東北関東大震災について

2011年 3月 14日

平素より小社出版物をご愛読くださり、誠にありがとうございます。

3月11日に発生した、いわゆる東北関東大震災で被害を受けた皆様に、
心よりお見舞い申し上げます。また、各書店様など、関係各位の
回復・復旧を、小社一同、心よりお祈り申しあげます。
この地震によって商品のお届けに遅れが生じる場合がございますが、
なにとぞご理解を賜りますよう、お願い申し上げます。

計画停電等による交通不全のため、小社の業務にも影響が予想されますが、
万全を尽くして参りますので、どうぞよろしくお願い申し上げます。

 

3月の新刊:《シュルレアリスムの25時》第6回配本

2011年 3月 4日

crevel_cover鈴木大悟著

ルネ・クルヴェル ちりぢりの生

四六判上製296頁/定価3000円+税
ISBN 978-4-89176-767-9  C0398 2011年3月10日頃発売


知られざる天才作家の肖像
——困難な生の告白=偽装。


小説『バビロン』の第1章「ナイフ氏、フォーク嬢」収録!

クルヴェルは震える存在だった
………………フィリップ・スーポー


典型的なプチ・ブル、同性愛者、結核患者、コミュニスト……
矛盾に満ちた生を駆け抜けた異端のシュルレアリストにして
絶対的自由を渇望する生粋のロマンティスト。
かつての仲間とも決別したその激烈な生涯と作品を、
さまざまな角度から「弁証法」的に照射する。



すでにご覧になった方も多いと思いますが、いま、東京六本木の国立新美術館では、
《シュルレアリスム展——パリ、ポンピドゥセンター所蔵作品による》
好評開催中です(詳細はこちら→)。
エルンスト、キリコ、ダリ、デュシャンといった著名なアーティストはもちろん、
この《シュルレアリスムの25時》シリーズが日本ではじめて紹介した

『ヴィクトル・ブローネル』(齊藤哲也著、図版多数!

『クロード・カーアン』(永井敦子著、貴重なテクスト多数!

『ジョゼフ・シマ』(谷口亜沙子著、図版多数!

をはじめ本邦初公開となる画家・写真家の作品にも照明があてられています。
会期は5月9日(月)まで。これまで写真版でしか観たことのなかった作品の
実物を目にすることができるこのチャンス、ぜひともお見逃しなく!

《さらに》
なお、小社ではこの春、シュルレアリスムの基礎から応用までが
手にとるようにわかる入門書『零度のシュルレアリスム』(齊藤哲也著、3月末
刊行予定)、そして2人の先鋭なる研究者がシュルレアリスム美術を論じ尽くす
『シュルレアリスム美術をどう語るか?(仮)』(林道郎×鈴木雅雄共著)を
順次刊行する予定です。お手許に届くまで、もうすこしお待ちください!

 

3月の新刊:『ジーン・セバーグ』

2011年 2月 25日

なぜ、女優は「自殺」しなければならなかったのか?

けっして代表作に恵まれてはいないにもかかわらず、
いまなお不思議な魅力を放ちつづける女優、ジーン・セバーグ(1938-79)。
その日本では初めてとなる本格的な評伝がついに刊行になります。

seberg_coverギャリー・マッギー 石崎一樹訳

ジーン・セバーグ

四六版並製/2段組452ページ/定価3500円+税
ISBN 978-4-89176-820-1 3月3日頃発売/予約受付中



JFK、ド・ゴール、アンドレ・マルローといった米仏の大物政治家から、
トリュフォー、イーストウッド、ロジェ・グルニエ、ピート・ハミルをはじめとする
同時代人たちを魅了。『悲しみよこんにちは』(’58)の「セシルカット」では
鮮烈なファッションリーダーとして脚光を浴び、ゴダール監督のデビュー作
『勝手にしやがれ』(’59)では「ヌーヴェルヴァーグのイコン」として、
その評価を決定的なものとしました。

seberg_blog02しかし、そんな彼女の栄光を暗転させたのは、
FBI(アメリカ連邦捜査局)の謀略でした。
自分の信念から黒人解放運動にかかわったことを
スキャンダルとして報じられ、さらに愛娘を失った彼女は、
以後、暗黒の日々を送ることになります。
そして40歳の若さで「自殺」――。
1940年に生まれ、「アメリカ」と闘いつつ80年に亡くなった
ジョン・レノンとまったくの同時代人だといえるでしょう。

