3月の新刊:翻訳としての文学――流通・受容・領有《神奈川大学人文学研究叢書51》

2024年 3月 14日 コメントは受け付けていません。

翻訳としての文学翻訳としての文学
流通・受容・領有
《神奈川大学人文学研究叢書51》
松本和也(編)

判型:A5判上製
頁数:232頁
定価:3500円+税
ISBN:978-4-8010-0798-7 C0095
装幀:滝澤和子
3月下旬発売!

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「書かれた言葉を読む」とはどのような営為なのか。
異なる時代、地域、テーマの交錯点となった言語は、
いかに翻訳、受容され、時の読者にどのように敷衍されていったのか――
日本、フランス、アメリカ、中国など各国の近代文学を手がかりに考察する。



目次

序――書かれた言葉を読む 松本和也

ラルフ・ウォルド・エマソンとドイツ翻訳理論――ゲーテの影響を中心に 古屋耕平
19世紀フランス詩の日本における受容――マルスリーヌ・デボルド=ヴァルモールの場合 岡部杏子
1917年、近代日本文学の翻訳事件――その輪郭と時代性 吉田遼人
同時代小説としての中国文学と創作における日本語――『改造』「現代支那号」(1926年7月)について 中村みどり
佐々木高政英訳「吉備津の釜」(『雨月物語』)と掲載誌『英語研究』――戦時下日本文学翻訳の一面 山本亮介
フィリピン徴用時代の三木清による文化工作言説 松本和也

あとがき 松本和也

編者/執筆者について
松本和也(まつもとかつや)
1974年、茨城県に生まれる。立教大学大学院文学研究科博士後期課程修了。博士(文学)。専攻、日本近代文学・演劇・美術。現在、神奈川大学国際日本学部教授。主な著書に、『太宰治『人間失格』を読み直す』(2009年)、『現代女性作家論』(2011年)、『川上弘美を読む』(2013年、いずれも水声社)、『文学と戦争 言説分析から考える昭和10年代の文学場』(ひつじ書房、2021年)、『太宰治の小説表現』(パブリック・ブレイン、2022年)などがある。

古屋耕平(ふるやこうへい)
1974年、福岡県に生まれる。テキサスA&M大学大学院博士課程修了。博士(英文学)。専攻、アメリカ文学。現在、青山学院大学経済学部教授。主な著書に、『ホーソーンの文学的遺産――ロマンスと歴史の変貌』(共著、開文社、2016年)、論文に、“Melville, Babel, and the Ethics of Translation” ESQ: A Journal of Nineteenth-Century American Literature and Culture 64. 4 (2018)などがある。
岡部杏子(おかべきょうこ)
1977年、東京都に生まれる。東京都立大学大学院人文科学研究科博士後期課程単位取得退学。専攻、フランス近現代詩。現在、学習院大学文学部フランス語圏文化学科助教。主な著書に、『象徴主義と〈風景〉――ボードレールからプルーストまで』(共著、水声社、2018年)、『鳥たちのフランス文学』(編著、幻戯書房、2023年)などがある。
吉田遼人(よしだはると)
1982年、東京都に生まれる。明治大学大学院博士後期課程修了。博士(文学)。専攻、日本近代文学。現在、愛知学院大学文学部専任講師。主な論文に、「怪異が語られるとき――泉鏡花『浅茅生』試論」(『表現研究』第118号、2023年)、「大正6年5月の帰郷と『卯辰新地』」(『論集 泉鏡花』第6集、和泉書院、2021年)などがある。
中村みどり(なかむらみどり)
1971年、東京都に生まれる。東京都立大学大学院人文科学研究科博士後期課程単位取得退学。博士(文学)。専攻、中国文学。現在、早稲田大学商学学術院教授。主な著書に『上海モダン――『良友』画報の世界』(共編著、勉誠出版、2018年)、『日本漢学中的上海文学研究』(共著、上海遠東出版社、2021年)、主な論文に「日本占領下上海における陶晶孫の言説――大東亜文学者大会と「老作家」・「狗」」(『野草』第102号、219年)などがある。
山本亮介(やまもとりょうすけ)
1974年、神奈川県に生まれる。早稲田大学大学院文学研究科博士後期課程単位取得退学。博士(文学)。専攻、日本近現代文学。現在、東洋大学文学部教授。主な著書に『横光利一と小説の論理』(笠間書院、2008年)、『小説は環流する 漱石と鷗外、フィクションと音楽』(水声社、2018年)などがある。

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