3月の新刊:〈超越性〉と〈生〉との接続ーー近現代ロシア思想史の批判的再構築に向けて

2022年 3月 14日 コメントは受け付けていません。

書影_超越性と生との接続〈超越性〉と〈生〉との接続
近現代ロシア思想史の批判的再構築に向けて
貝澤哉+杉浦秀一+下里俊行(編)

判型:A5判上製
頁数:331頁
定価:4000円+税
ISBN:978-4-8010-0624-9 C0010
装幀:宗利淳一
3月中旬頃発売!

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超越的理念と具体的生の統合への願い
西欧哲学とは異なる発展を遂げたロシア思想を、〈ロシア的理念〉――国民・民族・宗教の文化伝統に基づく、内向きな〈国民思想史〉の枠組みから解放し、同時代の世界の幅広い歴史的コンテクストに批判的に位置づけ直すことで、その真価を問う。文学、哲学、法哲学、教育思想、教会史、科学史を網羅するロシア思想研究の最前線。



目次



鳥山祐介
デルジャーヴィンの頌詩「神」と啓蒙期のロシア――人間の尊厳と神の善性の擁護

坂庭淳史
プーシキンから見たチャアダーエフ――『エヴゲーニー・オネーギン』における感情の交錯

望月哲男
包摂と排除――『カラマーゾフの兄弟』における教会裁判論と古儀式派のテーマ



下里俊行
神化をめざす肉体――一八六〇年代の哲学者・教育学者ユルケーヴィチの思想

杉浦秀一
パーヴェル・ノヴゴロツェフと「自然法の復活」

兎内勇津流
第一次ロシア革命とロシア正教会試論――なぜ宗務院体制打破と総主教制復興が提起されたか



北見諭
ディオニュソスと永遠回帰――ヴャチェスラフ・イワーノフの実在概念について

貝澤哉
ミハイル・バフチンの人格理論における「他者」概念と身体性の問題――哲学史的コンテクストから見たその特徴

金山浩司
量子力学に因果をみる――一九三〇年代ソ連での議論

編者・執筆者について
貝澤哉(かいざわはじめ)
1963年生まれ。早稲田大学文学学術院教授。専攻、ロシア文学。主な著書に、『引き裂かれた祝祭 バフチン・ナボコフ・ロシア文化』(論創社、2008年)、『再考 ロシア・フォルマリズム――言語・メディア・知覚』(共著、せりか書房、2012年)などが、訳書に、レオニード・アンドレーエフ『印象主義運動』(1994年)、イーゴリ・ゴロムシトク『全体主義芸術』(2007年、以上、水声社)、ナボコフ『偉業』(光文社、2016年)などがある。 
杉浦秀一(すぎうらしゅういち)  
1954年生まれ。北海道大学メディア・コミュニケーション研究院名誉教授。専攻、ロシア社会思想史。主な著書に、『ロシア自由主義の政治思想』(未来社、1999年)などが、訳書に、セルゲイ・ブルガーコフ他『道標――ロシア革命批判論文集1』(共訳、現代企画室、1991年)などがある。
下里俊行(しもさととしゆき)  
1960年生まれ。上越教育大学大学院学校教育研究科教授。専攻、歴史学、思想史。主な著書に、『ロシア 聖とカオス――歴史・文化論叢』(共著、彩流社、1995年)、『教科内容学に基づく教員養成のための教科内容構成の開発』(共著、あいり出版、2021年)などがある。

鳥山祐介(とりやまゆうすけ)  
1974年生まれ。東京大学大学院総合文化研究科准教授。専攻、18―19世紀ロシア文学・文化史。主な著書に、『十八世紀ロシア文学の諸相――ロシアと西欧 伝統と革新』(共著、水声社、2016年)などが、訳書に、オーランドー・ファイジズ『ナターシャの踊り――ロシア文化史』(共訳、白水社、2021年)などがある。
坂庭淳史(さかにわあつし)  
1972年生まれ。早稲田大学文学学術院教授。専攻、19世紀ロシア詩・思想、比較文学。主な著書に、『フョードル・チュッチェフ研究――十九世紀ロシアの「自己意識」』(マニュアルハウス、2007年)、『プーシキンを読む――研究のファースト・ステップ』(ナウカ出版、2014年)などが、訳書に、アルセーニー・タルコフスキー『雪が降るまえに』(鳥影社、2007年)、プーシキン『大尉の娘』(光文社、2019年)などがある。
望月哲男(もちづきてつお)  
1951年生まれ。中央学院大学現代教養学部特任教授。北海道大学名誉教授。専攻、ロシア文化・文学。主な著書に、『ユーラシア地域大国の文化表象』(編著、ミネルヴァ書房、2014年)、『名場面でたどる「罪と罰」』(NHK出版、2018年)、『ロシア文化事典』(共編著、丸善出版、2019年)などが、訳書に、トルストイ『アンナ・カレーニナ』(2008年)、『戦争と平和』(2021年、以上、光文社)、ドストエフスキー『白痴』(河出書房新社、2010年)などがある。
兎内勇津流(とないゆづる)  
1963年生まれ。北海道大学スラブ・ユーラシア研究センター准教授。専攻、ロシア史、図書館情報学。主な著書に、Voices from the Shifting Russo-Japanese Border: Karafuto / Sakhalin(共著、Routledge, 2015)、『ロマノフ王朝時代の日露交流』(共著、勉誠出版、2020年)などが、共同編集した雑誌に、『環オホーツクの環境と歴史』1―4号(サッポロ堂書店、2011年―2015年)などがある。
北見諭(きたみさとし)  
1967年生まれ。神戸市外国語大学外国語学部教授。専攻、ロシア思想史。主な著書に、『文化の透視法――二十世紀ロシア文学・芸術論集』(共著、南雲堂フェニックス、2008年)、『再考 ロシア・フォルマリズム――言語・メディア・知覚』(共著、せりか書房、2012年)などがある。
金山浩司(かなやまこうじ)  
1979年生まれ。九州大学基幹教育院准教授。専攻、ソ連科学技術史、日本技術論論争史。主な著書に、『神なき国の科学思想――ソヴィエト連邦における物理学哲学論争』(東海大学出版部、2018年)などがある。

関連書
十八世紀ロシア文学の諸相――ロシアと西欧 伝統と革新/金沢美知子編/5500円+税
ノースフェーラ――惑星現象としての科学的思考《叢書・二十世紀ロシア文化史再考》/ヴェルナツキイ/梶雅範訳/4500円+税
バフチン、生涯を語る/M・バフチン+V・ドゥヴァーキン/佐々木寛訳/4000円+税

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