本書は、そんなジーン・セバーグの短い生涯を、膨大な資料と関係者への
綿密な取材であきらかにした決定版評伝です。60点あまりの
プライヴェート写真も収録。映画ファンはもちろん、さまざまな現場で
さまざまに格闘中の、すべてのかたに読んでいただきたい1冊です。ぜひ!

 

2月の新刊:『スピノザと政治』

2011年 2月 18日

spinoza1エティエンヌ・バリバール/水嶋一憲 訳

スピノザと政治

A5判上製/288頁/定価4000円+税
ISBN978-4-89176-802-7 C0010 2月25日頃発売


スピノザ vs バリバール!
バリバールの主著、待望の邦訳刊行!



いまなお謎めいた存在である17世紀オランダの哲学者にして、
ついには《同時代人たちが争っていた雑種の問い——信仰と理性、
絶対主義と社会契約、等々——を徹底的に転位させる》に至った、
その政治=哲学を、マルクスとの《相補的交換性》をも視野に入れながら、
ネグリ以降の新たな視点で読み解く。

 

2月の新刊:『社会改革案』

2011年 2月 18日

steinerルドルフ・シュタイナー/西川隆範 訳

社会改革案

四六判上製/256頁/定価2500円+税
ISBN978-4-89176-823-2 C0014 2月25日頃発売


混迷する現代社会を解決する糸口となる、
20世紀最大の思想家の
エッセンス。


勃興する労働運動と迫り来る《世界大戦》の危機を前にして、
社会問題・労働問題の根本的な解決を目論んだシュタイナーによる、
《社会有機体3文節化》についてヨーロッパ各地で行なった
貴重な4講演を収録する。

《健全な社会有機体の実現か、革命ないしは
社会の激変・転覆か。第三の可能性は存在しない——


 

2月の新刊:『私の作家評伝 小島信夫批評集成 第3巻』

2011年 2月 18日

先鋭な批評として、明治大正、そして戦前の昭和という
三代にわたる日本近代文学にジェンダー転覆の兆しを探って行く。
……本書の驚くべき批評的達成がそのことにあることを見逃すことはできない。
——千石英世




夏目漱石,島崎藤村,泉鏡花など,近代日本の文豪たちに触れて,
小島信夫の精神が踊り始める。
平凡なエピソードから《事件》までを綿密に読み解くことで,
時代のベールが少しずつはがれていく……。作家評伝の決定版。

kojimanobuo_3_cover『私の作家評伝 小島信夫批評集成 第3巻』

A5判上製580頁/定価7000円+税
ISBN978-4-89176-813-3  C0395 2月25日頃発売!

解説=千石英世
月報=川村湊、近藤耕人、平井杏子、中西裕

*全巻予約受付中

 

2月の新刊:『プルースト的絵画空間――ラスキンの美学の向こうに』

2011年 2月 17日

proust_cover真屋和子

プルースト的絵画空間 ラスキンの美学の向こうに

A5判上製/440頁/定価6500円+税
ISBN978-4-89176-822-5 C0098 2月25日頃発売

エルスチールのモデルは、ターナーだった。




これまで、モネなど印象派の画家をモデルとしている、
と考えられてきた『失われた時を求めて』の登場人物エルスチール。
プルーストに多大な影響を与えたイギリスの批評家ジョン・ラスキンの思想や、
同時代のさまざまな画家たちの作品とも比較しながら、
エルスチール=ターナーという新たな説を呈示し、
プルーストの芸術観・文学観を浮き彫りにする。

ターナーから
ホイッスラー
バーン=ジョーンズ
アングル
モロー
マネまで


図版多数収録!

