8月の新刊:実在への殺到《水声文庫》
2017年 8月 14日 コメントは受け付けていません。
実在への殺到
《水声文庫》
清水高志(著)
判型:四六判上製
頁数:272頁
定価:2500円+税
ISBN:978-4-8010-0278-4 C0010
装幀:宗利淳一
8月末発売予定!
日本の哲学者による新たな創造。全ての制作者にとって、次なる創造の場を切り開く、21世紀の真の始まりを告げる哲学の誕生。
――上妻世海(作家・キュレーター)
20世紀の思想や文化、また西洋近代の世界観を乗り越えようとする、カンタン・メイヤスーやグレアム・ハーマン、そしてヴィヴェイロス・デ・カストロやフィリップ・デスコラやマリリン・ストラザーン……。彼ら彼女らの思想・哲学と強く共振し、深く共鳴しあいながら、世界に先駆け前世紀的哲学を突破した、著者渾身の評論!
【目次】
はじめに
Ⅰ
第一章 ヴィヴェイロス論
1 単自然主義、多自然主義
2 ラトゥールとその方法
3 準-客体、「眼」
4 多自然論としてのモナドロジー
5 近代の転倒
第二章 交差(キアスム)交換と人間
1 非綜合と個
2 自己製作する《道具》について
3 環境化する《道具》
4 ソフトウェアとしての《道具》とは?
5 モノ、ソフトウェア、人間――交差(キアスム)交換と世界の生成
6 西田幾多郎から《道具》のモナドロジーへ
第三章 鍵束と宇宙――ウィリアム・ジェイムズをめぐって
1 連接と離接の経験
2 パース、ジェイムズ、デューイ
3 一つの対象(オブジェクト)、複数の精神
4 私有化(横取り)と回顧、前-対象
5 鍵束と宇宙
Ⅱ
第四章 メイヤスーと思弁的実在論
1 信仰主義とポストモダン
2 絶対性としての偶然性――主体とモノの非対称性を超えて
3 《即自的》でない自己
4 非-不可知論的な《強い相関主義者》としての《思弁的哲学者》
5 中性化する生と死――ジェイムズからメイヤスーへ
6 《到来すべきもの》とは?
第五章 幹(かん)–形而上学について
1 交錯する複数の二項対立
2 デスコラ、鍵としての
3 類型の組み換え――創造行為(ポイエシス)の位相
4 「複数の二項対立」と純粋経験論
5 純粋経験論のヴァリエーション
6 第三の方法
第六章 非・ホーリズム的転回――人類学から現代哲学へ
1 ホーリズムを脱臼させる
2 袋詰め(Ensachage)としての世界
3 複数の媒体と非・ホーリズム
4 モノ=道具と布置(図)の交差交換
5 彫琢=展開(Elaboration)と創造
6 先在するモノ、複数のプロセス
7 デスコラの場合
8 人類学から哲学、美学へ――非・ホーリズム的転回のドミノ
Ⅲ
第七章 グレアム・ハーマンについて
1 四種のオブジェクト
2 多重の脱去――第三者のまなざし
3 「上方解体」と「下方解体」について
4 「関係」はオブジェクトである
5 汎魅惑論のほうへ
第八章 機会原因論的アニミズム
1 哲学のあらたな流儀
2 オブジェクト指向哲学と中性一元論
3 過去の「文脈」、未来の「文脈」
4 パースという補助線
5 機会原因論的アニミズム
第九章 モノの人格化――オブジェクト指向哲学と西田
1 《ニュートラルな位置》たち
2 《多の一》、「形」、そして制作
3 反転とその機構
4 特殊の「包摂」、普遍の「包摂」
5 モノと自己のまなざし――時間論をめぐって
註
あとがき
【著者について】
清水高志(しみずたかし)
東洋大学総合情報学部総合情報学科准教授(専攻、哲学)。主な著書に、『ミシェル・セール――普遍学からアクター・ネットワークまで』(白水社、2013)、主な訳書に、ピエール・レヴィ『ポストメディア人類学に向けて』(共訳、水声社、2015)、ミシェル・セール『作家、学者、哲学者は世界を旅する』(水声社、2016)などがある。
【関連書】
作家、学者、哲学者は世界を旅する/ミシェル・セール/清水高志訳/2500円+税
多としての身体――医療実践における存在論/アネマリー・モル/浜田明範・田口陽子訳/3500円+税
インディオの気まぐれな魂/エドゥアルド・ヴィヴェイロス・デ・カストロ/近藤宏・里見龍樹訳/2500円+税
部分的つながり/マリリン・ストラザーン/大杉高司・浜田明範・田口陽子・丹羽充・里見龍樹訳/3000円+税
ポストメディア人類学に向けて/ピエール・レヴィ/米山優・清水高志・曽我千亜紀・井上寛雄訳/4000円+税