪」――クラウスと表現主義
第三章 「純粋さ」から「純化」へ
終章  継続と伝達
注 
文献表 
あとがき

著者について
小林哲也(こばやしてつや)
一九八一年、北海道札幌市に生まれる。京都大学大学院人間・環境学研究科博士後期課程修了。専
攻、ドイツ文学・思想。現在、京都大学非常勤講師。主な論文に、「第一次大戦、ブーバー、ベン
ヤミン――内面的決断と言語の問題」(『ナマール』第一八号、二〇一三年)、「不透過なものの
『聴き取り』――ベンヤミンによるゲーテの『親和力』読解」(『モルフォロギア』第三四号、二〇
一二年)、「デーモンの不平、デーモンの使命――一九三〇年代のカール・クラウス」(『思想』第
一〇五八号、二〇一二年)などがある。

関連書
森田團 ベンヤミン――媒質の哲学 定価7000円+税
三原弟平 ベンヤミンと精神分析――ボードレールからラカンへ 定価=2500円+税

 

2月の新刊:地平線《フィクションの楽しみ》

2015年 4月 28日

ピクチャ 1
地平線

パトリック・モディアノ 著
小谷奈津子 訳

4/6判上製/192頁/定価=2,000円+税
ISBN 978-4-8010-0083-4 C0097  好評発売中!
装幀=宗利淳一


ノーベル文学賞作家! 新たなる地平へ! 

青春時代の思い出の断片から浮かびあがる亡霊のようなシルエット。
かつての恋人の足跡を求めて、パリの街を彷徨するひとりの男。
かすかな記憶の糸が、40年の時を経て、恋人の生まれたベルリンへと誘う……

《何も変えずに、何もかも変えてしまった》モディアノ、今まで以上に新鮮なモディアノの誕生を告げる記憶と夢想の物語。

【著者/訳者について】
パトリック・モディアノ(Patrick Modiano)  1945年、パリ近郊ブーロニュ=ビヤンクールに生まれる。作家。2014年、ノーベル文学賞を受賞。主な作品には『暗いブティック通り』(平岡篤頼訳、白水社、2005年)、『八月の日曜日』(堀江敏幸訳、水声社、2003年)、『1945年。パリの尋ね人』(白井成雄訳、作品社、1998年)などがある。

小谷奈津子(こたになつこ)  1971年、鳥取県生まれ。レンヌ第二大学でモディアノの研究を始める。明治大学大学院博士課程満期退学。現在、明治大学ほか非常勤講師。専門、現代フランス文学、フランス語学。主な著書に、『エスプランナード』(朝日出版社、2015年)などがある。



パトリック・モディアノの本〔価格税別〕
八月の日曜日 堀江敏幸訳 2200円+税
家族手帳 安永愛訳 2500円+税
あなたがこの辺りで迷わないように 余田安広訳 近刊

 

2月の新刊:氷山へ《批評の小径》

2015年 4月 28日

氷山へ
氷山へ
J・M・G・ル・クレジオ(著)
中村隆之(訳)
今福龍太(解説)



判型:四六判上製
頁数:143頁
定価:2000円+税
ISBN:978−4−8010−0082−7 C0098 好評発売中!
装幀者: 宗利淳一


“ことばの極北”への旅――

“「イニジ」「氷山」、これらは、フランス語が生み出したもっとも美しく、もっとも純粋で、もっとも真実な詩のうちでも究極の二篇だ。”2008年にノーベル文学賞を受賞したル・クレジオの思考と実践に大きな影響を与えた孤高の詩人アンリ・ミショーの至高の詩編「氷山」「イニジ」について、“読むことは旅すること”だと語るル・クレジオが、包括的かつ詩的に綴る珠玉の批評-エッセイ。