 

1月の新刊:『カズオ・イシグロ』

2011年 1月 21日

kazuoishiguro_cover平井杏子

カズオ・イシグロ——境界のない世界

46判上製/272頁/定価2500+税
ISBN979-4-89176-821-8  C0098   1月25日頃発売


デビュー作(『遠い山なみの光』)から
最新作(『夜想曲集』)までの全作品をとりあげ、
グローバルな作家の全貌にせまる本邦初のイシグロ論。

 

2011年1月の新刊:『私の作家遍歴 III 小島信夫批評集成 第6巻』

2011年 1月 21日

遅くなりましたが、新年あけましておめでとうございます。
はたして2011年は、過去2010年分の歴史にくらべて、
どれほど重みをもった1年になるのか。——楽しみですね。
本年も旧に倍して良書、貴重な本を刊行して参りますので、
どうぞ旧に3倍、4倍する
ご愛読をお願いいたします。

さて、そんな2011年の1冊目は、みなさまのご声援をバネに
毎月配本の刊行ペースを維持している、この本です。



小島の批評は押さえつけることよりも
走り続けることをめざす。……その究極の目的は
「ともに夢を見たり、もう一つの別の作品を書く」ことにある。
——阿部公彦




ゴーゴリをはじめとするロシア文学の大胆な読解を経て、
作家はセルバンテス『ドン・キホーテ』に挑む。
文学の400年を駈けめぐる《作家遍歴》は、ついに寓話の世界へ——。
著者畢生の大著も、ここにクライマックスを迎える。

kojimanobuo_6_cover『私の作家遍歴 III 小島信夫批評集成 第6巻』

A5判上製480頁/定価6000円+税
ISBN978-4-89176-816-4  C0395   2011年1月24日頃発売!

解説=阿部公彦
月報=安藤礼二、井上謙治、三浦清宏、坂内正、太田鈴子

 

12月の新刊:《シュルレアリスムの25時》第5回配本

2010年 12月 21日

sima谷口亜沙子著

ジョゼフ・シマ 無音の光

四六版上製/総280頁(別丁カラー図版32頁)/定価3200円+税
ISBN978-4-89176-766-2 C0371 12月25日頃発売

彼が目をさませば、石はくだけちる
——オクタビオ・パス


昼と夜のへだたりを完全に消滅させる ごった煮の閃光
——ミシェル・レリス



結晶し、反射し、
光の彼方に現世を映し出す奇蹟の画家。

19世紀のボヘミアに生まれ、戦時下のパリ、
そして冷戦下のチェコを生き抜いた、ジョゼフ・シマ。
シュルレアリスムとは一線を画しつつ激動の時代を併走し、
そして晩年、一切が溶け合う光の表現へと到達する——。
日本ではじめて明らかになる、境界を生きた画家の全貌。

 

12月の新刊:『ロシア・アヴァンギャルドの世紀』

2010年 12月 21日

russia_avan_cover江村 公

ロシア・アヴァンギャルドの世紀 構成×事実×記録

A5判上製/272頁/定価4000円+税
ISBN978-4-89176-819-5  C0070 12月25日頃発売


アヴァンギャルドの希望と幻滅



ロシア革命から全体主義へと移行する
過渡期を生きた表現者、A・ロトチェンコ。
絵画からモンタージュ写真へといたるその軌跡をたどりつつ、
現代文化の再考をうながす気鋭の論考。図版多数収録。


《目次》

はじめに

第1章 構成主義の前史 絵画から事物へ

第2章 「描く」ことから「つくる」ことへ

第3章 「静止と速度」 スプレマチズム絵画をめぐって

第4章 事物の消滅

第5章 絵画から写真へ ロトチェンコのモンタージュ/ファクト/ファクトゥーラ

第6章 変容の場としての運河の表象

結びにかえて

あとがき

 

