1月の新刊:曖昧の七つの型《記号学的実践叢書》

2022年 1月 13日 コメントは受け付けていません。

曖昧の七つの型書影曖昧の七つの型
《記号学的実践叢書》
ウィリアム・エンプソン(著)
岩崎宗治(訳)

判型:A5判上製
頁数:576頁
定価:8000円+税
ISBN:978-4-8010-0613-3 C0098
装幀:中山銀士
1月下旬頃発売!

試し読み◀/▶直接のご注文はこちらへ◀︎

詩の美しさは〈曖昧〉にある。
ウィリアム・エンプソンは、詩の美しさとは、その言葉の音調の美しさや、
雰囲気の霊妙さにあるのではないと断言し、詩を構成する語が、
同時にいくつかの意味を持つ多義性にあると主張し、これを〈曖昧〉とよんだ。
彼は詩の言葉の〈曖昧〉を、意味の重なり方の複雑さに従って七つの型に分類し、
チョーサー、シェイクスピア、ポープ、キーツ、シェリー、エリットら、
古今の英詩を仔細に分析した。言語分析批評の確立であった。
エンプソンのこの〈曖昧〉の概念とその分析手法は、ニュー・クリティシズムを生み、
さらにその後の文学批評の流れの中でも強い支持を失うことはなかった。



目次

はじめに――エンプソンヘの誘い

初版への序

Ⅰ 第一の型
Ⅱ 第二の型
Ⅲ 第三の型
Ⅳ 第四の型
Ⅴ 第五の型
Ⅵ 第六の型
Ⅶ 第七の型
Ⅷ 結語

【付録】
再版への序
第三版への注記

原注
訳注

訳者あとがき

索引

著者について
ウィリアム・エンプソン(William Empson)
1906年、英国ヨークシャーに生まれ、1984年に歿した。名門パブリック・スクールとして知られるウィンチェスター・コレッジを卒業後、1925年、数学専攻の学生としてケンブリッジ大学に入学、1928年、英文学専攻に転じI・A・リチャーズに師事、レポートとして英詩における語の意味の重層性を論じる一連のエッセイを書き、これらは1930年に『曖昧の七つの型』として出版され、文学批評に新しい地平を拓くことになった。主な著書に、『牧歌の諸変奏』(1935年)、『複雑語の構造』(1951年)、『ミルトンの神』(1961年)、『伝記を用いて』(1984年)、死後出版として『シェイクスピア論』(1986年)、『仏陀の顔』(2016年)などがある。エンプソンはまた、学生時代から詩人としても知られ、『詩集』(1935年)、『つよまる嵐』(1940年)、『詩集』(1995年)、『全詩集』(2001年)などがある。1931―34年に来日、東京文理科大学と東京帝国大学で教え、1953年から71年までシェフィールド大学教授を勤めた。

訳者について
岩崎宗治(いわさきそうじ)
1929年、三重県に生まれる。Master of Letters(ケンブリッジ大学)、文学博士(名古屋大学)、名古屋大学名誉教授。主な著書に、『シェイクスピアのイコノロジー』(三省堂、1994年)、『シェイクスピアの文化史』(名古屋大学出版会、2002年)、主な訳書に、I・A・リチャーズ『文芸批評の原理』(垂水書房、1962年/八潮出版、1970年)、『科学と詩』(八潮出版、1974年)、W・エンプソン『曖昧の七つの型』(研究社、1974年/岩波文庫、2006年)、T・S・エリオット『荒地』(岩波文庫、2010年)、W・シェイクスピア『ソネット集と恋人の嘆き』(国文社、2015年)、編訳書に『ペトラルカ恋愛詩選』(水声社、2020年)などがある。

関連書
ペトラルカ恋愛詩選/岩崎宗治編訳/3000円+税

Comments are closed.