目次:
氷山へ
イニジ/アンリ・ミショー
イニジ

ことばの氷海への至上の誘い/今福龍太
訳者あとがき


著者・訳者紹介:
J・M・G・ル・クレジオ 1940年,南仏ニースに生まれる。小説家。1963年のデビュー作『調書』でルノドー賞を受賞。2008年にノーベル文学賞を受賞。主な作品に,『物質的恍惚』(豊崎光一訳,岩波書店,2010),『悪魔祓い』(高山鉄男訳,岩波書店,2010),『隔離の島』(中地義和訳,筑摩書房,2013)などがある。

中村隆之(なかむらたかゆき) 1975年,東京都に生まれる。東京外国語大学大学院博士課程修了。現在,大東文化大学専任講師。専攻,フランス語圏カリブ海文学。主な著書に,『カリブ-世界論』(人文書院,2013)などがある。

 

2月の新刊:小島信夫短篇集成⑤ 眼/階段のあがりはな

2015年 4月 28日

小島短篇5カバ
小島信夫短篇集成⑤ 眼/階段のあがりはな

編集委員=千石英世・中村邦生
編集協力=柿谷浩一
解説=いとうせいこう
月報=佐々木敦・影山恒男・吉増剛造

A5判上製/416頁/定価6000円+税

ISBN978-4-8010-0065-0 C0393 好評発売中!

装幀=西山孝司


長篇でさえ「化かされた」私を、短篇はより激しく混乱させた。時には書いてあることの意味さえ見失うような事態にもなったし、それがとんでもなくスリリングでもあった。(いとうせいこう「解説」より)

小島信夫の全短篇を網羅するシリーズ、第5回配本。
饒舌な語り手の独り語り、書簡体小説、エッセイ的・自伝的な要素を多分にふくむ小説など、著者の模索と挑戦が読者を挑発する。
妻の入院・手術を滑稽かつ哀切に描き、『抱擁家族』のサイドストーリーとも言える「眼」、郷里への回想のうちにそこに息づく人々の本質を描き、小島文学読解のための重要な鍵を秘める「郷里の言葉」、小説とエッセイの境を曖昧化させる著者の晩年の作風を先取りする「花・蝶・犬・人」などの他、単行本未収録作品「幽霊」「友情」「花・蝶・鳥・犬」をふくむ、全22篇(1962〜1970)を収録。
*内容見本呈。ご請求ください。


目次


感情旅行
ある作家の手記
棲処
冷たい風
季節の恋
家の誘惑
洪水
小さな歴史
船の上
カフス・ボタン
或る一日
ガリレオの胸像
雨を降らせる
靴の話
夫のいない部屋
四十代
弱い結婚(1962年版)

弱い結婚(1968年版)

解題 柿谷浩一
おびやかすもの 平田俊子


【全巻内容】
①小銃/馬 解説=千石英世 8000円+税
②アメリカン・スクール/無限後退 解説=芳川泰久 8000円+税
③愛の完結/異郷の道化師 解説=堀江敏幸 8000円+税
④夫のいない部屋/弱い結婚 解説=平田俊子 8000円+税
⑤眼/階段のあがりはな 解説=いとうせいこう 6000円+税
⑥ハッピネス/女たち 解説=中村邦生  7000円+税
⑦月光/平安 解説=保坂和志 7000円+税
⑧暮坂/こよなく愛した 解説=千野帽子 8000円+税
★全巻セット定価=60000円+税

【小島信夫の本】
《小島信夫批評集成》
①現代文学の進退 解説=中村邦生 8000円+税
②変幻自在の人間 解説=都甲幸治 10000円+税
③私の作家評伝(全) 解説=千石英世 7000円+税
④私の作家遍歴Ⅰ 解説=保坂和志 6000円+税
⑤私の作家遍歴Ⅱ 解説=宇野邦一 6000円+税
⑥私の作家遍歴Ⅲ 解説=阿部公彦 6000円+税
⑦そんなに沢山のトランクを 解説=堀江敏幸 9000円+税
⑧漱石を読む 解説=千野帽子 8000円+税