12月の新刊:『私の作家遍歴 II 小島信夫批評集成 第5巻』

2010年 12月 21日

……小島は決して「物語られた物語」を褒め称えているのではない。
語られたものについて語りながら、むしろ語る行為をそこに発見しつづけるのだ。
そのためには語り続けなければならず、語りを凍結してはならなかった。
——宇野邦一




近代化の途にある《日本》の謎を、来日外国人の視点から
問い直そうとする著者の試みは、ついに、
巨人・トルストイとの格闘にいたる……。
《批評》にして《精神史》である畢生の試みもいよいよ佳境へ。

kojimanobuo_5_cover『私の作家遍歴 II 小島信夫批評集成 第5巻』

A5判上製468頁/定価6000円+税
ISBN978-4-89176-815-7 C0395   12月24日頃発売!

解説=宇野邦一
月報=田中和生、岩崎正太、井上謙治、
三浦清宏、坂内正、中西裕





*全巻ご購読者特典として、
もれなく非売品の『小島信夫読本』をプレゼント。
くわしくは内容見本をご覧ください。
(いよいよ締切せまる!=2010年12月末日消印有効)


*内容見本は全国の書店で配布中です。直接お申し込みいただくには、
小社営業部へお願いいたします。郵便切手80円分を同封のうえ、
〒112-0002 文京区小石川2-10-1-202 水声社営業部・内容見本係 まで。

 

書店イベントのご案内:ご予約受付終了

2010年 12月 11日

*おかげさまで定員に達したとのことです。
ご予約いただいたみなさん、誠にありがとうございました。


先日このブログでも おしらせ した書店イベント、

読んでいいとも!ガイブンの輪 歳末特別編 at 百年2010
豊崎由美×個性派ガイブン出版社
小さな巨人と呼んでくれ!(群像社・水声社・未知谷)


は、おかげさまで残席わずかだそうです。
(会場の百年さんの つぶやき もご参照ください)
参加を迷ってらっしゃるかたはいまが最後のチャンス。
ご予約の手続きをおいそぎください。
当日は年の瀬の年の瀬ですが、いろんなかたと
お目にかかれるのを楽しみにしております。


◎ 12月26日(日) 12:00〜13:30 (開場11:30)
◎ チケット 500円
◎ 予約開始日 12月4日(土)11:00 より受付
ご予約は百年まで! 店頭・電話・メールにて

OLD/NEW SELECT BOOKSHOP  百年
180-0004 東京都武蔵野市吉祥寺本町2-2-10村田ビル2F
tel/fax 0422-27-6885

http://www.100hyakunen.com

mail@100hyakunen.com

 

12月の新刊『絶対の探求他 バルザック芸術/狂気選集4』

2010年 12月 10日

balzac_kagaku_coverバルザック芸術/狂気小説選集4
【科学と狂気】

絶対の探求 他

私市保彦訳

四六判上製392頁/定価3500円+税
ISBN978-4-89176-794-5 C0397 12月22日頃発売!



すべて新訳の新シリーズ、ついに全4巻完結!


ダイヤモンドを創造する、という考えに取り憑かれ、
すべてを投げうち実験に没頭するバルタザール。
一家は破産し、科学によって母をも奪われた娘が考え出した
ある策とは……そして男の行きついた果てとは?

バルザック独自の科学観を垣間みることができる表題作と
「赤い宿屋」の2篇を収録。

—–
目次
—–

絶対の探求(私市保彦訳)
赤い宿屋(私市保彦訳)

解説:観念に憑依されて

===
既刊3冊も好評発売中!

 

書評『グラン=ギニョル傑作選』

2010年 12月 10日

先月刊行された『グラン=ギニョル傑作選——ベル・エポックの恐怖演劇』が、
『週刊文春』12月16日号の鹿島茂さんの「私の読書日記」で紹介されました。
どうもありがとうございます!

