11月の新刊:戦後フランスの前衛たち——言葉とイメージの実験史

2023年 11月 7日 コメントは受け付けていません。

書影_戦後フランスの前衛たち戦後フランスの前衛たち
言葉とイメージの実験史
進藤久乃(編)

判型:A5判上製
頁数:368頁
定価:6,000円+税
ISBN:978-4-8010-0755-0 C0098
装幀:Gaspard Lenski
11月下旬頃発売!

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前衛運動のゆくえ
大戦後の芸術運動(コブラ、レトリスム、シチュアシオニスト)を俯瞰する第一部、前衛周辺の作家たち(ポーラン、ポンジュ、パタフィジック、ベケット)を論じる第二部、詩に革新をもたらした音声詩、視覚詩の展開を見据える第三部を通して、戦後フランスの前衛運動の見取図を描き出す。



目次

はじめに(進藤久乃)

第一部 第二次世界大戦という断絶から

サン゠タルバンのパラドックス(ラファエル・ケニーグ)
コブラとシュルレアリスム(長谷川晶子)
コブラ時代におけるクリスチャン・ドートルモンの手書き文字――言葉の「茂み」の中を生きる(進藤久乃)
ある概念の生成――アンテルナシオナル・レトリストと「転用」の理論(門間広明)
北脇昇――サルバドール・ダリ作品の再解釈ともう一つのシュルレアリスムの探求(ヴァンサン・マニゴ)

第二部 前衛と文学的伝統

ジャン・ポーラン――修辞学・アンフォルメル・言葉をめぐって(久保田斉也)
文字を杖に――フランシス・ポンジュの「Joca Seria」をめぐって(綾部麻美)
「演劇に詩を取り入れること」――サミュエル・ベケット『クワッド』(菊池慶子)
渡辺一夫、コレージュ・ド・パタフィジックの太守(前山悠)

第三部 詩的言語の解放││視覚詩と音声詩

(行動/直接/元素/全体……)詩(ガエル・テヴァル)
詩とその進行――アルトー、視覚詩を経て音声詩へ(熊木淳)
フランスと日本の前衛詩学の接点――ピエール&イルゼ・ガルニエと新国誠一(マリアンヌ・シモン=及川)
「音声詩・行為詩」がめざしたもの――フランス、一九四五年以降を中心に(ジャン = ピエール・ボビヨ)

読書案内
人名索引

編者について
進藤久乃(しんどうひさの) 國學院大學准教授(シュルレアリスム研究)。主な論文に、 « La Main à plume. Un groupe surréaliste sous l’Occupation »(Collectif, Circulations littéraires : Transferts et traductions dans l’Europe en guerre (1939-1945), Presses Universitaires François-Rabelais, 2021)などがある。

