4月の新刊:ドイツ人の村――シラー兄弟の日記 叢書《エル・アトラス》

2020年 4月 3日 コメントは受け付けていません。

ドイツ人の村__書影ドイツ人の村
シラー兄弟の日記
叢書《エル・アトラス》
ブアレム・サンサール(著)
青柳悦子(訳)

判型:四六判上製
頁数:347頁
定価:3000円+税
ISBN:978-4-8010-0245-6 C0397
装幀:宗利淳一
4月下旬頃発売!

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兄弟に背負わされた現実の〈闇〉と希望の〈光〉
「兄さんの物語は僕の物語でもあり,僕たちのものであり,父さんの過去すべてだった。」
前途有望な兄ラシェルの突然の自殺に見舞われた弟のマルリクは,遺品として兄の日記を手渡される。日記をめくるごとに明らかになっていく兄の心境と自殺の動機,そしてナチスに加担した過去をもつ父親の存在……。
人がもつ孤独の闇と,それでもなお人を信頼する希望の光を,シラー兄弟の日記を通して重層的に物語る傑作長編。

著者について
ブアレム・サンサール(Boualem Sansal)
1949年,テニエト・エル・ハード(アルジェリア)生まれ。作家。アルジェ国立理工科大学卒。工学(学士・修士)と経済学(博士)の学位を取得。専門研究員の傍ら大学教員などを務めた後,産業省の高官となるも,2003年に罷免される。一九九九年,デビュー作『蛮人の誓約』を刊行後,体制批判,人権擁護,イスラーム過激主義告発の姿勢を貫く旺盛な執筆活動を展開。自由主義者として欧州で高く評価され,ドイツ出版協会平和賞(2011年),フランス・ライシテ委員会によるライシテ賞(2018年)などを受賞。主な作品には本書のほかに,『ダーウィン通り』(2011年),『2084 世界の終わり』(2015年,邦訳,河出書房新社)などがある。

訳者について
青柳悦子(あおやぎえつこ)
1958年,東京生まれ。筑波大学大学院人文社会科学研究科博士課程単位取得退学。博士(文学)。現在,筑波大学人文社会系教授。専攻,フランス系文学理論,小説言語論,北アフリカ文学。主な著書に,『デリダで読む『千夜一夜』』(新曜社,2009年)。主な訳書に,エムナ・ベルハージ・ヤヒヤ『見えない流れ』(2011年),同『青の魔法』(2015年,以上,彩流社),ムルド・フェラウン『貧者の息子』(水声社,2016年),ジャック・フェランデズ『バンド・デシネ 異邦人』(2018年),同『バンド・デシネ 客』『バンド・デシネ 最初の人間』(2019年,以上,彩流社)などがある。

関連書
叢書《エル・アトラス》

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