1月の新刊:スラヴャンスキイ・バザアル——ロシアの文学・演劇・歴史

2021年 1月 18日 コメントは受け付けていません。

スラヴャンスキイスラヴャンスキイ・バザアル
ロシアの文学・演劇・歴史
井桁貞義+伊東一郎+長與進(編)
井桁貞義+伊東一郎+浦 雅春+坂内徳明+堀江新二+岩田 貴+加藤史朗+坂内知子+阪本秀昭+長與 進(執筆)

判型:A5判上製
頁数:348頁
定価:6000円+税
ISBN:978-4-8010-0527-3 C0098
装幀:宗利淳一
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ロシア研究の小さな〈バザアル〉
1948年前後生まれ、同期のロシア/スラヴ研究者10名が数十年の時を経て一堂に会し、バフチン、チェーホフ、ロトマン、スタニスラフスキーから、日露交流史、ロシア革命、古儀式派、チェコ軍団、現代ロシア演劇まで、多様なテーマを縦横無尽に論じる。
「ロシアに魅せられたベビー・ブーマーたち」と題し、それぞれの研究人生の軌跡を振り返る特別エッセイを巻末に収録。

目次

まえがき――みんながトップランナー 井桁貞義

【Ⅰ 文学】
イワーノフ―プンピャンスキイ―バフチン――ポリフォニイ小説論の成立 
井桁貞義

記号から声へ――私の研究史における三つの「ポリフォニー」 
伊東一郎

チェーホフ雑記 
浦雅春

ソヴィエト期ロシア民俗学史――ユーリイ・ロトマン「口述メモ」への注釈として 
坂内徳明


【Ⅱ 演劇】
ロシア演技術における心身一体論、そして弓道 
堀江新二

ロシア演劇の現在――転換期の二〇一〇年代 
岩田貴


【Ⅲ 歴史】
アレクサンドル・ゲルツェンにおける革命観のゆらぎ 
加藤史朗

岩倉使節団とプリンツ・オリデンブルクスキー――『米欧回覧実記』に書かれなかったロシア皇族 
坂内知子

モスクワ東部オレホヴォ・ズーエヴォにおける古儀式派教徒の労働運動 
阪本秀昭

『チェコスロヴァキア日刊新聞』はM・R・シチェファーニクをどのように報じたか 
長與進


ロシアに魅せられたベビー・ブーマーたち



索引

あとがき――本論集はいかに編集されたか 長與進


編者・執筆者について
井桁貞義(いげたさだよし)  
1948年、神奈川県生まれ。早稲田大学名誉教授。専攻、ロシア文学、比較文学、異文化コミュニケーション論。主な著書に、『ドストエフスキイ・言葉の生命』(群像社、2003)、『ドストエフスキイと日本文化――漱石・春樹、そして伊坂幸太郎まで』(教育評論社、2011)などが、主な訳書に、ドストエフスキー『やさしい女・白夜』(講談社、2010)などがある。
伊東一郎(いとういちろう)  
1949年、北海道生まれ。早稲田大学名誉教授。専攻、ロシア文学、ロシア音楽文化史、スラヴ比較民族学。主な著書に、『マーシャは川を渡れない――文化の中のロシア民謡』(東洋書店、2001)、『ガリツィアの森――ロシア・東欧比較文化論集』(水声社、2019)などが、主な訳書に、『ラフマーニノフ歌曲歌詞対訳全集』(恵雅堂出版、2017)、カマル・アブドゥッラ『欠落ある写本』(水声社、2017)などがある。
長與進(ながよすすむ)  
1948年、愛知県生まれ。早稲田大学名誉教授。専攻、スロヴァキアの歴史と文化。主な著書に、『スロヴァキア語文法』(大学書林、2004年)、『ロシア・中欧・バルカン世界のことばと文化』(共著、成文堂、2010)などが、主な訳書に、T・G・マサリク『ロシアとヨーロッパ――ロシアにおける精神潮流の研究』2、3巻(共訳、成文社、2002―2005)、ヤーン・ユリーチェク『彗星と飛行機と幻の祖国と――ミラン・ラスチスラウ・シチェファーニクの生涯』(成文社、2015)などがある。