小説の楽しみ 1500円+税
書簡文学論 1800円+税
演劇の一場面 2000円+税

未完の小島信夫 中村邦生+千石英世 2500円+税
小島信夫の読んだ本 小島信夫文庫蔵書目録 昭和女子大学図書館編 5000円+税
小島信夫の書き込み本を読む 小島信夫文庫関係資料目録 昭和女子大学図書館編 5000円+税
水声通信②/小島信夫を再読する 1000円+税

 

2月の新刊:タイムコレクション

2015年 4月 28日

見積書002
タイムコレクション
今井祝雄=著 大日方欣一=構成・テキスト執筆
A5判上製/120頁/定価3200円+税
ISBN978−4−8010−0081−0 C0070 好評発売中!
造本=宗利淳一

〈不可視な時間の厚みを探る〉
《具体》グループの最年少の作家のひとりとして、白の立体的な造形から出発した今井祝雄は、1970年代初めから80年代にかけて、さまざまな映像メディアを駆使し、「時間」という不可視な存在をとらえる一連の実験に挑み続けた。時間を分節し、積み重ねる作品(《RED LIGHT》 《ビデオスナップ》《タイムコレクション》など)や、ポラロイドの即時性、ビデオの同時性を活用したパフォーマンス(《時間の衣裳》《矩形の時間》《オンエア》など)をとおして「映像」と「時間」をめぐる探求の軌跡を「いま」再考する。

目次
Ⅰ フレームのうちそと 1970−74
Ⅱ 水平線〜時間の風景 1974−77
Ⅲ タイムコレクション 1977−

著者について
今井祝雄(いまいのりお)
1946年、大阪市に生まれる。美術家、成安造形大学名誉教授。
大阪市立工芸高校在学中から吉原治良に師事し、具体美術協会に参加。1966年、第十回シェル美術賞1等賞受賞。以来、内外の展覧会に出品多数。1970年代から写真やビデオによる作品を制作。
構成・テキスト執筆者について
大日方欣一(おびなたきんいち)
1960年、東京都に生まれる。フォトアーキビスト、武蔵野美術大学造形研究センター客員研究員。企画に携った展覧会に「大辻清司フォトアーカイブ展」「かたちとシュミレーション―—北代省三の写真と実験」「映像2013」などがある。

 

2月の新刊:ヴィクトル・セガレン伝

2015年 4月 28日

セガレン伝 書影
ヴィクトル・セガレン伝
著者=ジル・マンスロン
訳者=木下誠
A5判上製/688頁+別丁図版8頁/定価=10000円+税
ISBN978-4-8010-0087-2 C0098 好評発売中!
装幀=齋藤久美子

旅する作家の偉大なる生=作品。

ブルターニュからポリネシアへ移り,ゴーギャンの遺品に霊感を受け,ドビュッシーとのオペラ共作に励み,二度にわたって中国を経巡り,〈多様性〉の美学としての〈エグゾティスム〉を唱る,常に新しい形式の作品を試み,時代に先駆けたセガレンの生=作品の全貌を描き出す。

【目次】
日本語版への序文
謝辞
第1部 ブルターニュの幼年時代
第2部 学業の歳月
第3部 最初の旅
第4部 音楽から書くことへ
第5部 中の帝国から自己自身の帝国へ
第6部 「もう後ろしか見ない」
第7部 「この心地よい墓は私の墓だ」
原注
訳注
地図
書誌
人名索引
訳者あとがき