「ハマー・プロのドラキュラ映画、AIPの恐怖映画に始まる
スプラッター・ムービーの源流はここにあったのかと納得させられる1冊である」



grandguignol_cover-2真野倫平編・訳

グラン=ギニョル傑作選——ベル・エポックの恐怖演劇

A5判上製/272頁+カラー口絵8頁/定価3800円+税
ISBN978-4-89176-808-9  C0074  11月5日頃発売!

硫酸をかけられ、
脳髄を切り刻まれ、
生皮をはがれる人間たち!



ベル・エポックのパリで生まれた恐怖演劇、グラン=ギニョル。
マッド・サイエンティスト、ギロチン、人体改造、拷問などの
猟奇的なモチーフで人々を恐怖の渦に陥れた、代表作七篇を収録!
◎ 充実したグラン=ギニョル主要作品紹介つき。

——
阿鼻叫喚の目次
——
序文(アニェス・ピエロン)
『闇の中の接吻』(モーリス・ルヴェル)
『幻覚の実験室』(アンドレ・ド・ロルド/アンリ・ボーシェ)
『悪魔に会った男』(ガストン・ルルー)
『未亡人』(ウジェーヌ・エロ/レオン・アブリク)
『安宿の一夜』(シャルル・メレ)
『責苦の園』(ピエール・シェーヌ)
『怪物を作る男』(マクス・モレー/シャルル・エラン/ポル・デストク)

グラン=ギニョル主要作品紹介
解説
書誌

 

書店イベントのご案内

2010年 12月 3日

年末も年末ですが、12月26日(日)のお昼に、
都内吉祥寺でイベントが開催されます。
ガイブンに関心のあるかたもないかたも、
ふるって足をお運びください!

—–

読んでいいとも!ガイブンの輪 歳末特別編 at 百年2010
豊崎由美×個性派ガイブン出版社

小さな巨人と呼んでくれ!(群像社・水声社・未知谷)


「読んでいいとも!ガイブンの輪」(通称「よんとも」)は
書評家の 豊崎由美さん が「笑っていいとも」の
「テレフォンショッキング」方式でゲストをお招きし、
素敵な本屋さんを転々として海外文学について語り合う
流浪の番組、ではなくトークショーです。

これまで、野崎歓さん→川上弘美さん→岸本佐知子さん→榎本俊二さん→
本谷有希子さん→〔特別編・柴田元幸さん+若島正さん〕→宮沢章夫さん→
前田司郎さん→〔大森望さん+岸本佐知子さん〕→石川直樹さん→
鴻巣友季子さん、と海外文学好きのお友達を紹介していただきました。

今回は歳末特別編として、個性的な出版活動を続けている
ガイブン出版社の編集者をお招きいたします!!

海外旅行も洋画も各国料理も好きなのに、
海外文学(ガイブン)はなかなか著者名が覚えられないし、
登場する人物名も土地名もなじみがないから
ついつい敬遠してしまうというアナタ!

読んでみたいと思ってはいるけれど、
次々出る新刊を前にどれを選んだらいいか
途方にくれてしまうというアナタ!

あるいは、海外小説について
さらにディープに知りたいというアナタ!

とびきりのガイブン“目利キスト”である豊崎さんとゲストが、
「これはおもしろい!」「いまが旬!」「読んで損しない!」
という新刊をおススメし、魅惑の翻訳小説ワールドへと
みなさんをご案内いたします。

◎ 12月26日(日) 12:00〜13:30 (開場11:30)
◎ チケット 500円
◎ 予約開始日 12月4日(土)11:00 より受付
ご予約は百年まで! 店頭・電話・メールにて

