12月の新刊:イマージュの肉

2017年 12月 20日 コメントは受け付けていません。

イマージュの肉イマージュの肉
絵画と映画のあいだのメルロ゠ポンティ
マウロ・カルボーネ(著)
西村和泉(訳)

判型:四六判上製
頁数:279頁
定価:3000円+税
ISBN:978-4-8010-0299-9 C0010
装幀:西山孝司
12月22日頃発売!


感じるものの存在論の復権
創成期の映画分析を通してイマージュの核心に迫ろうとしたメルロ゠ポンティの遺志を継ぎ、伝統的な哲学から今日の現象学、西洋古来の芸術から現代メディアへの変遷をたどり、普遍的な人間の視覚意識を浮き彫りにする。『見えるものと見えないもの』の中心的主題である「肉」の概念を再考し、世界の現実を知覚と想像の両面でとらえる、まったく新しい存在哲学の書。


目次

日本の読者の皆さまへ

序章 今日の肉と視覚の思考
第一章 肉
 ――誤解の成り立ち
第二章 野生になるには長い時間がかかる
 ――メルロ゠ポンティによるゴーガン、ゴーガンによるメルロ゠ポンティ
第三章 「見えるようにすること」
 ――メルロ゠ポンティとパウル・クレー
第四章 哲学者とシネアスト
 ――メルロ゠ポンティと映画の思考
第五章 肉の光
 ――メルロ゠ポンティ晩年の思考にみられる反プラトン的理念とネオプラトニズムの痕跡
第六章 生と哲学のあいだの感受される理念


人名索引

著者について
マウロ・カルボーネ(Mauro Carbone)
1956年、マントヴァ(イタリア)生まれ。ジャン・ムーラン・リヨン第3大学哲学科教授。専門は現象学、現代美学。主な著書に、『プルーストと感受される理念』(Proust et les idées sensibles, Vrin, 2008)、『視覚の痕跡――メルロ゠ポンティと今日のイマージュ』(L’empreinte du visuel. Merleau-Ponty et les images aujourd’hui, MētisPresses, 2013)、『哲学‐画面――映画からデジタル革命へ』(Philosophie-écrans. Ducinéma à la révolution numérique, Vrin, 2016)などがある。

訳者について
西村和泉(にしむらいづみ)
1974年生まれ。パリ第8大学大学院博士課程修了。博士(文学)。名古屋芸術大学芸術学部准教授。専攻、20世紀フランス文学。主な著書に、『サミュエル・ベケット!』(共著、水声社、2012)、『ベケットを見る八つの方法』(共著、水声社、2013)、『サミュエル・ベケットと批評の遠近法』(共著、未知谷、2016)、訳書に、アラン・バディウ『ベケット』(水声社、2008)、ミシェル・フーコー『レイモン・アロンとの対話』(水声社、2013)などがある。

関連書
経験と出来事――メルロ゠ポンティとドゥルーズにおける身体の哲学 小林徹/6000円
現代思想と〈幾何学の起源〉――超越論的主観から超越論的客観へ 中田光雄/4000円
フッサールにおける価値と実践――善さはいかにして構成されるのか 八重樫徹/3500円

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