12月の新刊:ジャック・デュパン、断片の詩学

2023年 1月 18日 コメントは受け付けていません。

断片の詩学_書影ジャック・デュパン、断片の詩学

丸川誠司(著)
判型:四六判上製
頁数:232頁
定価:2727円+税
ISBN:978-4-8010-0701-7 C0098
装幀:滝澤和子

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間隙を縫って触れるぎざぎざの言葉
ランボーとシャールの流れを汲み、ブランショ、バタイユと接点を持つ現代フランス詩の巨星。本邦初訳のジャック・デュパン詩集と、その象る世界を解きほぐす解説。

「山が燃え尽きようと、生き残りが殺し合おうと…… 眠れ、羊飼い。どこででも。僕は君を見つけ出す」――ツェランと同じく戦後の抒情詩の運命を背負い、ミロ、ジャコメティ等、20世紀美術の巨匠とつながる詩的宇宙。



目次

はしがき

断片の詩学 Ⅰ ―― 初期詩篇をめぐって
1 「エジプト女」解説
  L’égyptienne
2 「つましい道」解説
  Le chemin frugal
3 「渇き」解説
  La soif
4 「囚人」解説
  Le prisonnier
5 「イニシアル」解説
  L’initial
6 (無題)解説
  (J’adhère à…)
7 「森の中の池」解説
  L’étang dans la forêt

断片の詩学 Ⅱ ――『天窓の様子』解題
補遺(訳)

  初期詩篇(1958―1969) 
  「エジプト女」
  「つましい道」
  「渇き」
  「囚人」
  「イニシアル」
  (無題)
  「森の中の池」
  『天窓の様子』(1982、全訳)
  「斜角面」(1986)
  「木片」(1989)
  「モーリス・ブランショと詩」(2002)


附記

著者について
丸川誠司(まるかわせいじ)
早稲田大学教授。パリ第八大学文学博士。フランス現代詩および思想、美術等研究。主な著書に、“Poésie, savoir, pensée : huit études” (Tituli, 2015)、“Le lien des muses ; essai sur l’intraduisibilité de la poésie” (Tituli, 2020)、『詩と絵画――ボードレール以降の系譜』(編著、未知谷、2011年)、主な訳書に、ミシェル・ドゥギー『愛着』(書肆山田、2008年)がある。『詩と絵画』はデュパンのミロを巡る詩、ジャコメティ論などの訳およびデュパンへの書面インタビューを含む。

ジャック・デュパン(Jacques Dupin)について
1927年生、2012年没。イヴ・ボンヌフォワ、アンドレ・デュ‒ブーシェ、フィリップ・ジャコテと並び、フランスの戦後世代を代表する詩人。ボンヌフォワ、デュ‒ブーシェ、ルイ‒ルネ・デ‒フォレと共に、文学・思想・芸術の雑誌『エフェメールL’éphémère』を刊行(1967―1972年)。ミロ、ジャコメティ、タピエス、ベーコン、チリーダ、アダミ等の数多くの芸術家の友人であり、これらの芸術家に関する著作多数。特にミロの深い信頼を得て、その作品擁護団体の会長として鑑定にも携わった。1988年度仏国民詩人賞受賞。代表的な詩集には『具眼の体Le corps clairvoyant(詩集1963―1982年)』(Gallimard, 1999)、『バラスBallast(詩集1976―1996年)』(Gallimard, 2009)、『猿と蝿/母達De singes et de mouches / Les mères(詩集1983、1986年)』(P.O.L, 2001)、『騒乱Esclandre(詩集1981―1991年)』(P.O.L, 2022)、『隔たりÉcart』(P.O.L, 2000)、『榛Le coudrier』(P.O.L, 2006)などがある。ルネ・シャールの序文を伴った最初の詩集、『旅の灰皿Cendrier du voyage』(GLM, 1950)は2006年に再刊された(Fissile)。この他戯曲の『地滑りL’éboulement』(Galilée, 1977)、詩論集の『君の話に入りこむM’introduire dans ton histoire』 (P.O.L, 2007)がある。代表的な美術論集は、『空間すなわちL’espace autrement dit』(Galilée, 1982)及び『ありとあらゆる方法でPar quelque biais vers quelque bord』(P.O.L, 2009)。この他、ミロのモノグラフィ、『ミロMiró』(Flammarion, 2004 [1961])、タピエス論をまとめた『無限のマチエール――アントニ・タピエスMatière d’infini : Antoni Tapiès』(Farrago, 2005)、ジャコメティ論をまとめた『ジャコメティを前にFace à Giacometti』(P.O.L, 2022)の他、ジャン・スュケとの共著で『求職――デュシャン、ミロDemande d’emploi : Duchamp, Miró』(L’échoppe, 2002)などがある。デュパンの作品を巡るコロキアム、論叢多数。邦訳の美術論は単著では『アルベルト・ジャコメッティ――あるアプローチのために』のみ(吉田加南子訳、現代思潮新社、1999年)。ジャコメティの『エクリ』をミシェル・レリスと編集し、序文を書いている(みすず書房、新装版2017年)。邦訳で読めるデュパン論としては、J‒P・リシャールの『現代詩十一の研究』の他、ポール・オースター『空腹の技法』所収「ジャック・デュパン」がある(畔柳和代訳、新潮文庫、2000年)。

関連書
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ロラン・バルト 最後の風景/ジャン=ピエール・リシャール/2000円+税
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