2月の新刊:ペルーの鳥──死出の旅へ

2017年 2月 18日 コメントは受け付けていません。

書影_ペルーの鳥ペルーの鳥
死出の旅へ
ロマン・ギャリ(著)
須藤哲生(訳)

判型:四六判上製
頁数:268頁
定価:2800円+税
ISBN:978−4−8010−0179−4 C0097
装幀:宗利淳一
三月中旬発売予定!

《人間なんてまだ存在していないんだ》
一面に広がる鳥の屍体を踏み分けて入水する美女,人間をセメント詰めにする男,大男の初恋を馬鹿にする小人……奇々怪々な登場人物たちが織りなす,白昼夢の世界。
人間の邪悪さと卑小さ,哀しみと悪徳を〈人間〉への絶望と愛によって,そして辛辣な皮肉とユーモアをこめて描き出す,ゴンクール賞を二度受賞した,謎多き作家の16篇の物語。

目次
鳥たちの死出の旅はペルー/リュート/ある人文主義者/デカダンス/贋作/自然の歓び/高貴さと偉大さと/鳩市民/歴史の一ページ/壁──単なるクリスマス向けコント/キリマンジャロではすべて快調/英雄的行為について語る/地球の住人たち/無垢なるものに飢えている/世界最古の物語/われらの輝かしきパイオニアたちに栄光あれ/ロマン・ギャリ年譜/訳者あとがき

著者について
ロマン・ギャリ(Romain Gary)  
1914年5月8日、ロシア帝国領ヴィリナ(現・リトアニア共和国の首都ヴィルニュス)に生まれる。小説家、映画監督、外交官。1980年12月2日、ピストル自殺。邦訳されている主な作品に、『自由の大地』(人文書院、1959年)、『白い嘘』(読売新聞社、1968年)、『白い犬』(角川文庫、1975年)、『ローラ、ローラ……』(筑摩書房、1977年)、「ペルーの鳥」(『フランス短篇傑作選』所収、岩波文庫、1991年)――また、エミール・アジャール(Emile Ajar)の別名で、『これからの一生』(早川書房、1977年)、『ソロモン王の苦悩』(河出書房新社、1984年)などがある。

訳者について
須藤哲生(すどうてつお)  
1932年、東京・京橋に生まれる。東京大学文学部仏文科卒業、同大学院仏語・仏文学修士課程修了。明治学院大学文学部教授を経て同大学名誉教授。主な著書に、『ピカソと闘牛』(水声社、2004年)、『スペイン内戦とガルシア・ロルカ』(共著、南雲堂フェニックス、2007年)、訳書に、アンドレ・ジイド『狭き門』(共訳、『世界文学全集47 ジイド集』所収、筑摩書房、1966年)、ミシェル・レリス『闘牛鑑』(現代思潮社、一九七六年)、ロジェ・グルニエ『水の鏡』(白水社、1984年)、同『夜の寓話』(白水社、1992年。のちに『編集室』と改題)などがある。

Comments are closed.