11月の新刊:起源の物語——クールベの《世界の起源》をめぐって

2018年 11月 21日 コメントは受け付けていません。

テセードル_書影起源の物語
クールベの《世界の起源》をめぐって
ベルナール・テセードル(著)
中畑寛之(訳)

判型:A5判上製
頁数:432頁
定価:6000円+税
ISBN:978-4-8010-0373-6 C0071
装幀:齋藤久美子
11月20日発売!

秘められた〈真理〉の襞へ
《世界の起源》が描かれた1868年から,オルセーに寄贈される1995年までのあいだに,この絵画がたどってきた数奇な運命を,オークションの記録,個人の日記,企業の帳簿,雑誌論文,新聞記事,最新の学術論文等,あらゆる資料から綿密に跡づけ,その全貌をあらわにする型破りの“探偵小説”。

エロティシズムの極地を描くスキャンダラスな名画がオルセー美術館に収まるまでの虚実あいまった目眩く歴史絵巻。ラカン、ピカソ、デュシャン、フーコー……みな描かれた性の深淵に引き込まれ、その思想と芸術を躍動させる。「世界の起源」は芸術の起源だ!——宮下規久朗


目次

プロローグ

第一部 あれを描くこと、あれを買うこと
第二部 見た人たち、見なかった人たち
第三部 裸体の芸術
第四部 まなざしの精神分析
第五部 あれは何?
第六部 律法とそのウルガタ聖書

イマージュについての裁定

原註
訳註

年表と文献
主要登場人物一覧

訳者あとがき

著者について
ベルナール・テセードル(Bernard Teyssèdre)
1930年、ドゥカズヴィル(フランス、アヴェロン県)に生まれる。小説家、美術史家。ながく、パリ第一大学で教鞭をとった。主な著書には、本書の他に、『ヘーゲルの美学』(L’Esthétique de Hegel, Paris, P.U.F., 1958)、『ルイ14世時代のフランス美術』(L’Art français au siècle de Louis XIV, Librairie Générale Française, Le Livre de poche , 1967)、『社会学的芸術』(L’Art sociologique. N° spécial de la revue Opus international, avril 1975)などがある。

訳者について
中畑寛之(なかはたひろゆき)
1968年、福井県に生まれる。神戸大学大学院文化学研究科博士課程単位取得満期退学。文学博士。現在、神戸大学人文科学研究科准教授。専攻、フランス近現代文学。主な著書には、『世紀末の白い爆弾——ステファヌ・マラルメの書物と演劇、そして行動』(水声社、2009年)、『象徴主義と〈風景〉——ボードレールからプルーストまで』(共著、水声社、2018年)、主な訳者には、クリスチアン・ジュオー『歴史とエクリチュール』(水声社、2011年)等がある。

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