12月の新刊:TANKURI――創造性を撃つ

2018年 12月 10日 コメントは受け付けていません。

tankuriTANKURI
創造性を撃つ
中村恭子+郡司ペギオ幸夫(著)

判型:B5判上製
頁数:フルカラー198頁
定価:4000円+税
ISBN:978-4-8010-0389-7 C0070
装幀:中村恭子
12月26日頃発売!


藝術――外部を召喚する装置、いや墓とは?
藝術作品の〈解読〉が〈構想〉になり、〈構想〉が〈解読〉となる。その相互運動は解読と実践の両輪をもたらし、創造とは何かを狙い撃つ。
中村恭子の代表作をフルカラーで一挙掲載。日本画家と、理論生命科学者が、まばゆいばかりに光輝く創造性の本源に鋭く迫る!

目次
本書について
はじめに

第一章 生殖の線――オフリスとキログロティス
 オフリス
 キログロティス
 芸術係数
第二章 断片となること・断片として生きること
 百刻みの刑
 全体なき身体
 過去にパクられる
第三章 虎と彪
 虎の衣を借る狐
 彪蘭またはぶんぶん
 世界拒否と外部
第四章 道具としての生きもの・道具としての「わたし」
 蛸工図
 冴截図――たったひとつの冴えたやり方
 アンパンマン再考
第五章 背中のファスナーを下ろすと人間が出る
 熊を被りに極北を目指して
 たまを放つ
 熊奏図
 残された謎
第六章 異質なものの接続――閉じることで開く
 そうめんとすいか
 グッピー効果――閉じて開く
第七章 なめとこ山のカワウソ
 熊と小十郎の無関係性
 カワウソ玉
第八章 首を擡げるアルシブラ
 アルシブラ
 カモノハシ
 ハス
 カモノハス――急上昇
第九章 皿鉢(さわち)でモービィ・ディック(往復書簡)
 等身大の外部
 切って繋ぐ「口直し」
 シャルル・フーリエの愛の新世界
 シャルル・フーリエの無限小
 皿鉢料理における外部の召喚
 無限小を担う藝術へ
第一〇章 あさりと古墳――存在としての懐かしさ
 ウルトラ・バーチャルリアリティー
 一度も現在でなかった過去
 “原”存在としての懐かしさ
 古墳の廃墟
 風景を愛でるもの・風景に生きること
第一一章 花喰鳥(往復書簡)
 テクノロジカル・メカニカル/マジカル日本画
 キッチュの向こう側
 ラ・ヴェネツィアーナ
 絵画とベルグソンの過去
 宇津の山図屏風
 向こう側の抽象性
 「やってくるもの」の無関係性
 マジカル日本画としての中村作品

おわりに




特別付録 独身者の機械再考

著者について
中村恭子(なかむらきょうこ)
日本画家、早稲田大学招聘研究員・東京外国語大学アジア・アフリカ言語文化研究所フェロー。1981年生、東京藝術大学卒業、同大学大学院博士後期課程修了(博士(美術))。展覧会に、「シンビズム展」(諏訪市美術館、2018)、「中村恭子皿鉢絵巻展(Art Space Kimura ASK?、2017)、「中村恭子日本画作品展」(東京外国語大学アジア・アフリカ言語文化研究所、2015)など多数。書籍装画に、《蛸工図》(郡司ペギオ幸夫『いきものとなまものの哲学』(2014、青土社))、《生殖の線―スペキュラム―》(松田修『刺青・性・死 逆光の日本美』(2016、講談社学術文庫))、《百刻みの刑》(V・ナボコフ『アーダ』(2017、早川書房))などがある。
郡司ペギオ幸夫(ぐんじぺぎおゆきお)
早稲田大学基幹理工学部表現工学科教授・神戸大学名誉教授。1959年生、東北大学理学部卒業、同大学大学院博士後期課程修了(理学博士)。1987年神戸大学理学部地球科学科助手、助教授を経て1999年教授、2014年より現職。主な著書に、『原生計算または存在論的観測』(2004、東京大学出版会)、『生命理論』(2006、哲学書房)、『生命壱号』(2010、青土社)、『群れは意識をもつ』(2013、PHP新書)、『いきものとなまものの哲学』(2014、青土社)、『生命、微動だにせず』(2018、青土社)、『天然知能』(近刊、2019、講談社)などがある。

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