4月の新刊:耳のなかの魚――翻訳=通訳をめぐる驚くべき冒険

2021年 4月 15日 コメントは受け付けていません。

耳のなかの魚_書影耳のなかの魚
翻訳=通訳をめぐる驚くべき冒険
デイヴィッド・ベロス(著)
松田憲次郎(訳)

判型:四六判上製
頁数:352頁
定価:3200円+税
ISBN:978-4-8010-0565-5 C0098
装幀:宗利淳一
4月下旬頃発売!

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〈翻訳とは、人間の条件の別名なのだ。〉
吹き替え映画、前衛文学、自動翻訳機、ニュルンベルク裁判、聖書翻訳……
あらゆる時代と場所をめぐり、翻訳不可能性に抗いながら〈翻訳=通訳〉が何をなすものかを明らかにする。
博覧強記の著者による、空前絶後の翻訳論!!

目次
プロローグ


1 訳文とは何か?

2 翻訳=通訳をなくすことはできるか?

3 われわれはなぜそれを「翻訳」と呼ぶのか?

4 翻訳について人が言うこと

5 異質性という虚構――「異言語らしさ」のパラドックス

6 ネイティヴの運用力――あなたの言語は本当にあなたのものですか?

7 意味は単純なものじゃない

8 単語はさらに厄介だ

9 辞書を理解する

10 直訳の神話

11 信頼の問題――通訳の落す長い影

12 客の注文に応じるヘアカット――形式を合わせる

13 語ることができないことは、翻訳することができない――言表可能性の原理

14 コーヒーを表す語はいくつある?

15 バイブルとバナナ――翻訳関係の垂直軸

16 翻訳のインパクト

17 第三のコード――方言としての翻訳

18 いかなる言語も孤島ではない――L3という厄介な問題

19 グローバル・フロー――書籍の翻訳における中心と周縁

20 人権の問題――翻訳と国際法の普及

21 これは翻訳ではない――EUにおける言語の平等性

22 ニュースを翻訳する

23 自動翻訳機械の冒険

24 耳のなかの魚――同時通訳小史

25 できるものならあたしにぴったり合う訳を見つけてごらん――ジョークを翻訳する

26 スタイルと翻訳

27 文学テクストの翻訳

28 翻訳者が行うこと

29 境界を検分する――翻訳でないもの

30 砲火を浴びて――訳文を貶す

31 同一性、類似性、合致――翻訳に関する真実

32 アバター――翻訳をめぐる寓話


おしゃべりの後に――エピローグに代えて


著者について
デイヴィッド・ベロス(DAVID BELLOS)
1945年、英国に生まれる。オックスフォード大学でフランス文学の博士号を取得。現在、プリンストン大学教授。専攻、19世紀および20世紀フランス文学、翻訳研究。主な著書には、『ジョルジュ・ペレック伝――言葉に明け暮れた生涯』(酒詰治男訳、水声社、2014、原著はゴンクール伝記賞受賞)、『世紀の小説『レ・ミゼラブル』の誕生』(立石光子訳、白水社、2018、原著はパリ・アメリカン・ライブラリー賞受賞)などがある。また、ジョルジュ・ペレック、イスマイル・カダレ、ロマン・ギャリ、フレッド・ヴァルガス等の作品の英訳者としても知られ、IBMフランス翻訳賞、マン・ブッカー国際翻訳賞などを受賞している。

訳者について
松田憲次郎(まつだけんじろう)
1951年、横浜市に生まれる。パリ第三大学大学院博士課程修了。文学博士。尚絅学院大学名誉教授。専攻、米仏比較文学。主な著書には、『ヘンリー・ミラーを読む』(共編著、2008)、主な訳書には、ピエール・ブルジャッド『マン・レイとの対話』(共訳、1995)、ヘンリー・ミラー『南回帰線』(2004)、グレアム・ターナー『フィルム・スタディーズ――社会実践としての映画』(2012、いずれも水声社)などがある。

関連書
ジョルジュ・ペレック伝――言葉に明け暮れた生涯/デイヴィッド・ベロス/12000円+税
翻訳家たちの挑戦――日仏交流から世界文学へ/澤田直・坂井セシル編/3200円+税

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