4月の新刊:『現代思想と〈幾何学の起源〉』

2014年 7月 30日 コメントは受け付けていません。

現代思想と〈幾何学の起源〉――超越論的主観から超越論的客観へ

現代思想書影
中田光雄

A5判上製/272頁/定価=4000円+税

ISBN978-4-8010-0012-4 C0010 好評発売中

 

数多の哲学者たちが魅了された人類の思考の初源=《幾何学の起源》という問題を、フッサール、メルロ=ポンティ、デリダ、ミシェル・セールらの思考をたどることにより再検証し、今日の、そして今後の「知」と「学」の営為を問う。

 
【目次】
まえがき

序 なぜ、〈幾何学の起源〉を問うのか?
1 なぜ、「幾何学」なのか?
2 なぜ、「起源」なのか?

第Ⅰ章 〈起源〉のイデアロジー(理—開−性)――E・フッサール
1 起源と起−源=開−源
2 〈理念的なもの〉の歴史性? 歴史性と歴—開−性
3 かくて、幾何学は起−源する――開−起と開基
4 〈理念化〉作業の意味と基準――生活世界の再−活性化

第Ⅱ章 〈起源〉のエルデオロジー(地−開−性)――M・メルロ=ポンティ
1 現象学の〈極限〉? 「深い生」のなかに「透かし見える」……
2 幾何(形象)学の極限? 開−起・開−展のメタフォロジー
3 〈理念性〉と時間性――〈原−理念的なもの〉からの開−成としての
4 原−言語――無底と間−成
5 〈戦う真理〉――開−起の絶えざる新−開基としての
6 大地と方舟――〈開〉のメタ存在論
追補 「線という構成的空虚が物の実在性を支える」……

第Ⅲ章 〈起源〉のゲシヒテオロジー(歴−開−性)――J・デリダ
1 パロールの思想家・原デリダ?
2 『危機』と『起源』
3 起源への応答と責任
4 歴史と歴−開−性――可能性の条件と潜勢態
5 原−幾何学者としての哲学者――超越論的・歴開的−協働主観による、〈起源〉の〈テロス(目的)〉への変換
6 理念と理念化、能作性と非−恣意性――超越論的地平の開闢
7 思惟の系譜――〈理念〉から〈差延〉へ

第Ⅳ章 〈起源〉のコスモロジー(天−開−性)――M・セール
1 現代哲学とセール思想
2 〈origine〉と〈foundation〉――なぜ、起源を問うのか?
3 幾何学の本質
4 起源――〈第三項排除の原則〉
5 起源――〈第三項包摂の原則〉
6 歴史的起源――エジプト、バビロン、タレス、フッサール
7 神話的起源――メティスとアテナ
8 「世界に帰る、宇宙の使徒として」――宇宙論的意味づけ

第Ⅴ章 超越論的地平、理象性の範域、現象圏
1 そのメタ存在論
2 その本質機能論
3 その実践論

結 幾何学、起源論、現代科学
1 『五輪の書』と「四開の書」?
2 〈iPS〉(人工多能性幹細胞)問題と起源論
3 〈カラビ=ヤウ−六次元幾何〉と起源論



 
【著者】
中田光雄(なかたみつお) 1939年生まれ。東京大学教養学部教養学科卒。同大学院人文科学研究科博士課程中退。パリ大学大学院哲学科博士課程修了。仏国文学博士(Doc. es Lettres)。筑波大学名誉教授。仏国学術勲章。主な著書に、『ベルクソン哲学』(東京大学出版会、1977年)、『抗争と遊戯』(勁草書房、1987年)、『文化・文明』(創文社、1990年)、『政治と哲学』(上下、岩波書店、2002年)、『ベルクソン読本』(共著、法政大学出版局、2005年)、『正義・法−権利・脱−構築』(創文社、2008年)、『現代を哲学する』(理想社、2008年)などがある。

【中田光雄の本】
哲学とナショナリズム――ハイデガー結審 4000円+税
差異と協成――B・スティグレールと新ヨーロッパ構想 5000円+税

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