編集部通信/『絵本の子どもたち』続報

2010年 4月 15日 コメントは受け付けていません。

まだ発売されたばかりですが、寺村摩耶子著『絵本の子どもたち』、好評です。
早速お読みいただいた、画家で、美術評論家でもある谷川晃一さんより、
本書へのすばらしい推薦のことばをいただきました。
以下、ご紹介させていただきます。(編集部 So)



人は誰でも心の中に「子ども性」を持っている。しかしその
「子ども性」が人生の豊かさの根源だと自覚している人は少ない。
ではその「子ども性」の豊かさとは何なのか、
寺村摩耶子の『絵本のなかの子どもたち』は絵本という
独特のメディアを通して、その豊かさをさまざまな観点から語っている。
むろん「子ども性」の豊かさを開示しているものは絵本だけではなく、
音楽や美術、文学や映画、マンガにもアニメの中にも存在するが、
はじめから子ども向けに描かれた絵本は
最もシンプルにそのことを考察できるものである。

寺村摩耶子は今日の絵本の中にティピカルに現れている
フォークロア、ファンタジー、ノスタルジー、ナンセンス、
ユーモア、メタモルフォーゼ、プリミティビィズムなどを取り出し、
万華鏡のように展開している絵本の夢の魅力を、
十四人の絵本作家に即して紹介している。

かつて子どもだった大人たちが「子ども性」が孕んでいる
至福にについて気がつくならば、絵本は実に奥深く、
かつ広大な文化領域であることを本書は熱く述べている。

谷川晃一(画家・美術評論家)




ehon_cover寺村摩耶子

絵本の子どもたち——14人の絵本作家の世界

A5判上製320頁+カラー口絵8頁/定価3500円+税
ISBN 978-4-89176-779-2  C0095  4月10日頃発売!


〈子どもを生きる〉
絵本という、子どもの本を舞台に、個性あふれる美しい作品を
つくりつづけている絵本作家たち。圧倒的な輝きをはなつ
クリエイターたちの魅力を、200点以上の絵本をとおして語る、
注目の絵本作家論にして楽しいエッセイ集。カラー口絵8頁ほか図版多数収録。

絵本の森への招待。14の入口——
片山健/長新太/スズキコージ/井上洋介/荒井良二/
飯野和好/たむらしげる/宇野亜喜良/酒井駒子/沢田としき/
谷川晃一/島田ゆか/南椌椌/木葉井悦子

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