OLD/NEW SELECT BOOKSHOP  百年
180-0004 東京都武蔵野市吉祥寺本町2-2-10村田ビル2F
tel/fax 0422-27-6885

http://www.100hyakunen.com

mail@100hyakunen.com

《プロフィール》

◎ 豊崎由美(とよざき・ゆみ)
ライター、書評家。「GINZA」「本の雑誌」「TVBros.」「文藝」などで
書評を多数連載。主な著書に『そんなに読んで、どうするの?』(アスペクト)、
『正直書評。』(学習研究社)『勝てる読書』(河出書房新社)などがある。
最新刊は岡野宏文氏との共著『読まずに小説書けますか』(メディアファクトリー)。

**
◎ 群像社(ぐんぞうしゃ)
1980年設立。季刊『ソヴェート文学』の発行元として76号から101号までを刊行。
「現代のロシア文学」シリーズで当時ほとんど紹介されることのなかった
現代ソ連文学を日本に紹介、その後「群像社ライブラリー」
「ロシア名作ライブラリー」を中心に新旧のロシア文学からロシア文化をめぐる
書籍へとジャンルをひろげ、刊行点数は今年で120点になる。

島田進矢(しまだ・しんや)
1988年、群像社に入社。ソ連を代表するSF作家ストルガツキイの
シリーズやブロツキイ『私人』などを手がけ、まだ無名だった
ペレーヴィンを日本で初めて紹介。前社長の死去により2010年からは
代表取締役となり、以後は一人で経営。
訳書にブシュネル『モスクワ・グラフィティ』(群像社)がある。

**
◎ 水声社(すいせいしゃ)
1981年、鈴木宏が「書肆風の薔薇」として創業。1986年に白馬書房と業務提携、
1991年に「水声社」と社名を変え、現在にいたる。《アンデスの風叢書》
《言語の政治叢書》《シュルレアリスムの25時》《小島信夫批評集成》などの
シリーズのほか、G・ペレックや荒川修作など、洋の東西を問わず、
奇想あふれる作家・作品を紹介しつづけている。

下平尾 直(しもひらお・なおし)
1968年、大阪生まれ。水声社チーフディレクター。
京都大学大学院人間・環境学研究科博士課程満期退学。企画編集した書籍に
E・ブロッホ『ナチズム』、都甲幸治『偽アメリカ文学の誕生』、
黒木夏美『バナナの皮はなぜすべるのか?』など。

**
◎ 未知谷(みちたに)

1990年12月、飯島が創業。ほぼ1年一人出版社として活動、
2年目に営業と経理担当に一人参加、その後一人増え二人増えして
20人位入れ替わりましたか、現在は五人で20年目を迎えました。
総刊行点数426。文学・思想・芸術と判断できる範囲ですが、
後発の出版社として大手が手を出さない企画を中心に考えています。
いきおい中心よりは周縁といったことになります。
良くいえば次なる中心の提示とも、しかし実態は落ち穂拾いでしょう。

飯島徹(いいじま・てつ)
1950年、東京生まれ。都内某大学中退。以前はモラトリアムとか
言っていましたが、今で言えばフリーターとして30歳近く迄、
業界周辺をふらふらしていました。知己のあった清水康夫氏に拾われ青土社に勤務。
『現代思想』『ユリイカ』の編集を経て、書籍編集部に9年近く在籍。
企画が悉く却下されるようになり、40歳で独立、いまだきわまるをしらず、
これから極めましょうと、未知谷を創業。そんなわけで、
前職で知己を得た著者を一切引きずらず、天涯孤独な出発でした。

 

編集部通信/書評『ミノタウロスの誘惑』

2010年 12月 3日

8月下旬に刊行した『ミノタウロスの誘惑』は好評で、
実際に読んだ人からの反応も、「訳文がよく工夫されていて読みやすく、
イメージがふくらむ」といった声が多く寄せられています。

