6月の新刊:現代ロシア演劇——ソ連邦崩壊からパンデミックとウクライナ侵攻まで《水声文庫》

2022年 6月 27日 コメントは受け付けていません。

現代ロシア演劇現代ロシア演劇
ソ連邦崩壊からパンデミックとウクライナ侵攻まで
《水声文庫》
岩田貴(著)

判型:四六判上製
頁数:318頁
定価:3200円+税
ISBN:978-4-8010-0643-0 C0074
装幀:宗利淳一
6月下旬発売!

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ポスト・ソビエトの演劇史
〈われわれの大多数にとって、近い将来は困難な試練と失望の時代、そしておそらくは幻想の終わりの時代になるだろう〉……
ソ連邦崩壊による束の間の自由を謳歌した後、市場経済への移行、そしてプーチン政権の下で再び強まる文化統制に直面したロシアの演劇人たちは、いかに演劇を続け、いかなる表現を追求したのか。
古典演劇、大衆向け演劇から前衛演劇に及ぶ気鋭の主要劇作家たちと、ロシア社会30年間の時代背景を解き明かす、唯一の現代ロシア演劇の解説書。



目次

ソ連邦崩壊前夜――序にかえて

第1部 ロシア演劇のシステム

第1章 国家と演劇――金と自由
 Ⅰ ソ連邦崩壊以前
 Ⅱ ソ連邦崩壊以降

第2章 組織・運営システム
Ⅰ レパートリー劇場
Ⅱ 「レパートリー劇場に未来はあるか」
Ⅲ 期限なし契約から期限つき契約へ
Ⅳ 演劇センター――新しい劇場モデル
Ⅴ 私立劇場

第3章 ロシア演劇の美学――三大潮流

第2部 ソ連邦崩壊後のロシア演劇

第1章 1990年代のロシア演劇
Ⅰ 「オストロフスキイに帰れ!」――古典への回帰
Ⅱ 多様化するロシア演劇

第2章 2000年代のロシア演劇
Ⅰ 主流の消失
Ⅱ 〈崩壊〉後世代の登場
Ⅲ ロシアのミュージカル

第3章 2010年代のロシア演劇
Ⅰ 1937年型のイデオロギー・テロと検閲の脅威
Ⅱ 教会という〈検閲官〉
Ⅲ 政治劇の復活
Ⅳ 心理主義演劇の伝統
Ⅴ 転換期としての2010年代

第4章 コロナ流行時のロシア演劇――2020/2021年シーズン
Ⅰ オンライン・シアター
Ⅱ 2020/2021年シーズン
Ⅲ 2020/2021年シーズンの総括

第5章 ウクライナ侵攻時のロシア演劇――経過報告
Ⅰ ウクライナ侵攻に対する演劇界の反応――クロニクル
Ⅱ とりあえずの総括――ウクライナ侵攻と演劇
Ⅲ もう一つの総括――ソ連邦崩壊からウクライナ侵攻まで

[付録 現代ロシア演劇を牽引する演出家たち]
ピョートル・フォメンコ/マルク・ザハーロフ/カマ・ギンカス/
レフ・ドージン/ヴァレリイ・フォーキン/
ドミトリイ・クルィーモフ/セルゲイ・ジェノヴァチ/
ユーリイ・ブトゥーソフ/アンドレイ・モグーチイ/
ウラジーミル・マシコーフ/
キリール・セレブレンニコフ/ミンダウガス・カルバウスキス/
コンスタンチン・ボゴモーロフ/エゴール・ペレグードフ/
チモフェイ・クリャービン


引用出典一覧
図版出典一覧
索引

あとがき

著者について
岩田貴(いわたたかし)
1948年、東京都に生まれる。ロシア演劇研究家、翻訳家。主な著書に、『街頭のスペクタクル――現代ロシア゠ソビエト演劇史』(未来社、1994年)、『スラヴャンスキイ・バザアル――ロシアの文学・演劇・歴史』(水声社、2021年)などが、主な訳書に、『ロシア・アヴァンギャルド Ⅰ・Ⅱ』(共編訳、国書刊行会、1988年、1989年)、『メイエルホリド・ベストセレクション』(共訳、作品社、2001年)、スタニスラフスキー『俳優の仕事』全三部(共訳、未来社、2008-2009年)などがある。

関連書
メイエルホリド 演劇の革命 E・ブローン/浦雅春+伊藤愉訳/5000円
モスクワ芸術座の人々――去りゆくソヴィエト時代 A・スメリャンスキー/木村妙子訳/3500円
チェーホフ戯曲選 松下裕訳/6000円
赤いナデシコ――《職業革命家》アーシャの回想録 桑野隆訳/3000円

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