6月の新刊:オッティーリエの掌——批評集成

2023年 6月 9日 コメントは受け付けていません。

オッティーリエの掌オッティーリエの掌
批評集成
有馬弘純(著)

判型:A5判並製
頁数:348頁
定価:3500円+税
ISBN:978-4-8010-0734-5 C0098
装幀:齋藤久美子
6月下旬発売!

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〈性愛は人生において最大の非合理的能力である〉
漱石『三四郎』に描かれる恋愛と婚姻制度をめぐる葛藤を考察し、〈性〉というものの基層に迫った表題作ほか、劇作家別役実の長年の友人であった著者が、その死を契機に別役、佐々木基一、金鶴泳らとの交流を振り返るとともに、近代日本文学、フランス文学、映画をめぐる多彩な批評を集成する。



目次

批評と読感

オッティーリエの掌
X論への一つの試論――「生存」と「生活」に関する疎外形態についての一考察
批評と創造、そのアクシスの問題についての覚書
花田清輝『東洋的回帰』について――状況課題へのメッセージ
読感二題――今村太平『志賀直哉論』/バルザック『恐怖時代の一挿話』
梅崎春生『幻化』について
時空間劇詩への探索行

追想 別役実・佐々木基一・金鶴泳

林檎の翳――別役実へのオマージュ
佐々木基一氏の困難な仕事
佐々木基一さんのこと
金鶴泳のこと

映画批評

復讐の作家ルイス・ブニュエル
劇化思想の転回と契機――僕のうちなる映写幕
「不在」からの問い――『シベールの日曜日』の残酷さ
リーコックの『五ツ児誕生』について
二つのモメントの透視――『晴れた空』に対する批評の態度
映画作家の思想と方法――浅沼圭司氏の『現代の映画』評に
『近松物語』『心中天網島』の対比における限界状況の問題について
裏切られた「湯屋」の思想
「性と社会」こそが問題――映画『水で書かれた物語』への視点について
光輝ある国辱映画――『壁の中の秘事』について
ある映画にふれての若干の感想

コントと断章

「日暮れ塗遠し……」
厭犬記
名人、まだ朝ですから
奇妙な交錯
NO GOOD DAY
往き当たりバッタリ還暦紀行
浄閑寺騒動
輪島のおやじ
厠想記
或る日の出来事

摺作の試み

青空とYシャツ

著者について
有馬弘純(ありまひろずみ)
1937年、大阪市に生まれる。早稲田大学文学部中退。1970年、別役実、喜多哲正らと同人誌『季刊評論』を創刊し、主宰。「杉並シネクラブ」運動に参加し、機関誌『眼』の編集などに従事。『佐々木基一全集』(河出書房新社、2012―2013年)編集委員。著書に、『漱石文学の視界』(論創社、2016年)などがある。

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