12月の新刊:推移的存在論

2018年 12月 5日 コメントは受け付けていません。

推移的存在論推移的存在論
アラン・バディウ(著)
近藤和敬+松井久(訳)

判型:四六判上製
頁数:251頁
定価:3000円+税
ISBN:978-4-8010-0384-2 C0010
装幀:宗利淳一
12月14日頃発売!


存在論とは数学である。
「神は死んだ」――もはや宗教の神に出会うのでもなく、形而上学の原理の下に隠すのでもなく、ロマン主義のメランコリーに賭けるのでもなく、存在を思考することはいかにして可能となるのか。主著『存在と出来事』のエッセンスから出発して、集合論と圏論を携えてプラトンからカントまでを一挙に横断し、数学=存在論を宣言したバディウ哲学の転回点!

《わたしが「推移的存在論」と呼ぶのは、存在としての存在の学、つまり純粋な多の理論と、現れの学、つまり実際に現前した諸々の宇宙の一貫性の論理とのあいだで折り開かれる存在論のことである。》

目次
プロローグ 神は死んだ
第1章 今日の存在の問題
第2章 数学とは思考である
第3章 超限‐存在としての出来事
第4章 ドゥルーズの生気論的存在論
第5章 スピノザの閉じた存在論
第6章 プラトン主義と数学的存在論
第7章 アリストテレス的方向づけと論理学
第8章 論理学、哲学、「言語論的転回」
第9章 トポス概念についての初等的注解
第10章 論理学についての初等的な暫定的テーゼ
第11章 数の存在
第12章 カントの減算的存在論
第13章 群、カテゴリー、主体
第14章 存在と現れ

著者について
アラン・バディウ(Alain Badiou)
1937年、モロッコのラバトに生まれる。哲学者、作家。主な著書に、『存在と出来事』(L’Être et l’événement, Seuil, 1988)、『世界の論理』(Logique des mondes. L’être et l’événement, 2, Seuil, 2006)、『真理の内在性』(L’Immanence des vérités. L’être et l’événement, 3, Fayard, 2018)、『コミュニズムの仮説』(市川崇訳、2013年)、『議論して何になるのか』(共著、的場寿光・杉浦順子訳、2018年、いずれも水声社)などがある。

訳者について
近藤和敬(こんどうかずのり)
1979年、兵庫県に生まれ、福井県で育つ。大阪大学大学院人間科学研究科博士後期課程単位取得退学。現在、鹿児島大学法文学部准教授。専攻、哲学・哲学史。主な著書に、『カヴァイエス研究』(月曜社、2011年)、『数学的経験の哲学 エピステモロジーの冒険』(青土社、2013年)、主な訳書に、ジャン・カヴァイエス『論理学と学知の理論について』(月曜社、2013年)などがある。
松井久(まついひさし)
1972年、大阪府に生まれる。パリ・ナンテール大学博士課程修了(哲学)。現在、法政大学兼任講師。専攻、生命科学の哲学、生命科学史。主な訳書に、アンリ・ベルクソン『創造的進化』(共訳、筑摩書房、2010年)がある。

アラン・バディウの本
ベケット 果てしなき欲望/2000円
議論して何になるのか/アラン・フィンケルクロートとの共著/2800円
コミュニズムの仮説/3000円
サルコジとは誰か?/2200円
愛の世紀/ニコラ・トリュオングとの共著/2200円



本書『推移的存在論』に誤植・表記修正がありましたので,下記のPDFをご覧ください。
▶︎正誤表(推移的存在論)

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