5月の新刊:もうひとつの時代
2025年 5月 20日 コメントは受け付けていません。
もうひとつの時代
W・H・オーデン(著)
岩崎宗治(訳)
判型:A5判上製
頁数:232頁
定価:4000円+税
ISBN:978-4-8010-0860-1 C0098
装幀:齋藤久美子
5月下旬発売!
今を生きる人間にとって「もうひとつの時代」などないのだ
20世紀最大の詩人の一人、W・H・オーデンが、1930年代後半の〈危機の時代〉に終生の伴侶となるチェスター・カルマンに捧げた詩集。
【目次】
第Ⅰ部 人びとと国ぐに
肖像
〈法〉は〈愛〉のように
動物たち
学童たち
オックスフォード
A・E・ハウスマン
エドワード・リア
死の舞踏
予言者たち
冬のブリュッセル
ランボー
地獄
ハーマン・メルヴィル――リンカン・カースタインのために
首都
ぼくらの偏見
パスカル
フェルネーのヴォルテール
子守歌
オルフェウス
小説家
美術館
作曲家
神の召喚のように
どこから彼らは来るのだ?
ブリュッセル南駅
ある晩ふらり外に出て
マシュー・アーノルド
ドーヴァー
歌
もうひとつの時代
生命の樹の下で
第Ⅱ部 バラッド、ブルース、その他
もの憂い逢引き
バラッド 三篇
1 ミス・ジー
2 ジェイムズ・ハニマン
3 ヴィクター
四つの歌――ミス・ヘドリ・アンダスンのために
1 ジョニー
2 教えてくれないか、愛の真実を
3 葬送ブルース
4 カリプソ
抒情小曲
ローマ城壁のブルース
独裁者の墓碑銘
無名市民
亡命者のブルース
第Ⅲ部 折りにふれて――追悼詩など
スペイン1937年
W・B・イェイツ追悼
エルンスト・トラー追悼
1939年9月1日
ジクムント・ フロイト追悼
祝婚歌
W・H・オーデンと1930年代イギリス
訳者あとがき
新版への追記
【著者について】
W・H・オーデン(Wystan Hugh Auden)
1907年、イギリスのヨークに生まれ、1973年、ウィーンに没する。オックスフォード大学卒業。1930年代英国詩壇の若き旗手となり、39年にニューヨークに移住。翌年、キリスト教に復帰。46年、アメリカ合衆国の市民権を得る。56年、オックスフォード大学詩学教授に就任。主な詩集に、THE ORATORS, Faber and Faber, 1932 (『演説者たち』、国文社、1977年)、 LOOK STRANGER !, Faber and Faber, 1936(『見よ、旅人よ』、平凡社、1959年)、ANOTHER TIME, Faber and Faber, 1940(『もうひとつの時代』、国文社、1997年/水声社、2025年)、NEW YEAR LETTER, Faber and Faber,1941 (『新年の手紙』、国文社、1981年)、FOR THE TIME BEING, Random House, 1944(『しばしの間は』、国文社、1986年)、THE AGE OF ANXIETY, Random House, 1947 (ピューリッツァー賞受賞作、『不安の時代』、国文社、1993年)、NONES, Random House, 1951 (『九時課の祈り』)、 THE SHIELD OF ACHILLES, Random House, 1955 (『アキレスの盾』)、HOMAGE TO CLIO, Random House, 1960 (『クリオ賛歌』)、ABOUT THE HOUSE, Random House, 1965 (『家について』)、CITY WITHOUT WALLS, Random House, 1969 (『城壁のない都市』)などがある。
【訳者について】
岩崎宗治(いわさきそうじ)
1929年、三重県に生まれる。Master of Letters(ケンブリッジ大学)、文学博士(名古屋大学)、名古屋大学名誉教授。主な著書に、『シェイクスピアのイコノロジー』(三省堂、1994年)、『シェイクスピアの文化史』(名古屋大学出版会、2002年)、主な訳書に、I・A・リチャーズ『文芸批評の原理』(垂水書房、1962年/八潮出版、1970年)、『科学と詩』(八潮出版、1974年)、W・エンプソン『曖昧の七つの型』(研究社、1974年/岩波文庫、2006年/水声社、2022年)、T・S・エリオット『荒地』(岩波文庫、2010年)、W・シェイクスピア『ソネット集と恋人の嘆き』(国文社、2015年)、編訳書に『ペトラルカ恋愛詩選』(水声社、2020年)などがある。
【関連書】
アキレスの盾/W・H・オーデン/4000円+税