2月新刊:めずらしい花 ありふれた花

2016年 3月 15日 コメントは受け付けていません。

めずらしい花 ありふれた花
タイトル:めずらしい花 ありふれた花
サブタイトル:ロタと詩人ビショップとブラジルの人々の物語
カルメン・L・オリヴェイラ(著)
小口未散(訳)

判型:四六判上製
頁数:368頁
定価:3500円+税
ISBN:978−4−8010−0131−2 C0098 好評発売中!
装幀者:宗利淳一

内容紹介:
〈魅惑の都市〉に翻弄されて──
フラメンゴ公園造成を発案したロタとアメリカの桂冠詩人ビショップ。そそり立つ岩と雲流れる家,秘めやかな「家庭」,愛の暮し。家は建築賞,詩集はピュリッツァー賞に輝くが,公園事業がふたりの距離を生む。1950-60年代の軍政に向かう不穏な国で,政治的後ろ楯と仲間を失い,ロタは詩人との絆に賭けて渡米するが……。闇に埋もれた先駆的女性の一生を蘇らせ,詩人の飛躍を促したブラジル生活を,親友たちの証言で初めて公にした二人の評伝!

目次:
1章 一九七八年、ボストン/2章 おお、旅人よ/3章 みだらな花柄/4章 昔シナの王さまがおったとさ/5章 一九九四年、リオデジャネイロ/6章 日々の暮らし/7章 八百屋が幸運をつれてくる/8章 美しき椰子の木の国/9章 ドナ・ロタ/10章 ウアーイ――なぜ?/11章 大型倉庫/12章 赤裸の犬/13章 メルドー/14章 まばゆい月明かりの夜/15章 ブブブ・ノ・ボボボ/16章 財団/17章 大きな期待は大きな落胆に通じる/18章 カモンイスの棍棒/19章 ロレーナ産の風狂木/20章 筋を通している暇はない/21章 三流遊園地/22章 落日/23章 一九九四年、リオデジャネイロ/24章 一九七八年、ボストン/訳注/文献/あとがき

著者ついて:
カルメン・L・オリヴェイラ(Carmen L. Oliveira)
リオデジャネイロ生まれ。アメリカ合衆国インディアナ州ノートルダム大学大学院修了、文学専攻。軍政時代に大学での教職を辞し、作家・翻訳家として新聞『グロボ』『エスタード・ヂ・サンパウロ』、雑誌『ブラーヴォ!』などに寄稿。著書に小説Trilhos e quintais (1998)、短編集Diga toda a verdade—em modo oblíquo (2012)、論考にビショップ学会(1998)での発表「輝けるロタ」(”Luminous Lota,” L. Menides /A. Dorenkamp (eds.), In Worcester, Massachusetts, Peter Lang, 1999)、ブラジル国際関係センター学会(2001)で文化のアイデンティティとグローバリゼーションを論じた ” Jack Soul Brasileira — identidade cultural e globalização”(Globalização, democracia e desenvolvimento social, CEBRI, 2001)など。現在サンパウロ州在住。

訳者について:
小口未散(おぐち みちる)
一九五〇年東京生まれ。東京外国語大学フランス科卒、同大学院修了。岩波書店で編集に携わるかたわら詩人ビショップを研究。論考にアメリカの学会(1998)で発表した”The Art of Naming,” L. Menides /A. Dorenkamp (eds.), In Worcester, Massachusetts, Peter Lang,1999)に基づく「名づけるというわざ――夜のポエティックス」(『文学空間』V-No.4、二十世紀文学研究会、風濤社、2007)、「エリザベス・ビショップの家」(『詩と思想』、土曜美術社出版販売、1999)。訳書に『エリザベス・ビショップ詩集』(世界現代史文庫32、土曜美術社出版販売、2001)。ほかに散文「村里にて」(『文学空間』V-No.8、同前、2011)の訳がある。

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