執筆者について
ラファエル・ケニーグ(Raphaël Koenig) コネチカット大学助教(フランス文学・比較文学)。主な著書に、L’art brut, objet inclassable? (Collectif, Presses Universitaires de Bordeaux, 2021)などがある。
長谷川晶子(はせがわあきこ) 京都産業大学准教授(シュルレアリスム研究)。主な著書に、『ジョゼフ・フルーリ・クレパン――日常の魔術』(水声社、2018年)、『狂気のディスクルス』(共著、夏目書房、2006年)などがある。
門間広明(もんまひろあき) 北海学園大学准教授(フランス文学・思想)。主な訳書に、ブランショ『謎の男トマ』(月曜社、2014年)、ブランショ『文学時評1941-1944』(共訳、水声社、2021年)などがある。
ヴァンサン・マニゴ(Vincent Manigot) 早稲田大学法学学術院准教授(前衛芸術・シュルレアリスム研究)。主な論文に、「Surréalisme et bande dessinée : un rendez-vous manqué」(『人文論集』59号、2021年)、「日本のシュルレアリスム――固有かつ総合的な芸術運動の試み」(『Art Trace Press』4号、2016年)などがある。
久保田斉也(くぼたよしや) 早稲田大学非常勤講師(近代フランス文学・文化)。主な論文に、「ギュスターヴ・フローベール『感情教育』論――実定的な視線のもとで」(博士論文、2017年)、「ジャン・ポーラン論(3)――ある精神的「幻想」について」(『Etudes françaises』27号、2020年)などがある。
綾部麻美(あやべまみ) 慶應義塾大学准教授(20世紀フランス詩)。主な著書に、『フランス文学史Ⅱ』(共著、慶應義塾通信教育部、2016年)、主な論文に、Francis Ponge : un atelier pratique du « moviment »(博士論文、2014年)、主な訳書に、コルバン『草のみずみずしさ』(共訳、藤原書店、2021年)などがある。
菊池慶子(きくちけいこ) 慶應義塾大学非常勤講師(フランス文学)。主な著書に、『サミュエル・ベケット!――これからの批評』(共著、水声社、2012年)、主な論文に、「孤独の芸術家――サミュエル・ベケットの絵画論における「見ないこと」について」(『表象・メディア研究』6号、2016年)などがある。
前山悠(まえやまゆう) 大分県立芸術文化短期大学専任講師(現代フランス文学)。主な著書に、La Disparition,1969-2019 : un demi-siècle de lecturesCahiers Georges Perec, n° 13, Le Castor Astral, 2019)、主な訳書に、デュマ『千霊一霊物語』(光文社古典新訳文庫、2019年)、『クローデル小喜劇集』(共訳、水声社、2019年)、カミュ『転落』(光文社古典新訳文庫、2023年)などがある。
ガエル・テヴァル(Gaëlle Théval) ルーアン大学教授資格教員、リヨン第三大学MARGE 研究所メンバー(現代実験詩、パフォーマンス詩)。主な著書に、Poésies ready-made, XXe-XXIe siècles(L’Harmattan, 2015)、主な編著に、Livre/ Poésie : une histoire en pratique(s) (Éditions des Cendres, 2017)、Livre / Typographie une histoire en pratique(s) (Éditionsdes Cendres, 2020)などがある。
熊木淳(くまきあつし) 獨協大学専任講師(現代フランス詩)。主な著書に、『アントナン・アルトー 自我の変容』(水声社、2014年)、主な論文に、« La poésie et l’entreprise : travail et répétition chez les poètes sonores »(Fabula / Les colloques, 2021)、« La Voix résistant : « Révolte contre la poésie » d’Antonin Artaud et la poésie d’action de BernardHeidsieck » (ERTA, nº10, 2016)などがある。
マリアンヌ・シモン = 及川(Marianne Simon-Oikawa) パリ・シテ大学教授(現代詩・日仏文化交流)。主な編著に、『テクストとイメージ――アンヌ゠マリー・クリスタンへのオマージュ』(2018年)、『詩とイメージ――マラルメ以降のテクストとイメージ』(2015年)、『絵を書く』(共編、2012年、以上、水声社)などがある。
ジャン = ピエール・ボビヨ(Jean-Pierre Bobilllot) グルノーブル・アルプ大学名誉教授(近現代フランス文学)。主な著書に、Poésie sonore: Éléments de typologie historique (Le Clou dans le fer, 2009), Quand éCRIre, c’est CRIer. De la POésie sonore à la médioPOétique (Atelier de l’agneau, 2016)などがある。

訳者について
福田裕大(ふくだゆうだい) 近畿大学准教授(フランス文学・メディア史)。主な著書に、『シャルル・クロ 詩人にして科学者――詩、蓄音機、色彩写真』(水声社、2014年)、『声と文学』(共著、平凡社、2017年)などがある。
森田俊吾(もりたしゅんご) 奈良女子大学専任講師(近現代フランス詩)。主な論文に、« L’invention du Sprungrhythm dans la poésie française »(『フランス語フランス文学研究』120号、2022年)、主な訳書に、バルト『バルザックの『サラジーヌ』について』(共訳、水声社、2022年)などがある。

関連書
異貌のパリ 1919-1939――シュルレアリスム、黒人芸術、大衆文化/澤田直編/4,000円+税
絵を書く/マリアンヌ・シモン=及川編/4,000円+税
詩とイメージ――マラルメ以降のテクストとイメージ/マリアンヌ・シモン=及川編/4,000円+税
テクストとイメージ――アンヌ=マリー・クリスタンへのオマージュ/マリアンヌ・シモン=及川編/4,500円

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