【著者/編訳者】
ジル・マンスロン(Gilles Manceron)  1946年,パリに生まれる。歴史家,フランス人権同盟(LDH)副会長。主な著書に,セガレンとアンリ・マンスロンの往復書簡集『忠実な裏切り――書簡集(1907―1918年)』(1985年),『岸から岸へ――アルジェリア戦争,記憶から歴史へ』(1993年),『マリアンヌと植民地――フランス植民地史への序説』(2002年)などがある。
木下誠(きのしたまこと)  1956年,鳥取県に生まれる。京都大学大学院文学研究科博士課程満期退学。現在,兵庫県立大学教授。専攻,フランス文学。主な訳書に,ヴィクトル・セガレン『〈エグゾティスム〉に関する試論/覊旅』(現代企画室,1995年),ギー・ドゥボール『スペクタクルの社会』(ちくま学芸文庫,2003年)などがある。

【セガレン著作集】
第1巻 記憶なき民 木下誠訳/7000円+税
第2巻 ゴーガン礼賛/異教の思考 丹治恆次郎訳/近刊
第3巻 二重のランボー/オルフェウス王 木下誠訳/10000円+税
第4巻 天子 黒川修司訳/4000円+税
第5巻 ルネ・レイス 黒川修司訳/4500円+税
第6巻 碑/頌/チベット 有田史郎訳/6000円+税
第7巻 絵画/想像のものたち 木下誠訳/8000円+税
第8巻 煉瓦と瓦 渡辺諒訳/近刊

 

2月の新刊:シュタイナー教育基本指針Ⅱ——三歳から九歳まで

2015年 4月 28日

見積書001
シュタイナー教育基本指針Ⅱ——三歳から九歳まで
ライナー・パツラフ、ヴォルフガング・ザスマンスハウゼン/入間カイ訳
四六判上製/192頁/定価=2500円+税
ISBN978−4−8010−0084−1 C0037 好評発売中!
装幀=齊藤久美子

〈人間の心身の健康を維持するものは何か?〉
幼児期から少年期への心身の健全な成長をうながす「健康生成」の理念と実践。
保育・幼稚園教育から学校教育への連携をめざす持続的・統合的教育法。
ドイツのヴァルドルフ(シュタイナー)学校連盟/幼稚園連盟の共同出版によるシュタイナー教育のガイドライン。

目次
まえがき
序文
個性を中心に
幼児期の学習とその特性
学校の学習への移行——適切な時期はいつか?
学校での最初の数年間
まとめ
参考文献
解題 吉田敦彦
訳者あとがき

著者について
ライナー・パツラフ教授/博士
ゲルマン文学、ギリシャ文学、哲学を学び、ベルリン自由大学研究助手、ギムナジウム教師などをへて、シュトゥットガルト自由ヴァルドルフ学校高等部教師、ヴァルドルフ教育ゼミナール講師を歴任。IPSUM(教育・感覚・メデイアエコロジー)研究所所長。ボン郊外アルフターのアラヌス大学にて「子ども時代教育」の教鞭をとる。同大学名誉教授。
ヴォルフガング・ザスマンスハウゼン教授
長年にわたりヴァルドルフ教育のさまざまな施設で活動。特に社会福祉教育専門学校の指導者を務めた。現在、ヴァルドルフ幼稚園連盟における教員養成/研修に関わり、世界各地の幼稚園や教員養成機関へ助言を行っている。
訳者について
入間カイ
1963年、鎌倉市に生まれる。現在、那須内海学園那須みふじ幼稚園理事長・園長。一般社団法人日本シュタイナー幼児教育協会代表理事。ゲーテアヌム医学セクション外部研究員。主な著・訳書に『三月うさぎのティータイム』(南方新社)、『これからのシュタイナー幼児教育』(春秋社)、グレックラー/ゲーベル『小児科診察室』、『シュタイナー教育基本指針Ⅰ』(ともに、水声社)などがある。

関連書
シュタイナー教育基本指針Ⅰ ライナー・パツラフほか/入間カイ訳 2500円+税
小児科診察室 M・グレックラーほか/入間カイ訳 4000円+税
乳幼児のためのシュタイナー保育 B・ライチェル/入間カイ訳 2500円+税
七歳までの人間教育 E・M・グルネリウス/高橋巌+高橋弘子訳 1500円+税
九歳児を考える ヘルマン・コェプケ/森章吾訳 2000円+税

