6月の新刊:現代美術の誕生と変容《現代美術スタディーズ》

2022年 6月 30日 コメントは受け付けていません。

現代美術の変容と誕生_書影現代美術の誕生と変容
《現代美術スタディーズ》
山梨俊夫(著)

判型:A5判上製
頁数:332頁
定価:4000円+税
ISBN:978-4-8010-0646-1 C0070
装幀:宗利淳一
6月下旬発売!

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物質からの離反と援用/関係性の可視化
はじまりは<絵画が、自らの物質的性格を露わにし始めたこと>。20世紀後半から21世紀初頭までの美術の変転を物質性、自律性、独創性、現実性の四つの視点から読みとき、それに関わる作家、作品を詳述する。



目次

序章

第一章 絵画の転位――戦後の10年間

1 「現代美術」の発生
2 リアリティの場所
3 アヴァンギャルドの新たな目覚め
4 物質としての絵画
5 現実像を変える論理

第二章 消える境界――50年代から60年代へ

1 現代美術の播種
2 精神と物質の握手

第三章 拡大した美術概念――60年代の海外

1 行為行動の表現
2 〈ハプニング〉と〈フルクサス〉
3 ボイスの〈アクツィオーン〉
4 未踏の地で耕される現代美術

第四章 多層化と拡散する美術思考――60年代の個別性

1 祭りのあとで
2 作家たちを追って
3 物質性の浸透

第五章 物質の侵略と離反――70年代

1 70年代までの欧米の展開
2 物質を裸形にする〈もの派〉
3 「もの」が果たす世界との出会い
4 物質から遠く離れて
5 方法、素材、思考の多様な並立

第六章 多元化の浸透――80年代を中心に

1 危機に瀕するモダニズム
2 自律性の回路
3 消費社会から流れ込むイメージ
4 80年代の底流
5 消えた前衛
6 蝕まれるオリジナリティ

第七章 90年代から現在へ

1 社会関与型の行為
2 「美術」からの離反
3 集団行動から社会関与へ
4 社会関与型のプロジェクト

第八章 21世紀美術の葉脈

1 仮想現実と私性
2 私性の追求
3 拘わりを解かれたイメージの流動
4 現在を見る視点

図版一覧

あとがき

著者について
山梨俊夫(やまなしとしお)
1948年、横浜市に生まれる。東京大学文学部美学芸術学科卒業。1977年から神奈川県立近代美術館に勤務し、2004年から2011年まで同館館長、2011年から2021年まで国立国際美術館館長を勤める。現在、社団法人全国美術館会議事務局長。主な展覧会企画に、「火と炎の絵画」展、「テオドール・ジェリコー」展、「視覚の魔術」展、「自然と人生」展、「ミケル・バルセロ」展など多数。主な著書には、『絵画の身振り』(昭森社、1990年、第二回倫雅美術奨励賞/ブリュッケ、2018年)、『風の絵』(スカイドア、1994年)、『現代絵画入門』(中央公論社、1999年)、『描かれた歴史』(ブリュッケ、2005年)、『風景画考 Ⅰ〜Ⅲ』(ブリュッケ、2016年、第67回芸術選奨文部科学大臣賞)、『絵画逍遥』(水声社、2020年)などがある。

関連書
絵画逍遥/山梨俊夫/3000円+税

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