10月の新刊:対話/インタヴュー集成《ヘンリー・ミラー・コレクション》

2016年 11月 2日 コメントは受け付けていません。

ピクチャ 3対話/インタヴュー集成
《ヘンリー・ミラー・コレクション》
ヘンリー・ミラー(著)
松田憲次郎+中村亨+鈴木章能+泉澤みゆき(訳)

判型:四六判上製
頁数:284頁
定価:3000円+税
ISBN:978-4-8010-0005-6 C0398
装幀:宗利淳一
10月17日発売!


座談の醍醐味

「ジャック・ケルアックとともにミラーの自作朗読をレコードで聞いたことがある。彼のガラガラ声は、私たち二人を安堵させるものだった。それは庶民的で、全面的かつ根本的にアメリカ的なものだった」というロバート・クリーリーの言葉を彷彿とさせるミラーの対話/インタヴュー。1950年代から70年にかけて、自らの創作活動、パリでの生活、友人・愛した女性たちとの関係など多岐にわたるテーマを縦横に語る。

目次
1 自由になる ベン・グローアー  11
2 発禁は当局にとってやぶ蛇 ロシェル・ガースン  15
3 『北回帰線』事件 マドレーヌ・シャプサル  19
4 友情をこめた手――ブレーズ・サンドラール F・J・タンプル  29
5 自己のリズムを発見せよ A・J・ブース  35
6 創作の技法 ジョージ・ウィックス  65
7 もう一人のヘンリー・ミラー ライオネル・オレイ  95
8 猥褻は自由のための爆弾だ バーナード・ウルフ  113
9 レンスベルイ、ミラーと意気投合 マリアン・ルート  139
10 セックスが公然のものに デイヴィッド・デュリー  147
11 本物の女 デイヴィッド・デュリー  165
12 喜びの世界 サンドラ・ホックマン  183
13 ミラー、自分の生み出したものに仰天 ボブ・トーマス  191
14 『北回帰線』再び 『ニューズウィーク』誌  197
15 セックスに死を! ジョルジュ・ベルモン  201
16 自分はいったい誰のために書いているのやら ジュリー・バーンズ  217
17 ミラー、メイラー会談傍聴記 米谷ふみ子  237

インタヴュアー、対談者、記録作成者、訳者について
ベン・グローアー(Ben Grauer)  
一九〇八―七七。テレビ、ラジオのレポーター、解説者。
ロシェル・ガースン(Rochelle Girson)  
生没年不詳。『サタデー・レヴュー』誌書評欄編集主幹。
マドレーヌ・シャプサル(Madeleine Chapsal)  
一九二五―。フランスのジャーナリスト、小説家、エッセイスト。邦訳作品に『青いスカーフ』(一九九七)、『ひそやかに熱く燃えて』(二〇〇〇)など、また彼女を聞き手とするインタヴュー集成の邦訳『作家の仕事場』(一九七三)、『嫉妬する女たち』(一九九八)がある。
フレデリック=ジャック・タンプル(Frédéric-Jacques Temple)  
一九二一―。フランスの詩人、小説家。研究書に『ヘンリー・ミラー』(一九七七)がある。
オードリー・ジューン・ブース(Audrey June Booth)  
生没年不詳。ラジオ局アナウンサー。
ジョージ・ウィックス(George Wickes)  
生没年不詳。オレゴン大学名誉教授。近代文学専攻。著書に小冊子『ヘンリー・ミラー』(一九六六)、最終章でミラーを論じた研究書『パリのアメリカ人』(一九六九)などがある。また、『ミラー、ダレル往復書簡集』(一九六三)、『ヘンリー・ミラーと批評家たち』(一九六三)等の編者でもある。
ライオネル・オレイ(Lionel Olay)  
生没年不詳。ジャーナリスト、作家。
バーナード・ウルフ(Bernard Wolfe)  
一九一五―八五。小説家、SF作家。代表作『リムボー』(一九五二)。
オーレ・レンスベルイ(Olle Länsberg)  
一九二二―九八。スウェーデンの小説家。映画『愛欲の港』(一九四八)、『歓び』(一九六四)等の原作者。
マリアン・ルート(Marianne Ruuth)  
一九三一―二〇〇七。スウェーデン生まれ。ジャーナリスト、小説家、伝記作家としてアメリカで活動。
デイヴィッド・デュリー(David Dury)  
生没年不詳。小説家。
サンドラ・ホックマン(Sandra Hochman)  
一九三六―。詩人、小説家、映画制作者。邦訳『恋を駆ける女』(一九八〇)。
ボブ・トーマス(Bob Thomas)  
一九二二―二〇一四。米国連合通信社(AP)のレポーター、伝記作家。
ジョルジュ・ベルモン(Georges Belmont)  
一九〇九―二〇〇八。フランスの作家、翻訳者。『南回帰線』の仏訳者。
ジュリー・バーンズ(Julie Burns)  
不詳。
ノーマン・メイラー(Norman Mailer)  
一九二三―二〇〇七。小説家。主な作品に『裸者と死者』(一九四八)、『死刑執行人の歌』(一九七九)など、またミラー作品のアンソロジー『天才と肉欲』(一九七六)がある。
米谷ふみ子(こめたにふみこ)  
一九三〇―。小説家、画家。主な作品に「遠来の客」(一九八五、文學界新人賞)、「過越しの祭」(一九八五、新潮新人賞、芥川賞)、「ファミリー・ビジネス」(一九九八、女流文学賞)などがある。

訳者について
松田憲次郎(まつだけんじろう)  
一九五一―。パリ第三大学大学院博士課程修了(文学博士)。尚絅学院大学名誉教授。専攻、米仏比較文学。主な著訳書に、『ヘンリー・ミラーを読む』(共編著、二〇〇八)、ヘンリー・ミラー『南回帰線』(二〇〇四)、グレアム・ターナー『フィルム・スタディーズ』(二〇一二、いずれも水声社)などがある。
中村亨(なかむらとおる)  
一九六六―。青山学院大学大学院博士課程満期退学。現在、中央大学教授。専攻、アメリカ文学。主な著訳書に、『ターミナル・ビギニング――アメリカの物語と言葉の力』(編著、論創社、二〇一四)、『ヘンリー・ミラーを読む』(共著、二〇〇八)、ヘンリー・ミラー『友だちの本』(共訳、二〇一四、ともに水声社)などがある。
鈴木章能(すずきあきよし)  
一九六七―。明治学院大学大学院博士後期課程修了。博士(英文学)。現在、長崎大学教授。専攻、アメリカ文学、比較文学。主な著訳書に、『帝国と文化――シェイクスピアからアントニオ・ネグリまで』(共著、春風社、二〇一六)、The Future of English in Asia: Perspectives on Language and Literature, New York: Routledge, 2015(共著)、ヘンリー・ミラー『友だちの本』(共訳、水声社、二〇一四)などがある。
泉澤みゆき(いずみさわみゆき)  
梅光学院大学大学院博士課程修了。現在、下関市立大学非常勤講師。専攻、アメリカ文学。主な訳書にトゥインカ・スィーボード編『回想するヘンリー・ミラー』(共訳、二〇〇五)、ヘンリー・ミラー『わが生涯の書物』(共訳、二〇一四、ともに水声社)などがある。

ヘンリー・ミラー・コレクション 第2期
11 母 小林美智代訳/3000円+税
13 わが生涯の書物 野平宗弘+佐藤亨+河野賢司ほか訳/5000円+税
14 友だちの本 中村亨+本田康典+鈴木章能ほか訳/4000円+税

Comments are closed.