6月の新刊:異説ダダ・シュルレアリスム

2025年 6月 24日 コメントは受け付けていません。

異説ダダ_書影異説ダダ・シュルレアリスム
塚原史(著)

判型:A5判上製
頁数:472頁
定価:6500円+税
ISBN:978-4-8010-0841-0 C0098
装幀:宗利淳一
6月下旬発売!

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ダダ・シュルレアリスムの時代の先へ
破壊と否定の末に反芸術を体現したダダ、愛と革命にすべてを賭けたシュルレアリスム――そんな通説を問い直し、彼らの真の息吹を新たに感知すべく、ツァラ、ブルトンらの知られざる実像に光をあて、現在形で展開を続けるレトリスムに注視する……百年の時を経てなお謎を秘めたアヴァンギャルド再入門のための、過激なガイドブック。



目次

序説 異説ダダ・シュルレアリスムのために

第1部 ダダ再考――ツァラ・デュシャン
 第1章 詩人ツァラの迷宮を探る――ルーマニア詩篇・ブロマイド体験・アナグラム研究
 第2章 DADAからAAへ――ツァラ『反頭脳』のハイブリッドな探求
 第3章 ツァラ『種子と表皮』を読み解くために――ダダから「実験夢」へ
 第4章 ダダの起原としての黒人芸術――ツァラの場合
 第5章 ツァラ最晩年のメッセージ――「ブラチェッリ論」再発見
 第6章 デュシャンとレディ・メイドとしての墓標の仮説
   【付論】デュシャンと荒川修作――最初の出会いの「謎」

第2部 シュルレアリスム再論――ブルトン・アナーキズム・マグリット
 第1章 ブルトンは有罪か?――ナジャとレオナの詩と真実
 第2章 シュルレアリスムのアナーキズム体験を探る
 第3章 ルネ・マグリットの謎と鍵――「シュルレアリスムと絵画」を越えて?

第3部 レトリスム再接近――イズーとルメートル、その後
 序章 レトリスム再接近のために
 第1章 イズーの生い立ちとレトリスムの起源
 第2章 イズーの処女作『新しい詩と新しい音楽への序論』への接近
 第3章 ルメートル『レトリスムとは何か?』と運動の展開の素描
 第4章 レトリスムと「アヴァンギャルド」の変容――突出から拡張へ



後記 ダダ・シュルレアリスムの時代の射程を超えて

編者/執筆者について
塚原史(つかはらふみ)
1949年、東京都に生まれる。早稲田大学政治経済学部政治学科卒業、京都大学大学院文学研究科修士課程(フランス語学フランス文学専攻)終了、パリ第三大学博士課程中退(DEA取得)、早稲田大学大学院文学研究科博士課程(フランス語フランス文学専攻)満期退学。早稲田大学名誉教授。専攻、ダダ・シュルレアリスム、アヴァンギャルド芸術研究、フランス現代思想。主な著書に、『プレイバック・ダダ』(白順社、1988年)、『終末のソリチュード』(紀伊国屋書店、1992年)、『言葉のアヴァンギャルド』(講談社、1994年)、『アヴァンギャルドの時代』(未来社、1997年)、『シュルレアリスムを読む』(白水社、1998年)、『人間はなぜ非人間的になれるのか』(筑摩書房、2000年)、『ダダ・シュルレアリスムの時代』(筑摩書房、2003年)、『ボードリヤールという生きかた』(NTT出版、2005年)、『反逆する美学――アヴァンギャルド芸術論』(論創社、2008年)、『ボードリヤール再入門』(御茶の水書房、2008年)、『荒川修作の軌跡と奇跡』(NTT出版、2009年)、『20世紀思想を読み解く』(筑摩書房、2011年)、『切断する美学――アヴァンギャルド芸術思想史』(論創社、2013年)、『模索する美学――アヴァンギャルド社会思想史』(論創社、2014年)、『ダダイズム――世界をつなぐ芸術運動』(岩波書店、2018年)などがある。

関連書
異貌のパリ 1919-1939――シュルレアリスム、黒人芸術、大衆文化/澤田直編/4,000円+税
戦後フランスの前衛たち――言葉とイメージの実験史/進藤久乃編/6,000円+税
詩とイメージ――マラルメ以降のテクストとイメージ/マリアンヌ・シモン=及川編/4,000円+税
テクストとイメージ――アンヌ=マリー・クリスタンへのオマージュ/マリアンヌ・シモン=及川編/4,500円+税
シュルレアリスムへの旅/野村喜和夫/3,000円+税
幽霊の真理――絶対自由に向かうために/荒川修作+小林康夫/3,000円+税

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