11月の新刊:魔術的音楽のために――魂の宿す声、音に宿る神秘
2021年 11月 1日 コメントは受け付けていません。
魔術的音楽のために
魂の宿す声、音に宿る神秘
滑川英達(著)
判型:四六判上製
頁数:164頁
定価:2000円+税
ISBN:978-4-8010-0608-9 C0073
装幀:齋藤久美子
11月下旬頃発売!
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音楽゠肉体の形而上化
前近代における音楽の重要性を明らかにし、近代が抑圧した魔術的世界を呼び覚ます。
《宗教に対する忌避の感情、近代の「信念」は、同時に何かしらの聖なるものとしか呼びようのない事象への畏怖に対する、忘却という形をとった妄執を、その背景に持っています。
現実というカオスと、これをコスモスと認識することなしには成立しない人間の「知覚」、そしてこの認識゠知覚を基礎とするカッコつきの「現実」。
カオスとしての現実と、通常僕らが現実と呼んでいるもの、という二つの領域を繋ぎ止めているのが、宗教であり、音楽であると言えるのかもしれません。》
(本文より)
【目次】
Ⅰ
音楽の起源 シャーマンについて 魔術とは? 象徴の力 因果と因縁 網膜的知を超えて 魔術的世界に入るにあたって
Ⅱ
ノイズは他界へと通ずる 日常意識の先鋭化――意識的に呼び込まれる偶然 イメージでも概念でもなく 自然と言語 表象行為における聴覚の本来的優位 記録と対話 歌謡の起源 宗教から芸能へ エクスタシー/サイケデリア/サウンド
Ⅲ
二〇世紀の文化革命 近代再考 スノビズムの日本 第三の耳 近代という名の理不尽
Ⅳ
エクスタシーと儒教的なもの インディオたちの偉大な発明は沈黙である
Ⅴ
非/反鼓膜的音楽 聴こえない音楽と無音 「音」の管理に抗して 三頭政治
Ⅵ
声のあるじ
【関連書】
音楽の憎しみ/パスカル・キニャール/博多かおる訳/2500円+税
音の海/デイヴィッド・トゥープ/佐々木直子訳/3500円