4月の新刊:『シャルル・クロ』

2014年 7月 30日 コメントは受け付けていません。

シャルルクロ書影シャルル・クロ 詩人にして科学者――詩・蓄音機・色彩写真

福田裕大

A5判上製/328頁+別丁8頁/定価=4500円+税
ISBN978-4-8010-0034-6 C0098 好評発売中

装幀=齋藤久美子

19世紀後半のフランスで活躍したユーモア詩人として知られ、またトーマス・エジソンに先立って蓄音機を考案したとされるシャルル・クロは、色彩写真と呼ばれる技術開発のパイオニアでもあった。
詩、蓄音機、色彩写真……これらの領域でクロが繰り広げた探究を仔細に追い、先行研究に散見される誤謬を打破しながら、彼のうちがわで詩と科学が交叉する地点を描き出す。
現代のメディア環境の源に埋もれた知られざる想像力へと迫る、渾身の作家論。

【目次】
序章 シャルル・クロ「詩人にして科学者」
一 シャルル・クロとは誰か
二 忘却の理由
三 本書の目的
四 シャルル・クロ小伝

第一章 色彩写真
一 俗な写真/高尚な写真
二 色彩写真とはなにか
三 色彩写真論の実態
四 色彩写真の理念

第二章 蓄音機
一 ひとつの「物語」
二 蓄音機の発明に至るまで
三 1877年の蓄音機論
四 1878年の蓄音機論

第三章 詩
一 詩人クロへと向かうために
二 詩人としてのシャルル・クロ
三 クロの詩の一般的特徴
四 『白檀の小箱』の企図について

最終章 科学と文学の交わるところ
一 クロの知覚論構想
二 知覚論構想の位置づけ
三 内的世界への照準
四 ゲシュタルト概念との近接性
五 現象主義的性格
六 結語

注/参考文献/図版一覧/あとがき

【著者】
福田裕大(ふくだゆうだい) 1979年、大阪府に生まれる。京都大学大学院博士後期課程修了。京都大学博士(人間・環境学)。現在、近畿大学講師。専攻、フランス近代文学、メディア史。著書に、『知のリテラシー 文化』(共著、ナカニシヤ出版、2007年)、『メディア・コミュニケーション論』(共著、ナカニシヤ出版、2010年)、訳書に、レーモン・クノー『文体練習』(共訳、水声社、2012年)などがある。

【福田裕大の本】
文体練習 レーモン・クノー 福田裕大他訳 2200円+税

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