3月の新刊:東欧文学の多言語的トポス

2020年 3月 24日 コメントは受け付けていません。

東欧文学の多言語的トポス東欧文学の多言語的トポス
井上暁子(編)
三谷研爾+阿部賢一+藤田恭子+越野剛+井上暁子(執筆)

判型:四六判上製
頁数:256頁
定価:3000円+税
ISBN:978-4-8010-0476-4 C0098
装幀:宗利淳一
3月下旬頃発売!

生々流転する東欧言語文化の動態を捉える
〈文化的後進地〉のイメージ、多様性を包摂する〈中欧〉の構想、一方での近年の民族主義の台頭――〈東欧〉の相貌は変転を続けてきた。その内側では多様な言語と文化の交錯、衝突が、さらなる小さな〈中心〉と〈辺境〉の記述を生起させる。本書では、地域文学史の記述、および文学作品中の周縁地域・言語の描写の分析を通じて、〈中心〉と〈周縁〉が転覆を繰り返す場所=〈東欧〉、その文学が秘めるダイナミズムに肉薄する。

目次
ボヘミアとプラハのあいだ
――多言語地域におけるドイツ文学史記述をめぐって
三谷研爾

ボヘミアにおける文学史の系譜
――フェリクス・ヴォジチカの「文学史」論をめぐって
阿部賢一

「周縁」と「カノン」
――ルーマニア領ブコヴィナのユダヤ系ドイツ語詩人たちとゲーテ
藤田恭子

ロシア極東とベラルーシにおける中華街のイメージの比較と流通
越野剛

文学作品と流通をめぐる政治と文化の力学
――二十世紀のドイツ語文学とポーランド語文学からみる上シレジアのイメージ
井上暁子


編者・著者について
井上暁子(いのうえさとこ)
一九七五年、東京都生まれ。東京大学大学院総合文化研究科博士課程単位取得満期退学。博士(文学)。現在、熊本大学文学部准教授。専門は、ポーランド語圏を中心とした中・東欧文学。主な著書に、『東欧地域研究の現在』(共著、山川出版社、二〇一二年)、『反響する文学』(共著、風媒社、二〇一一年)などがある。

三谷研爾(みたにけんじ)
一九六一年、京都府生まれ。大阪大学大学院文学研究科博士後期課程中途退学。博士(文学)。現在、大阪大学大学院文学研究科教授。専門は、ドイツ・オーストリア文学、中欧文化論。主な著書に、『世紀転換期のプラハ――モダン都市の空間と文学的表象』(三元社、二〇一〇年)、『境界としてのテクスト――カフカ・物語・言説』(鳥影社、二〇一四年)などが、主な訳書に、マーク・アンダーソン『カフカの衣装』(共訳、高科書店、一九九七年)などがある。
阿部賢一(あべけんいち)
一九七二年、東京都生まれ。東京外国語大学大学院博士後期課程修了。博士(文学)。現在、東京大学人文社会系研究科准教授。専門は、中東欧文学、比較文学。主な著書に、『複数形のプラハ』(人文書院、二〇一二年)、『カレル・タイゲ――ポエジーの探求者』(水声社、二〇一七年)など。主な訳書に、ボフミル・フラバル『わたしは英国王に給仕した』(河出書房新社、二〇一〇年)、ヴァーツラフ・ハヴェル『力なき者たちの力』(人文書院、二〇一九年)などがある。
藤田恭子(ふじたきょうこ)
一九五八年、神奈川県生まれ。上智大学大学院文学研究科ドイツ文学専攻博士後期課程単位取得退学。博士(国際文化)。現在、東北大学大学院国際文化研究科教授。専門は、ドイツ語圏文化・文学研究、比較文化論、マイノリティ文化論。主な著書に、『「周縁」のドイツ語文学――ルーマニア領ブコヴィナのユダヤ系ドイツ語詩人たち』(東北大学出版会、二〇一四年)などがある。
越野剛(こしのごう)
一九七二年、北海道生まれ。北海道大学大学院文学研究科博士課程単位取得退学。現在、東京大学人文社会系研究科スラヴ語スラヴ文学研究室助教。専攻はロシアソ連文学。主な編著書に『社会主義文化における戦争のメモリースケープ』(共編、北海道大学出版会、二〇一九年)、『ベラルーシを知るための50章』(共編、明石書店、二〇一七年)などがある。


関連書
カレル・タイゲ――ポエジーの探求者 阿部賢一/3000円+税
カフカのプラハ クラウス・ヴァーゲンバッハ/2000円+税
カフカと〈民族〉音楽 池田あいの/3500円+税
オーストリア文学小百科 鈴木隆雄=編集主幹/10000円+税
オーストリア文学とハプスブルク神話 クラウディオ・マグリス/鈴木隆雄ほか訳/6000円+税
ヴィティコー(全3巻) アーダルベルト・シュティフター/各5000円+税
ヴォリナ マネス・シュペルバー/鈴木隆雄訳/2500円+税
ロシアの物語空間 近藤昌夫ほか/3500円+税


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