 

1月の新刊:小島信夫短篇集成④ 夫のいない部屋/弱い結婚

2015年 4月 28日

小島短篇4カバ
小島信夫短篇集成④ 夫のいない部屋/弱い結婚

編集委員=千石英世・中村邦生
編集協力=柿谷浩一
解説=平田俊子
月報=竜野連・吉増剛造・猪俣和也

A5判上製/568頁/定価8000円+税

ISBN978-4-8010-0064-3 C0393 好評発売中!

装幀=西山孝司


夫婦と聞くと仲良くお茶でもすすっているようなぬくぬくとした姿が一瞬浮かぶが、実際は生易しいものではない。理解しあえぬまま闘い続ける宿敵が妻であり、夫である。結婚は夫と妻の双方をおびやかす。おびやかしてくる相手に立ち向かうように、小島は繰り返し夫婦を描いた。(平田俊子「解説」より)

小島信夫の全短篇を網羅するシリーズ、第4回配本。
前巻収録作品から引き続き、夫婦の性をさまざまな角度から考究する短篇群の他、長篇『抱擁家族』のための準備期間に書き継がれた多彩な作品群。
男子中学生の同性愛のゆくえをたどる自伝的な異色作「ガリレオの胸像」、『抱擁家族』の前日譚とも言うべき「四十代」などの他、単行本未収録作品「女」「感情旅行」「冷たい風」「家の誘惑」「カフス・ボタン」「弱い結婚」(1966年版)および「鷹」をふくむ、全20篇(1959〜1966)を収録。
*内容見本呈。ご請求ください。


目次


感情旅行
ある作家の手記
棲処
冷たい風
季節の恋
家の誘惑
洪水
小さな歴史
船の上
カフス・ボタン
或る一日
ガリレオの胸像
雨を降らせる
靴の話
夫のいない部屋
四十代
弱い結婚(1962年版)

弱い結婚(1968年版)

解題 柿谷浩一
おびやかすもの 平田俊子


【全巻内容】
①小銃/馬 解説=千石英世 8000円+税
②アメリカン・スクール/無限後退 解説=芳川泰久 8000円+税
③愛の完結/異郷の道化師 解説=堀江敏幸 8000円+税
④夫のいない部屋/弱い結婚 解説=平田俊子 8000円+税
⑤眼/階段のあがりはな 解説=いとうせいこう 6000円+税
⑥ハッピネス/女たち 解説=中村邦生  7000円+税
⑦月光/平安 解説=保坂和志 7000円+税
⑧暮坂/こよなく愛した 解説=千野帽子 8000円+税
★全巻セット定価=60000円+税

【小島信夫の本】
《小島信夫批評集成》
①現代文学の進退 解説=中村邦生 8000円+税
②変幻自在の人間 解説=都甲幸治 10000円+税
③私の作家評伝(全) 解説=千石英世 7000円+税
④私の作家遍歴Ⅰ 解説=保坂和志 6000円+税
⑤私の作家遍歴Ⅱ 解説=宇野邦一 6000円+税
⑥私の作家遍歴Ⅲ 解説=阿部公彦 6000円+税
⑦そんなに沢山のトランクを 解説=堀江敏幸 9000円+税
⑧漱石を読む 解説=千野帽子 8000円+税

小説の楽しみ 1500円+税
書簡文学論 1800円+税
演劇の一場面 2000円+税

未完の小島信夫 中村邦生+千石英世 2500円+税
小島信夫の読んだ本 小島信夫文庫蔵書目録 昭和女子大学図書館編 5000円+税
小島信夫の書き込み本を読む 小島信夫文庫関係資料目録 昭和女子大学図書館編 5000円+税
水声通信②/小島信夫を再読する 1000円+税