そして、少し報告が遅くなりましたが、二つの女性誌に好意的な書評が
本の写真つきで掲載されました。
『フィガロ・ジャポン』12月号では、

「自由を求め続けて生涯を過ごしたアナイス・ニンが、
旅と音楽と人生を重ね、半世紀前に著した情熱の書」


と取り上げられ、『Spur』12月号では、

「いち早く女性の性をテーマにした小説を書き、
多くの文学者とも浮名を流した著者の、1961年の作品が邦訳。
メキシコのリゾート地を訪れたジャズ・ピアニストのリリアンが、
南国の風に吹かれ、現地の人々と交流するうち、
他者とも自己ともより深く対話してゆく。決して古びていない、
言葉のきらめきが味わえる」


と紹介されました。また、『本の雑誌』12月号で、山崎まどかさんが、

「リリアンが音楽を奏でるシーンはほとんどないが、
その描写の全てが音楽的であり、その旋律に酔う」


と評しています。さらには、「日本ヘンリー・ミラー協会」の
ニューズレターにも佐竹由帆さんによる書評が掲載されていますので、
ここに一部紹介しておきます。

「……ニンの小説は読みやすいものではないと言われることが多いようだが、
本作の大野氏の訳はとても読みやすかった。比喩の多い
詩的な美しさを湛えたニンの文章を美しくかつ読みやすく訳すのは
労力のいる仕事だっただろうと推察するが、
訳文は苦労を感じさせない見事な仕上がりである。……」



minotauros_cover-e381aee382b3e38394e383bc●円熟味を増したニンの名篇——本邦初訳。

ミノタウロスの誘惑

アナイス・ニン/大野朝子訳
四六判上製240頁/定価2500円+税
ISBN 978-4-89176-800-3 C0097


南国のゆるやかな空気のなかで


太陽がまぶしいメキシコの華やかなリゾート地。
米国人ジャズ・ピアニストのリリアンは
現地のさまざまな人物たちとの出会いを通して
自分の本当の姿と向き合うようになる……
旅と音楽をモチーフに色鮮やかに描く珠玉の小説。


e4babae5b7a5e381aee586ac-e381aee382b3e38394e383bc●好評発売中!

人工の冬

アナイス・ニン/矢口裕子訳
四六判上製328頁 定価2800円+税


異端の愛こそ美しい——

アメリカで発禁となっていた先駆的な性愛小説三篇が
原形のまま70年ぶりに復活。

 

12月の新刊『私の作家遍歴I 小島信夫批評集成 第4巻』

2010年 12月 1日


『私の作家遍歴』がすごいのは、
「読む」と「書く」と「考える」が完全に一体化しているところだ。
誰でも経験しているはずだが、
小説にかぎらずすべての本は読み終わったあとよりも
読んでいる最中の方がおもしろい。
——保坂和志




ラフカディオ・ハーンが東洋の女性に見出した謎。
その謎は《日本という国》の謎へと展開し、
そして作家は世界文学の遍歴という迷宮に身を投じる……。
出色の長篇評論の開始を告げる『黄金の女達』、ついに復刊。


kojimanobuo_4_cover私の作家遍歴I 小島信夫批評集成 第4巻』

A5判上製422頁/定価6000円+税 
ISBN978-4-89176-814-0
C0395 121日頃発売!
解説=保坂和志
月報=鶴見俊輔、青木健、井上謙治、三浦清宏、坂内正、太田鈴子

1123日付『読売新聞』文化欄に本集成の詳細が掲載されました。
尾崎真理子さん、ありがとうございました。全文はこちら
(→


*全巻ご購読者特典として、
もれなく非売品の『小島信夫読本』をプレゼント。
くわしくは内容見本をご覧ください。

(締切=2010年12月末日)

*内容見本は全国の書店で配布中です。直接お申し込みいただくには、
小社営業部へお願いいたします。郵便切手80円分を同封のうえ、
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12月の新刊『ロチの結婚』『ピエール・ロチ伝』

2010年 11月 30日

▼再評価の気運高まる「エキゾティズムの作家」の
代表作と決定版伝記を同時刊行!

lotikekkon_coverロチの結婚

ピエール・ロチ/黒川修司訳
四六判上製272頁/定価3000円+税
ISBN 978-4-89176-809-6 C0097 12月2日頃発売!


