6月の新刊:ペテルブルク神話と文学のコロムナ

2023年 6月 9日 コメントは受け付けていません。

ペテルブルク神話ペテルブルク神話と文学のコロムナ
近藤昌夫(著)

判型:A5判上製
頁数:345頁
定価:5000円+税
ISBN:978-4-8010-0733-8 C0098
装幀:滝澤和子
6月下旬発売!

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幻想都市の文学探訪
近代化のシンボルとしてピョートル大帝の命により急造された〈歴史なき都市〉サンクトペテルブルク。その中でも、かつての貧民街であり庶民的な風景が広がる下町〈コロムナ〉地区。
プーシキン、ゴーゴリ、ドストエフスキーの作品に登場する、この〈コロムナ〉地区の表象を読み解きながら、幻覚、奇譚、恐怖に彩られる幻想的な〈ペテルブルク神話〉の源流をロシア・フォークロアをはじめとする民衆文化に探り当てる、19世紀ペテルブルク文学論。



目次
はじめに

第一部 下町コロムナ

第二部 プーシキン ペテルブルク神話三部作

第一章 『コロムナの小さな家』 反撃するオクターヴァ
第二章 『青銅の騎士』 うねる河波/轟く石畳
第三章 『スペードの女王』 崩壊する老女王の聖堂

第三部 ゴーゴリ コロムナの小者たち

第一章 「ウクライナ小説」 鏡像のペテルブルク
第二章 『ネフスキー大通り』 剃刀とナイフのモンタージュ
第三章 『肖像画』 結界地コロムナ
第四章 『狂人日記』 道化の反乱あるいはコロムナの小者魂
第五章 『鼻』 大地の目覚めと聖母の執り成し
第六章 『外套』 コロムナの地霊
第七章 改作『肖像画』vs.『ローマ(断章)』 終わりなき「分断」と調和の幻想

第四部 ドストエフスキー 夢想家たちのコロムナ

第一章 『貧しき人々』 ペテルブルクの病
第二章 『家主の妻』と『弱い心』 変容する夢想家
第三章 『白夜』 和声へ

おわりに 分断と調和の物語または「小さき人」への注


図版出典一覧

あとがき

著者について
近藤昌夫(こんどうまさお)
1956年、北海道生まれ。東京外国語大学大学院修了。現在、関西大学教授。専攻、ロシア文学。著書に『都市と芸術の「ロシア」』(共著、水声社、2001)、『文化の翻訳あるいは周縁の詩学』(共著、水声社、2012)、『ペテルブルク・ロシア 文学都市の神話学』(未知谷、2014)、『ロシアの物語空間』(共著、水声社、2017)、訳書に『ロシア・アヴァンギャルド⑧』(共訳、国書刊行会、1993)等がある。

関連書
ロシアの物語空間 近藤昌夫他/3500円+税
文化の翻訳あるいは周縁の詩学 近藤昌夫他/2800円+税
都市と芸術の「ロシア」 近藤昌夫他/2500円+税

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