5月の新刊:詩作論《イタリアルネサンス文学・哲学コレクション》

2019年 4月 27日 コメントは受け付けていません。

詩作論詩作論
《イタリアルネサンス文学・哲学コレクション②》
トルクァート・タッソ(著)
村瀬有司(訳)

判型:A5判上製
頁数:160頁
定価:2500円+税
ISBN:978-4-8010-0402-3 C0397
装幀:西山孝司
5月上旬発売!


詩作のための題材/ジャンル/文体の選び方
最高の英雄詩を書くためにふさわしい題材、ジャンル、文体とは何か? アリストテレスが示した詩作の原則を念頭において、ホメロスやウェルギリウスの古典作品から、当時大流行していた奔放な作風の騎士物語までを取り上げて検討し、最良の技法を探求する。
叙事詩『エルサレム解放』をはじめとする詩作と並行して、創作技法の探求にも生涯取り組みつづけた詩人が、詩作の論理を明快に解きあかしてみせた創作論。

《多数のばらばらな筋のなかに偶発的に多彩さを生み出すのは、何の努力も要らない、ごく簡単なことです。しかし同じだけの多彩さを一つの筋のなかに作り出すのは、「これは骨折り、これは大仕事」なのです。〔……〕前者の多彩は混沌として明晰さを欠いている分、楽しみを与えることが少ないでしょう。後者の多彩は各部分のつながりと秩序によって〔……〕より多くの斬新さと驚きをもたらすでしょう。したがって詩の筋立てと形態は一つでなければなりません。》(本文より)

目次
第1巻
第2巻
第3巻

トルクァート・タッソの創作理論について/村瀬有司

著者について
トルクァート・タッソ(Torquato Tasso)  
1544年、イタリア南部のソレントに生まれる。1595年没。詩人。父にしたがってイタリア各地の宮廷を渡り歩いたのち、1565年からフェラーラのエステ家に仕え、詩作により名声を高めるものの、自作への批判、フェラーラ公との関係の悪化等から心身に変調をきたして奇行に走り、七年に及ぶ軟禁処分を受ける。解放後は各地の君主・貴族のもとに身を寄せながら創作を続け、ローマにて死去。主な著作に、本書のほか、『アミンタ』(1580刊)、『エルサレム解放』(1581刊)などがある。

訳者について
村瀬有司(むらせゆうじ)  
1969年、静岡県焼津市に生まれる。京都大学大学院文学研究科博士後期課程研究指導認定退学。現在、京都大学大学院文学研究科准教授。専攻、ルネサンス期イタリアの詩と詩論。主な論文に、「『エルサレム解放』における直接話法の配置と効果――前置型の導入表現に導かれた行頭から始まる発話について」(『イタリア学会誌』68、2018)、「『エルサレム解放』における一行の直接話法の配置と効果」(『天野惠先生退職記念論文集』、2018)などがある。

イタリアルネサンス文学・哲学コレクション
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