もう一度あの人に会いたい




1872年, フランス海軍士官としてタヒチを訪れ,
島の女王の寵遇を得たピエール・ロチは,
現地の美しい娘ララフと出会い,
楽園的で牧歌的な恋を織りなしていくが……
発表当時大当たりした, 異国趣味あふれる悲恋物語。




lotiden_coverピエール・ロチ伝

アラン・ケラ=ヴィレジェ/遠藤文彦 訳
A5判上製656頁+別丁図版32頁/定価8000円+税
ISBN 978-4-89176-810-2 C0098 12月2日頃発売!


ロチ研究の泰斗による決定版評伝。




19世紀後半から20世紀初頭にかけて
世界中を巡航しながら見聞を広げ、
日本滞在経験をもとにした『お菊さん』など
数多くの小説を残した、「異国趣味の作家」の
波瀾にみちた生涯がいま蘇る。


好評既刊

kentai_cover倦怠の華

ピエール・ロチ/遠藤文彦訳
四六判上製280頁 定価2800円+税

 

編集部通信/イベント御礼+書評『日本探偵小説論』

2010年 11月 18日

11月12日にジュンク堂新宿店でおこなわれた
栗原幸夫さんと野崎六助さんのトークセッション
《1920年代の反逆思想!》は、おかげさまで
盛況裡に終えることができました。

平日の夕方という忙しい時間帯にもかかわらず
足をお運びいただいたみなさま、
あるいは参加できなかったものの
心の奥底で声援を送ってくださったみなさま、
そしてジュンク堂ご担当のみなさまに、
厚く御礼申しあげます。ありがとうございました。

11_12しかし、
御年83歳になる
栗原幸夫さんの、
熱く、いつまでも
お若いお話しには、
聴いている方が心を奮わされるような時間でした……。

さて、その余韻もさめやらない翌々日の14日(日)、
東京新聞の朝刊読書面に、野崎さんの新刊、
『日本探偵小説論』が掲載されました。評者は文芸評論家の川村湊さん。
本書が《探偵小説》を狭義のジャンル(業界)の枠を超えた、
広く日本の《近代》と格闘したさまざまな文学作品のなかに、
位置づけ直したことを目一杯評価していただき、

「それにしても、日本の近代文学の本質を
〈昭和十年前後〉という時間のなかに凝縮してみせた
批評の力技は、ただ感嘆する以外にはないのである」


と、そのレヴューを締めくくっておられます。
本書への最上の言葉を、ありがとうございました。
全文はこちらから→(

野崎六助さんの『日本探偵小説論』、栗原幸夫さんの『わが先行者たち』は
いずれも全国書店で好評発売中です。ぜひご一読を!(編集部:Naovalis)

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senkosha001栗原幸夫

わが先行者たち——文学的肖像

四六判上製/466頁/定価4500円+税
ISBN978-4-89176-803-4 C0095  好評発売中!


危機の瞬間にひらめく回想——。
自在な《精神の運動》による戦後文学/思想史の軌跡。



編集者として、批評家として、あるいは
べ平連やAA作家会議のアクティヴィストとして。
埴谷雄高、中野重治、堀田善衞ら《戦後》という時代を協働した、
こよなき《先行者たち》への批評/オマージュを集成する。
【附・著者による自筆略年譜】


——

nihontantei_cover野崎六助

日本探偵小説論

四六判上製/444頁/定価4000円+税
ISBN978-4-89176-801-0 C0095  好評発売中!


真犯人、それは《近代日本》なのか !?




関東大震災の瓦礫のなかから、純文学やプロレタリア文学、
そして映画や写真などの新興メディアをも巻き込んで
自立してゆく《探偵小説》。そのスリリングな通史にして、
名著『北米探偵小説論』と双璧をなす、著者畢生の長篇文学論!
《探偵小説》なくして近現代の日本文学はありえない……。