5月の新刊:風に舞う塵のように《フィクションのエル・ドラード》
2025年 5月 16日 コメントは受け付けていません。
風に舞う塵のように
《フィクションのエル・ドラード》
レオナルド・パドゥーラ(著)
寺尾隆吉(訳)
判型:四六判上製
頁数:682頁
定価:4000円+税
ISBN:978-4-8010-0870-0 C0397
装幀:宗利淳一
5月下旬発売!
現代キューバの磁力とディアスポラ
《ジャーナリストとして鍛錬を積んだパドゥーラがその教えを忠実に守り続けていることは、小説の執筆に臨む際の入念な調査にはっきりと感じられる。》(フアン・ビジョーロ)
2014年、キューバから亡命した元野球少年マルコスと、キューバ人を母に持つ大学院生アデラ、二人はマイアミで運命的な出会いを果たす。愛を深めていく二人は、激動のキューバ現代史に翻弄された両親の知られざる過去に直面する。革命とともに産声をあげ、希望に溢れる青春時代を過ごした若者たちが、一夜の事件を端緒に、一人また一人と祖国を去り、行き着く先で見出す真実とは……
祖国の呪縛を抱えたまま、塵のように世界中に散らばった人々の生き様を、「キューバ国民生活の年代記」という壮大なスケールで描き出す傑作長編。
【著者について】
レオナルド・パドゥーラ(Leonardo Padura)
1955年、キューバのマンティーリャ生まれ。ハバナ大学で文学を専攻、文学雑誌や新聞の編集に携わり、1990年から探偵小説の執筆に取り組む。〈マリオ・コンデ警部〉のシリーズによってキューバ国内で名を知られ、シリーズ第3作『仮面』(1995年)でカフェ・ヒホン賞を受賞。以後、スペインの出版社から長編小説の刊行を続けている。『わが人生の小説』(2002年、邦訳、水声社、2022年)で純文学を手がけ、『犬を愛した男』(2011年、邦訳、水声社、2019年)に続けて本作はスペイン語圏全体で大ヒット作となった。2015年にアストゥリアス王女賞受賞。現在もマンティーリャで執筆活動を続けており、コンデシリーズ『品位ある人たち』(2022年)などで好評を博し続けている。
【訳者について】
寺尾隆吉(てらおりゅうきち)
1971年、愛知県に生まれ。東京大学大学院総合文化研究科博士課程修了(学術博士)。現在、早稲田大学社会科学総合学術院教授。専攻、現代ラテンアメリカ文学。主な著書には、『魔術的リアリズム』(水声社、2012年)、『ラテンアメリカ文学入門』(中公新書、2016年)、主な訳書には、ホセ・ドノソ『閉ざされた扉』(水声社、2018年)、カブリエル・ガルシア・マルケス『悪い時』(光文社古典新訳文庫、2024年)などがある。
【関連書】
フィクションのエル・ドラードシリーズ