12月の新刊:『モーリス・ブランショ』

2014年 12月 29日 コメントは受け付けていません。

mauriceモーリス・ブランショ――不可視のパートナー

クリストフ・ビダン 上田和彦・岩野卓司・郷原佳以・西山達也・安原伸一朗訳
A5判上製/623頁/定価8000円+税
978-4-8010-0027-8  C0098  好評発売中!
装幀=西山孝司

 

「顔のない作家」の写真を暴露するような伝記ではなく、ブランショの生と作品を批判的な精神を保ちながら丹念に読み、ブランショにおける「自伝的なもの」を炙り出そうとする、モーリス・ブランショ評伝の決定版。

《いまだかつてない爆発〔……〕の起こった世界に属する「最後の人」「ありふれた人」としての彼の生を書くということ。ブランショは絶えずそうしなければならなかった〔……〕エクリチュールから生へ、生からエクリチュールへと向かうこの絶え間ない動きを書くことは、あらゆる伝記において賭けられていなければならないのだが、しかしそれはすぐさま、いかなる伝記の賭け金でもありえなくなる。この動きを、あらゆる想像的なものの外、つまり第三者の場所で、つねに他者の名において担われる注意深さのうちで書かれなければならない》——序より

目次
序/謝辞/Ⅰ/Ⅱ/Ⅲ/Ⅳ/Ⅴ/Ⅵ/註/モーリス・ブランショ著作目録/人名索引/伝記的なものをめぐる伝記的エッセイ 郷原佳以  /訳者あとがき

著者/訳者についてー
クリストフ・ビダン(Christophe Bident)  一九六二年生まれ。高等師範学校、パリ第七大学大学院博士課程修了。博士(文学)。パリ第七大学助教授を経て、現在、ピカルディー大学教授。主な著書に、『ベルナール=マリー・コルテス、ジェネアロジー』(ファラーゴ社、二〇〇〇)、などがある。

上田和彦(うえだかずひこ)  一九六四年、熊本県生まれ。東京大学大学院人文科学研究科仏語仏文学博士課程修了。現在、関西学院大学法学部教授。専攻、フランス文学・思想。主な著書に、『レヴィナスとブランショ――〈他者〉を揺るがす中性的なもの』(水声社、二〇〇五)などがある。
岩野卓司(いわのたくじ)  一九五九年、埼玉県生まれ。東京大学大学院人文科学研究科仏語仏文学博士課程満期修了、パリ第四大学大学院哲学研究科博士課程修了。博士(哲学)。現在、明治大学法学部・教養デザイン研究科教授。専攻、思想史。主な著書に、『ジョルジュ・バタイユ――神秘経験をめぐる思想の限界と新たな可能性』(水声社、二〇一〇)などがある。
郷原佳以(ごうはらかい)  一九七五年、東京都生まれ。東京大学大学院総合文化研究科地域文化研究専攻博士課程単位取得満期退学。パリ第七大学大学院博士課程修了。博士(文学)。現在、関東学院大学准教授。主な著書に、『文学のミニマル・イメージ――モーリス・ブランショ論』(左右社、二〇一一)などがある。
西山達也(にしやまたつや)  一九七六年、神奈川県生まれ。東京大学大学院総合文化研究科地域文化研究専攻博士課程単位取得満期退学。ストラスブール大学大学院博士課程修了。博士(哲学)。現在、西南学院大学准教授。主な訳書に、マルティン・ハイデガー、フィリップ・ラクー=ラバルト『貧しさ』(藤原書店、二〇〇七)などがある。
安原伸一朗(やすはらしんいちろう)  一九七二年、石川県生まれ。東京大学大学院総合文化研究科言語情報科学専攻博士課程単位取得満期退学。パリ第八大学大学院博士課程修了。博士(文学)。現在、日本大学商学部准教授。主な訳書に、ジャン・ポーラン『百フランのための殺人犯――三面記事をめぐる対談』(書肆心水、二〇一三)などがある。

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