浦雅春(うらまさはる)  
1948年、大阪府生まれ。東京大学名誉教授。専攻、ロシア文学、表象文化論。主な著書に、『チェーホフ』(岩波書店、2004)などが、主な訳書に、ファジリ・イスカンデル『チェゲムのサンドロおじさん』(共訳、国書刊行会、2002)、ゴーゴリ『鼻/外套/査察官』(光文社、2006)、エドワード・ブローン『メイエルホリド 演劇の革命』(共訳、水声社、2008)、チェーホフ『桜の園/プロポーズ/熊』(光文社、2012)などがある。
坂内徳明(ばんないとくあき)  
1949年、福島県生まれ。一橋大学名誉教授。専攻、ロシア民俗学。主な著書に、『ロシア文化の基層』(日本エディタースクール出版部、1991)、『ルボーク――ロシアの民衆版画』(東洋書店、2006)などが、主な訳書に、A・F・ネクルィローヴァ『ロシアの縁日――ペトルーシカがやってきた』(平凡社、1986)、ジョアンナ・ハッブズ『マザー・ロシア――ロシア文化と女性神話』(青土社、2000)などがある。
堀江新二(ほりえしんじ)  
1948年、東京都生まれ。大阪大学名誉教授。専攻、ロシア演劇。主な著書に、『演劇のダイナミズム――ロシア史の中のチェーホフ』(東洋書店、2004)などが、主な訳書に、スタニスラフスキー『俳優の仕事』全三部(共訳、未來社、2008-2009)、チェーホフ『さくらんぼ畑』(群像社、2011)、セルゲイ・チェルカッスキー『スタニスラフスキーとヨーガ』(未來社、2015)などがある。
岩田貴(いわたたかし)  
1948年、東京都生まれ。ロシア演劇研究家、翻訳家。専攻、ロシア演劇。主な著書に、『街頭のスペクタクル――現代ロシア=ソビエト演劇史』(未來社、1994)などが、主な訳書に、『ロシア・アヴァンギャルドⅠ・Ⅱ』(共編訳、国書刊行会、1988、1989)、『メイエルホリド・ベストセレクション』(共訳、作品社、二〇〇一)、スタニスラフスキー『俳優の仕事』全3部(共訳、未來社、2008-2009)などがある。
加藤史朗(かとうしろう)  
1946年、岐阜県生まれ。愛知県立大学名誉教授。専攻、近代ロシア史。主な著書に、『江原素六の生涯』(麻布文庫、2003)などが、主な訳書に、ウラディーミル・ディヤコフ『スラヴ世界――革命前ロシアの社会思想史から』(共訳、彩流社、1996)、ロバート・F・バーンズ『V・O・クリュチェフスキー――ロシアの歴史家』(共訳、彩流社、2010)などがある。
坂内知子(ばんないともこ)  
1948年、愛媛県生まれ。ロシア語講師。専攻、ロシア文化史、ペテルブルグ史。主な著書に、『ロシア庭園めぐり』(東洋書店、2005)などが、主な訳書に、アイノ・クーシネン『革命の堕天使たち――回想のスターリン時代』(平凡社、1992)、『ブーニン作品集1 村/スホドール』(共訳、群像社、2014)などがある。
阪本秀昭(さかもとひであき)  
1948年、奈良県生まれ。天理大学名誉教授。専攻、ロシア・シベリア近現代史。主な著書に、『帝政末期シベリアの農村共同体――農村自治・労働・祝祭』(ミネルヴァ書房、1998)、『ロシアの祭り――民衆文化と政治権力』(東洋書店、2009)、『満洲におけるロシア人の社会と生活――日本人との接触と交流』(編著、ミネルヴァ書房、2013)などがある。

関連書
ガリツィアの森ーーロシア・東欧比較文化論集 伊東一郎/5000円
ミハイル・バフチン著作集 全7巻
詳注版 カラマーゾフの兄弟 ドストエフスキー/杉里直人訳/18000円
18世紀ロシア文学の諸相 金沢美知子編/5500円
メイエルホリド 演劇の革命 エドワード・ブローン/浦雅春・伊藤愉訳/5000円+税


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