8月の新刊:《フィクションの楽しみ》『わたしは灯台守』

2014年 8月 21日 コメントは受け付けていません。

灯台守書影わたしは灯台守

エリック・ファーユ/松田浩則訳
四六判上製/256頁/予価2500円+税
978-4-8010-0053-7 C0097 8月27日発売予定
装幀=宗利淳一

灯台を除けば、この風景の中で永遠に変わらないものなど何もないだろう。

大海原に佇立する灯台。そこにはひとりの灯台守。
孤独の中で彼は書く。自問し、自答する。訴える。苦悩する。妄想する……。
世界から隔絶された男の魂の叫びと囁きを、陰鬱でありながらユーモラスに綴る表題作をはじめ、不条理で幻想的、ときに切なくノスタルジックな珠玉の9篇を収録。

【目次】
列車が走っている間に
六時十八分の風
国境
地獄の入り口からの知らせ
セイレーンの眠る浜辺
ノスタルジー売り
最後の
越冬館
わたしは灯台守
訳者あとがき

【著者】
エリック・ファーユ(Éric Faye) 1963年、リモージュ(フランス)に生まれる。エコール・シュペリユール・ド・ジュルナリスム(リール)に学ぶ。ロイター通信の記者として勤務しながら、1990年より創作活動に入る。主な著書に、『雨の海クルーズ』(Croisière en mer des pluies, 1999)、『痕跡のない男』(L’Homme sans empreintes, 2008)、『長崎』(Nagasaki, 2010. 松田浩則訳、水声社、2013年)、『不滅になって、そして死ぬ』(Devenir immortel, et puis mourir, 2012)などがある。

【訳者】
松田浩則(まつだひろのり) 1955年、福島県いわき市生まれ。東京大学大学院博士課程中退。現在、神戸大学大学院人文学研究科教授。専攻、フランス現代文学。主な著書に、『ポール・ヴァレリー『アガート』訳・注解・論考』(共著、筑摩書房、1994年)、主な訳書に、ミシェル・トゥルニエ『海辺のフィアンセたち』(紀伊国屋書店、1998年)、ドニ・ベルトレ『ポール・ヴァレリー』(法政大学出版局、2008年)、エリック・ファーユ『長崎』(水声社、2013年)などがある。

【エリック・ファーユの本】
長崎 松田浩則訳 1800円+税
フクシマを越えて(仮題) 三野博司訳 近刊

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