1月の新刊:アートと人類学の共創――空き家・もの・こと・記憶

2023年 12月 29日 コメントは受け付けていません。

アート人類_書影アートと人類学の共創
空き家・もの・こと・記憶
服部志帆+小野環+横谷奈歩(編)

判型:A5判上製
頁数:312頁+カラー別丁64頁
定価:4000円+税
ISBN:978-4-8010-0772-7 C0070
装幀:滝澤和子
1月中旬発売!

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声なき声にかたちをあたえる
一軒の空き家に残された「もの」から、いかにして人びとの生を描き出し、歴史を語り継ぐことができるのか。人類学者とアーティストは、それぞれの立場からこの問いに向き合い、「もの」たちの声に耳をすます。写真、家具から柱、果てはつもった埃に至るまで、空き家をくまなく探索することで浮かび上がったのは、ひとつの空き家を軸にした、ある家族の生きざまと塩江町の人びとの繋がりだった。今はなき人びとの記憶を継承するために、アートと人類学に何ができるのか。分野の壁を超えた挑戦的なプロジェクトの軌跡。



目次

まえがき

第Ⅰ部 アートと文化人類学の共創

空き家と残された「もの」からたどる生活誌と地域再生――香川県高松市塩江町上西における旧藤川邸再生プロジェクトを事例に 服部志帆
空き家と残されたものたちをめぐって――アートの視座から 小野環
分野の横断とさまざまな継承のかたち 横谷奈歩
三つの物語 服部志帆

第Ⅱ部 空き家再生プロジェクトおよび塩江をめぐって――関係者それぞれの視点から

民俗資料をめぐる近年の保存・展示動向――瀬戸内ギャラリー「いにしによる」展に寄せて 田井静明
囁き始める断片たち――瀬戸内海歴史民俗資料館からみた「いにしによる」展 松岡明子
材木が語る作業の歴史 杉井隼人
手づくりの歴史資料館 藤澤保
小さくとも、幸福で自立した町を目指して 村山淳
プロジェクトのはじまりと人をつなぐおもてなし 神高伸江

【付録1】インタビュー
住まいとものの記憶

【付録2】座談会
プロジェクト参加者の声

【付録3】
旧藤川邸関連年表

【付録4】
空き家に残されたもの目録

あとがき

【別丁】
「いにしによる」をめぐる旅――断片がひらく時空間 小野環

編者について
服部志帆(はっとりしほ)
天理大学国際学部准教授。京都大学アジア・アフリカ地域研究研究科一貫制博士課程修了。博士(地域研究)。専門は、生態人類学、アフリカ地域研究、民族植物学。主な著書に、『森と人の共存への挑戦――カメルーンの熱帯雨林保護と狩猟採集民の生活・文化の両立に関する研究』(松香堂書店、2012年)、『霊長類学者川村俊蔵のフィールドノート――一九五〇年代屋久島の猟師と後継者たち』(編著、南方新社、2021年)などが、訳書に、『アフリカの森の女たち――文化・進化・発達の人類学』(共訳、春風社、2020年)がある。

小野環(おのたまき)
美術家。尾道市立大学美術学科教授、AIR Onomichi 代表、NPO法人尾道空き家再生プロジェクト副代表理事。東京芸術大学大学院美術研究科修士課程油画専攻修了。修士(美術)。主な展覧会に、「VOCA展」(上野の森美術館、2004)、「複数形の世界にはじまりに」(東京都美術館、2018)、「ONLY CONNECT OSAKA」(クリエイティブセンター大阪、2019)、「Re-edit 再編」(光明寺會舘、2021)などが、展覧会企画に「ニューランドスカップ シュシ・スライマン」展(尾道市立美術館、2023)などがある。小林和作賞(2016)、第二十四回岡本太郎現代芸術賞特別賞(2021)受賞。

横谷奈歩(よこやなほ)
美術家。東京芸術大学大学院美術研究科後期博士課程修了。博士(美術)。文化庁新進芸術家海外研修制度二年派遣研修員(2009-2011)。主なプロジェクトに、「高橋家にまつわる物語」、「星劇団再演プロジェクト」(2013〜現在/ AIR Onomichi)、「剥離と忘却と」(世界考古学会議との共催企画、ヴォイスギャラリー、2016)、「アートとサイエンスのあいだ」(ナポリ科学博物館、2012/ IRFAK OASIS,Burkina Faso、2014)、「芸術と考古学――春休みの遺跡」(杉沢遺跡・伊吹山文化資料館、2017/2019)などがある。

関連書
アートはどこへ行く? 小倉正史著作選集/4500円+税

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